2011年度中学入試 結果分析③ ~大学附属校 その1~

2011年5月23日

2011年度中学入試 結果分析① ~府県別受験者数・率~
2011年度中学入試 結果分析② ~入試日程の前倒し~
に続くエントリーです。2011年度中学入試の全体概況についてお伝えしているシリーズです。

今回は、「大学附属校」というテーマに沿って分析を進めていきたいと思います。

今回取り上げますのは、関関同立それぞれの学校法人が直接設置している学校、もしくは「特定のコースの生徒だけでなく、在籍生のほとんど全員が提携の大学に進学する」といった「関関同立附属校に限りなく近い存在の学校」のみを取り上げて比較しています。

また、比較対象としているのは「統一解禁日 受験者数」としています。例えば同志社系列は各校とも1回しか入試が無いのに対し、関西大学北陽中や関西大学中、立命館中といった所は複数回の入試を実施しています。すべての入試回の受験者数を計上してしまうと純粋な比較になり得ません。よって、今回取り上げる全校が入試を実施している「統一解禁日」のみにスポットを当てました。

まずは、関西大学の附属校3校についての過去3年間の受験者数の推移です。

関西大学附属校

2010年度は関西大学北陽中・関西大学中が新開校したので受験者数がその分増える予定でしたが、関西大学第一中が面接試験を2日目に実施したことによる「2日間入試化」となり、大きく受験者数を減らしてしまいました。その分、大きな受験者増とはなりませんでした。

2011年度入試においては、まず関西大学第一中は昨年とほぼ同数の受験者数となり、2日目に午後入試を実施された関西大学北陽中が約60名の受験者増となりました。その結果、昨年対比で受験者数約1割増となりました。

続いて、関西学院大学系列各校についてです。

関西学院大学附属校

今年2011年度入試で最も受験者数に変動があったのが、関西学院中です。2012年度より共学化されることがすでに発表になっていますが、男子校の中でも最も男子校らしかった関西学院中が共学化することとあって「熱烈な男子校ファン」の受験生・保護者からの支持を失ったものと解釈しています。他2校で受験者数を伸ばしたものの、附属校3校合計で約5%の受験者数減少となってしまいました。

同志社大学系列はどうだったのでしょうか?

同志社大学附属校

※同志社女子中の2009・2010受験者数に誤りがありましたので、修正しました。

昨年は同志社中が「併設小からの内部進学者受け入れによる外部募集定員減少」が引き金となって、100名もの受験者減となりました。今年はそれが若干持ち直した反面、今年同志社女子中で約20名受験者数を減らしてしまっています。

また、同志社香里中もじわじわと受験者数が減少してきている実態です。

4校合計で昨年対比99.7%、昨年とほぼ同数の受験者数となりました。

最後、立命館大学の附属校についてみてみましょう。

立命館大学附属校

立命館中が2010年度に大きく受験者数を落としていますが、これは同志社中と同じくして「併設小からの内部進学者受け入れによる外部募集定員減少」が原因となっていました。しかし、受験者数の減りは約300名であった一方で同志社中は100名に収まっていました。同志社中に比べて減り幅が大きく、受けたダメージが非常に大きかった年でした。

今年は立命館中は昨年よりも受験者数を伸ばしたものの、2009年度水準にはほど遠く及んでいません。

その反面で手堅く受験者を集めているのが立命館宇治中と立命館守山中の2校です。大崩れすることも無く、極端に受験者数が増えて合格ラインが上がることも無く、受験させやすい状況です。

立命館系列校3校で昨年から3%の受験者数増となりました。

4大学附属校の受験者数状況が出そろいましたので、次回のエントリーではそれぞれの大学の附属校の受験者数を足して4大学間で比較し、最後にこれら4大学の附属校すべての受験者数3年分のデータを検証してみたいと思います。