仁川学院中高 特進Ⅱ(中学)の取り組みと学内予備校

2011年5月26日

仁川学院中高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

仁川学院中高①

上の写真中央にそびえたつのが「宇宙軸」という、天・地・地下を結ぶ軸(宗教的な意味があるようです)で、学校生活の真ん中にキリスト教の教えを据えた象徴的なものとされています。なお、全校舎がループ型に配置されており、そのループの真ん中にこの「宇宙軸」が配されています。

仁川学院中高では2002~2004年で改革を実施されています。

「教育改革=教職員の教育への意識を変えること」というお考えの下、教職員のジャージ・スリッパを禁止されるなど、教職員の皆さんの意識改革をまず徹底的に行われたそうです。

また、何か1つの分野でだけ成果を出すのではなく、様々な分野で成果を出すということを目標に挙げられたのも特徴です。「東大に合格者を出す」ことと「甲子園に出場する」ことを両方同時に実現させるような形になることが理想形、とされているそうです。

さて、そんな仁川学院中高ですが、今回は2つの話題をお届けしたいと思います。

まず、中学校に昨年春から設置された「特進Ⅱコース」についてです。

2010年春から新設された特進Ⅱは、難関大合格を目指すコースとされています。特徴としては以下3点が挙げられます。

①大学入試を把握した教員による指導やフォローアップ&土曜講座といった、学年の枠を超えたハイレベルな授業
⇒ 土曜日に行っている「ハイレベル数学」に関してはZ会のテキストを使用する難度の高さ
②知的好奇心を刺激する体験型授業
③宗教・哲学・論語を通しての倫理観・道徳観を養う授業

なお、特進Ⅱの1期生が1年⇒2年に上がる際、特進ⅠからⅡへ上がりたいと希望を出したのが9名おられたそうです。その内6名が成績的に問題無いと認められ、特進Ⅱへ上がれたそうです。ちなみに、特進ⅡからⅠへ下がってしまった生徒はこの時点ではゼロだそうです。

勉強をさせるコース、ということでクラブ活動との両立が心配されるところですが、現在の中2生17名中0名(うち9名が体育会系)がクラブに入っているとのことです。

続いての話題は、高校生を対象に行われている「学内予備校」についてです。

45分×7コマが基本フレームとなっている通常授業ですが、その後で放課後に90分の「学内予備校」が実施されています。

この学内予備校の特徴は以下2点です。

①受講料は学校が全学負担
②補習ではなく大学受験に向けて攻めの姿勢で臨む内容

開講されている講座にはざっと次のようなものがあります。

高1対象:ハイレベル英文法・基礎英文法・ハイレベル数学ⅠA・基礎数学1A
(ハイレベルは外部予備校講師が担当・定員45名、基礎は学校教員が担当・定員無制限)
高2対象:ハイレベル英文読解・入試英文法・ハイレベル数学ⅡB・スタンダード数学ⅡB・化学特講
(英数は外部予備校講師が担当、ハイレベルは定員45名、他は定員無制限)
高3対象:スタンダード私立大英語、その他多数
(河合塾講師担当講座は定員35か45名、他外部予備校講師担当講座・学校教員担当講座は定員無制限、講座は多数あり)

この学内予備校を始めたことによって、特進コース生はもちろんですが、進学コース生の進学に対する意識も大きく変わったそうです。

今年の大学合格実績を見てみますと、神戸大2・兵庫県立大1・大阪市立大1を含む国公立大は13名。私大は早稲田大5・慶應大3・同志社大13・関西学院大29・関西大30・立命館大10といった所です。

特に同志社大が昨年から8名増えた点が特筆点ではありますが、入学者のレベルと比較して全体的に「突き抜けた感のある実績である」とは言えないのが事実です。

今回ご紹介した中学校での「特進Ⅱ」と、高校での「学内予備校」の2つが進学実績向上につながる時が楽しみです。