龍谷大学付属平安中高 中学入試で多数の変更点

2010年9月27日

龍谷大学付属平安中高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

龍谷大学付属平安中高 説明会会場

ここ数年お邪魔している説明会ですが、いつも龍谷大の設備を使われての説明会でした。今回は中高のホールで実施いただき、初めて中高の校舎内に立ち入ることが出来ました。

まずは2010年度中学入試の結果分析についてです。

近畿地区の私立中が総じて今春入試は志願者が集まらない苦戦状態でした。特に京都府では、立命館中が附属小からの内部進学を迎えるということで募集定員を大きく減らし、結果として合格ラインのアップを嫌って敬遠する動きがありました。そのため、立命館中は大きく志願者を減らし、だいぶ下まで合格を出した形でした。その影響を受け、その他の私立中に志願者が集まらなく、どの学校も合格ラインを下げて入学者数を確保する戦術に走る中、龍谷大学付属平安中は全日程の合格者は91名にとどめられました。「一定のレベルを超えている受験生しか合格を出さない」という考えを貫いた形です。

そんな中でも、A0入試は40数名がエントリーし、12名に出願資格が与えられ、その全員が受験・合格・入学しています。A0入試は第一志望が集まり、確実に入学してもらえることから、今後はA0入試にウエイトを置く形へシフトしていくようです。

「一定のレベルを超えている受験生しか合格を出さない」というスタンスであっても、志願者が集まらないことには話は始まりませんので、来年度入試では非常に多数の制度変更を行い、受験生を集める方策をとられています。

以下、2011年度中学入試における主な変更点です。

①募集定員を90名から60名へ変更
②入試科目の配点を変更、算国各120点・理社各80点へ
③B入試と同日にB0入試を新設、公立中高一貫校受験生をターゲットとした「適性テスト(国算)」で、受験には事前のエントリー(12月中旬)で認定を受ける必要あり
④A0入試のエントリーが早期から開始

また、「2010年度近畿地区私立中 プレテスト日程 ほぼ出揃う」「京都府私立中 プレテスト実施校 大幅増へ」といったエントリーでもご紹介していますが、「ドラゴンテスト」という名称のプレテストを11月13日(土)に実施されます。テストはAとBの2タイプあり、共に国算2科ではあるものの、出題される内容が大きく異なります。

Aタイプ:従来通りの内容
Bタイプ:公立中高一貫校の入試に対応した「適性問題」型の出題傾向

Bタイプは公立中高一貫校の入試内容に近いものになるということですが、具体的には「国語では漢字の書き取りはナシで文章題中心」「算数は計算問題ナシ・文章題中心として問題量をかなり増やす」ということが予定されているようです。

このBタイプの問題についてもう少し。洛北・西京といった公立中高一貫校の対策授業を行っている各塾では独自に公立中高一貫校と同傾向としている模擬試験を作られてはいますが、一般的に「誰でも受験できる模試」というのが無い状況です。その点から考えれば、この龍谷大学付属平安中のドラゴンテスト(B)を公立中高一貫校を目指す受験生が多く受験すれば、一種の「公立中高一貫校統一模試」として成績判断上重要な資料となりえる可能性があります。

ただし、残念ながら今年に限りドラゴンテストの答案は返却されないようです。問題用紙と解説を代わりに配布いただけるようですので、これで対策を進めるよりほかはありません。

授業の様子

続いて高校についての話題も少し。

今年の入試では出願者数がプログレスで714名・クリエイトで834名、入学者数はプログレス86名・クリエイト316名でした。アスリートの入学者数も54名おりますので、非常によい入試となったのが印象的です。しかも、プログレスにはレベルの高い生徒たちが入学した模様で、3年後の大学受験が楽しみです。

2011年度入試では募集定員をプログレスで20名増の100名に、クリエイトで20名増の160名、とされます。今年の勢いならば集まるだろうな、と感じます。

順調な高校入試と違って中学入試では苦戦されている様子ですが、それでも入学者の成績層の維持にはこだわりを持たれています。その中で編み出された「公立中高一貫校受験生の併願先」として選んでもらえるような取り組みは、大当たりすれば成績上位の受験生を上手く取り込めます。

2011年度入試の大きな注目点です。

なお、併設の龍谷大の話題についてはこちらのエントリー「龍谷大 2010年度入試結果と政策学部新設」をご覧ください。