大阪桐蔭中プレテスト問題に見る 今年の時事問題予想

2010年1月7日

昨年12月12日(土)に大阪桐蔭中がプレテストを実施しました。この学校のプレテストは他校のそれとは少し特徴が異なる部分があります。毎年大阪桐蔭中以外の中学を志望する受験生も多数受験するという点がそれで、受験生や学習塾の間ではさながら「模擬試験の一つ」のような捉え方をされています。実際に、2008年に実施されたプレテストの成績上位者の進学先を見てみますと、トップ10の中に灘中進学者が5名、東大寺学園中・洛南高等学校附属中がそれぞれ2名ずつ、甲陽学院中と大阪桐蔭中が各1名となっています(同点がいるのでトップ10該当者は11名)。

今年も約1300名が受験をしたこのプレテスト。当日の問題も入手しておりますのでじっくり見てみたところ、社会の問題には非常にたくさんの「時事問題」がありました。9月までの内容とはいえ2009年の出来事がすでにテストに反映されておりますので、「どんな内容が出題されたのか?」を知れば今後の対策に役立つと思います。

今回は、大阪桐蔭中のプレテストで出題された時事問題のうち、特に知っておいてほしいと思われることをいくつかご紹介したいと思います。

まずやはり「鳩山政権発足」は必ず押さえておくべきでしょう。「今の内閣総理大臣の名前は?」という初歩的なものは当然ですが、「衆議院解散総選挙」「内閣総辞職」「内閣総理大臣の指名・任命」「国務大臣の任命」などなど、鳩山政権発足までの間に行われた事がらも合わせて覚えておく必要があるでしょう。

時事問題を学習する上で大事なポイントは実はここにあるのです。「衆議院解散総選挙」を例にとってみると、「今回の衆議院議員総選挙と同時に行われたことがらは?」という問題が大阪桐蔭中のプレテストで出題されています(答えは「最高裁判所裁判官の国民審査」)。つまり、出来事そのものに焦点を絞った問題だけではなく、それを中心にしていろいろと話を広げて問題が作られることを考えて勉強する必要があるのです。

そういう意味では、「鳩山政権発足」については「鳩山政権発足後行われたこと」も押さえておく必要があるでしょう。

この他に出題されていたのは、「定額給付金」「新型インフルエンザの流行」「ラクイラサミット」「皆既日食」「裁判員制度」といったものです。

サミットについては毎年多くの中学で問題が出題されます。「2009年に実施された『ラクイラ』はどの国にある?(答え イタリア)」という問題は容易に予想できますが、「ホスト国であるイタリアの首相の名前は?(答え ベルルスコーニ首相)」といった人名をからめてくる問題、「次回はどの国で実施される?(答え カナダ)」や「前回(2008年)実施されたのは日本ですが、開催地は?(答え 北海道・洞爺湖)」といったものも考えられます。出され方にひと工夫されることもある程度覚悟しておく必要があります。

中学入試の社会では必ずといっていいほど出題される時事問題。勉強するときの注意点を一つ。最近、漢字で人名・地名を書くように指定している中学が多くなっており、厳しいところでは記述問題も全部漢字指定をしている所も出てきています。人名・地名は必ず漢字で書けるよう、何度も練習しておくようにしましょう。もちろん、誰が読んでもわかる「丁寧な字」で書くようにしましょう。