大阪国際滝井高 心の美しい女性へと

2011年10月27日

大阪国際滝井高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

大阪国際滝井高

科・コースを簡単にご紹介しますと、普通科の中に特進、標準、看護進学、体育・吹奏楽、幼児保育進学があり、普通科の他には国際科がありますので、合計6つの中から選択可能という大変細かいコース分けをされています。

この学校の最大の特徴は以下2点にこだわって教育を頑固(今回配布の資料にそう記載されていました)に実施されている点にあります。

まず1つ目、「心に火を付けるテーラーメイド教育」と「諦めない教育」です。

生徒は皆素晴らしい能力を持っているものの、それが顕在化しているとは限りません。そのことを認識して潜在能力を如何に引き出すか、心に火を付けるか、を滝井の先生方の使命とされておられます。受け入れた生徒一人ひとりに対して最後まで諦めず、粘り強く火付けを行い、育成されておられます。そして、入学から卒業までの伸び率を高めることにおいては他校に負けない学校にするということが大きな目標となっているそうです。

2つ目は、「凛とした美しい人づくり」です。

具体的な取り組みの最も代表的な例として、「小笠原流礼法」が挙げられます。これまでは一部のコースなどで実施してきた礼法の授業ですが、2012年度より全コースで導入されることになっています。特進・看護進学・国際科の3コースは1年次のみですが、他コースは3年間授業に組み込まれています。3年間を通じて礼法が身につくようになります。その他に情操教育やボランティア活動等の社会教育を通じた人づくりにも注力されておられます。

今回の説明会では大阪国際滝井高の卒業生2名(1名は今春大学を卒業し企業に就職、もう1名は併設短大2回生)のスピーチがありました。お二人共「入学直後はお辞儀や立ち方を教わった」と言っておられ、今春就職した卒業生は「面接の際はお辞儀の仕方のことを質問されることが多く、何度も助けられた」とコメントされていました。

礼法の授業で教わるお辞儀や立ち居振る舞いを通じて「思いやり」や「心遣い」が芽生え、やがてそこから「心の美しさ」につながってくるのではないでしょうか。先にご紹介した今春就職された滝井の卒業生は、就職活動時にお辞儀の仕方から心の美しさが滲み出ていたのを面接官から指摘された、ということなのかな、と解釈しています。

さて、大学進学についてご紹介します。

大阪国際滝井高には、併設に大阪国際大・同短期大学部があります。毎年1学年230~240名のうち35~40%が併設大・短大への内部進学を希望されるようです。ただし科・コースによって内部進学率が異なります。例えば、併設短大に幼児保育学科があることから特に幼児保育進学コースからの内部進学率が高く、90%となっています。標準コースでも5~60%あるようですが、一方で特進・看護進学といったコースは外部大学等の受験がメインとなっている様子です。

内部進学、というと「入試が無い分ラクして大学・短大に進学出来る」ことから、途中から勉強の手を抜いてしまう生徒が多数出てくることはよくある話です。大阪国際滝井高では簡単に進学出来るという捉え方をさせないように、自分たちの課題にしっかり取り組ませ、それを達成することで「進路を切り開いていく」という実感を持たせる、という方針をとられています。内部進学をする生徒にも外部の大学・短大等を受験するのと何ら変わらない苦しい道のりが待っている、と考えた方がいいかもしれません。

新しく出来たばかりの新校舎があるわけでもなく、広いグランドや充実した設備があるわけでもなく、ともすれば地味に映ってしまいがちの学校ではありますが、先にご紹介した礼法の授業に代表されるように、女子校だからこそ安心して女子を通わせることが出来るような学校づくりをされています。

今春の入試においては募集定員の約70%にあたる人数が専願で出願されています。これは大阪府内の女子校の中でもトップ10に入る高い割合です。地味ながらも堅実・ブレの無い教育内容が受験生や保護者に評価されている証拠の1つです。