2010年度中学入試 結果分析②

2010年4月22日

前回のエントリーより、2010年度中学入試の結果分析を主なトピックスごとに数回に分けてご紹介していっております。

今回は、併設小学校1期生の内部進学を迎えるということで中学入試にどれほど影響を与えるのかが注目されていた同志社及び立命館の両中学校の結果について分析します。

まず、同志社系列4中学校合計の統一解禁日受験者数について、昨年と今年のものを比較してみましょう。

同志社大系列

ご覧のように、同志社系列4校の総受験者数は昨年からちょうど1割減少しています。

同志社香里中は昨年から5名の減少にとどめるなど、厳しい中学入試の状況の中で非常によく踏ん張られた形となっています。

残念ながら同志社系列4校の中で最も受験者数を減らしているのが同志社中で、昨年と比べると約2割減少しています。その理由について考えられるものについては、後ほどご紹介いたします。

続いては立命館系列です。「学校法人立命館」が設置者となっている3校について、同志社系列と同じく昨年と今年の統一解禁日受験者数を比較してみましょう。

立命館大系列

立命館系列3校の統一解禁日総受験者数は、昨年の2/3にまで落ち込んでしまっています。特にへこみが目立つのが立命館中で、昨年の半分以下の受験者数となっています。立命館中にとっては大変厳しい募集状況だったことがわかるデータです。

ここまで同志社中と立命館中での大きな受験者数のへこみがあったことをご確認いただきましたが、両校に共通する点としては「併設小学校1期生の内部進学を迎える」という部分があります。

併設小からの内部進学

上の図のように、併設小学校にはそれぞれ60名、120名が1期生として在籍していました。

内部進学者を迎えるにあたって、特に多数の進学者を迎え入れることになる可能性が高かった同志社中と立命館中は、外部からの募集人員について変更が必要となりました。変更後の両中学の募集人員は上の図内に記載しているとおりで、特に立命館中が昨年と比べて募集人員が大きく減っていることが目につきます。これだけ見ると「やっぱり入りにくくなるのかー」という印象になることは否めません。

立命館中よりも内部進学予定者が少ないとはいえ、同志社中も同様に外部からの募集状況が悪化することが懸念されました。それに対し同志社中はHP内の「よくある質問Q&A」というコーナーで「募集人員は減りますか?」という問いを設け、「募集人数は京都で最多です!ぜひ、他校と比較してみてください」と説明をされているなど、内部進学者を迎えるにあたって外部からの受験者が減ることに対して手段を講じていました。

その差が出たのでしょうか、立命館中の受験者数が大幅に減少したのに対し、同志社中は立命館中ほどのダメージを被ることは回避しています。同じ年に併設小学校から内部進学生を迎えた両校ですが、外部からの受験者数については明暗が分かれた形です。

さて、こちらのエントリー「立命館中高 長岡京市へ移転」でもご紹介したとおり、立命館中は今後校地を長岡京へ移転することをすでに発表しており、大阪からの更なる受験生獲得の可能性が出てきます。

校地の移転によって立命館中高がどのように変わるのか、についてもそうですが、現在の深草から同中高が出て行った後の土地利用についても注目すべきです。跡地利用については、噂話のレベルではすでにいくつか耳に入ってきていますが、どれも「実現すれば大きく勢力地図が塗り替わる」というものばかりです。こちらも合わせて要注目です。

次回では同じ大学附属校のくくりである関大系列の各校について分析をする予定です。