2011年度中学入試 結果分析② ~入試日程の前倒し~

2011年5月18日

2011年度中学入試の結果をテーマごとに分析しているこのシリーズ、「2011年度中学入試 結果分析① ~府県別受験者数・率~」に続くエントリーとなります。

今回は入試日程にスポットを当てて分析を進めてまいります。

入試日程に関する話題としては、「入試日程の前倒しが相次いでいる」という点がまず先に挙げられます。

少ない受験生を早めに確保することを目的として、各校が入試日程を前倒ししてきている動きが昨年・一昨年あたりから徐々に見られるようになってきていますが、今年についても前倒し傾向に更なる拍車がかかった形です。以下、7つの画像で詳しくご紹介を致します(画像をクリックすると拡大します)。

なお、今年の入試日程については以下5つのエントリーでも過去に詳しくご紹介しています。こちらも合わせてご覧下さい。

2011年度近畿地区中学入試 入試日程一覧①
2011年度近畿地区中学入試 入試日程一覧②
2011年度近畿地区中学入試 入試日程一覧③
2011年度近畿地区中学入試 入試日程一覧④
2011年度近畿地区中学入試 入試日程一覧⑤

2011年度入試日程①

2011年度入試日程②

各府県の入試日程表内にある色つきの矢印ですが、左向きの赤い矢印は入試日が昨年より前倒しとなった部分、右向きの青い矢印は入試日が昨年より先送りとなった部分であることを示しますが、赤い矢印が多く見られることに気づきます。

また、20日(木)以降になると入試を実施しているところがほとんどなくなってしまっていることもお分かりいただけるのではないでしょうか。例年は遅めの日程に入試を行っていた履正社学園豊中中・雲雀丘学園中・京都女子中といった人気校が今年は大きく後期・2次の日程を前倒ししてきています。

ここまで各校が早い日程での入試設定に終始してしまっているのでは、受験生としても「早期の決断にならざるを得ない」形となっています。

そして、入試日程に関してのもう一つの話題が「午後入試導入校の増加」です。

先ほどもご紹介しましたが、早期の受験生確保のために入試日程が前倒し傾向にあるものの、短い日程内ではどこか他の学校と入試日がバッティングすることは避けられません。それを回避するために今年は「午後入試」を導入する学校が多数出現しました。

元々、関東地区では午後入試はごくごく当たり前のこととなってはいるものの、近畿地区ではまだまだメジャーな存在ではありませんでした。

そんな中、今年は15日(土)午後に大阪桐蔭中が入試日を設定したことは受験生・学習塾・各私立中の間で大変大きな話題となりました。大阪桐蔭中の初日午後入試受験者の併願先としては、以下のような学校があったそうです。

大阪星光学院中、四天王寺中、清風南海中、開明中、清風中、明星中、六甲中
洛星中、京都府立洛北中

また、大阪桐蔭中の初日受験者数を昨年と比較しますと以下のようなデータになっています。

英数選抜 218名増(昨年比4.5倍)
英数 185名増(昨年比2.8倍)
初日合計 403名増(昨年比3.4倍)

16日(日)の午後には関西大学北陽中と桃山学院中が陣取るなど、こちらも併願校を考慮する際に非常に大きなポイントとなりました。

なお、昨年・今年の比較の形で午後入試を実施した学校を以下にご紹介しています。

午後入試導入校

赤い字で表記している学校が今年新規で午後入試を導入された学校です。今年大きく増えたことがわかりますが、来年に向けて現在午後入試導入について検討をされている学校がいくつかあると聞いています。来年は午後入試実施校の数がこの表では収まらないことになる、そんな事態になるやもしれません。

次回のエントリーでは、根強い人気を誇る「関関同立大各附属校の入試結果」について分析してみたいと思います。