初芝立命館中高 立命館との提携から3回の入試を経て

2011年6月28日

初芝立命館中高の塾対象説明会参加の様子をお伝え致します。

なお、初芝立命館中と同高は離れたキャンパスにこれまで位置していましたが、この春からめでたく高校が中学のキャンパスに移転、同時に新校舎を完成させています。特に新校舎について詳しくはこちらのエントリー「初芝立命館高 新校舎の全貌が明らかに!」でご紹介していますので、まずはこちらをお読みいただきたいと思います。

初芝立命館中高 説明会

今回の説明会の様子を中学・高校の順にご紹介してまいります。

中学校の教育内容についてですが、社会に出てから必要となる「あいさつ」「時間を守る」「約束を守る」「勉学に励む」の4つを中学のうちに徹底させる、ということに力を入れておられます。在校生の保護者を対象としたアンケート調査によりますと、この取り組みに対する評価は「満足」「おおむね満足」の合計が98%となっているそうで、ほとんどすべての在校生の保護者からの支持を得ている形です。

また、こちらの中学では7~8割の家庭が共働きであることと、大阪府外から10名程度が通っていること、この2つに対して大きな味方となるものとして、食堂での食事提供ではなく食育を重視した「給食制度」を設けている点が挙げられます。こちらもアンケートによると94%が「満足」「おおむね満足」で占められており、在校生のほとんどから好意的な印象を持たれているようです。

具体的な授業の中身に目を移しますと、世界の諸問題について考えたり、実社会の理解や関心を高めるプログラムである「地球市民科」という授業がある点が特徴的です。10期生(2010年3月卒業)が2年次から3年次の地球市民科授業を通して発案したドーナツがミスタードーナツで実際に日本・韓国・タイ・マレーシアなどで商品化されたり、カゴメやソニーといった一流企業が授業に来てくれるなど、多彩な内容がラインナップされています。

ただ、学力だけでなく仲間・気力・体力も作る環境であることにも配慮されていますので、学校行事が多く設定されているというのも1つの特徴です。

コース変更についても触れておかねばなりません。グローバルから立命館へのコース変更は高1進級時に可能です。そのコース変更の際に必要となる基準については在籍生の保護者にのみ公開されているそうです。

続いては高校の教育内容についてです。

校訓は初芝時代から変わらず「誠実剛毅」のままとなっているので、昔からの初芝高の精神をここに引き継いでいます。

その一方でこの春から中学がある北野田キャンパスに高校が新校舎を建てて、移転を済ませました。そのため、行事や職員間の交流もかつてよりやりやすくなっているようです。

コースは「立命館」「グローバルS」「グローバルA」「体育科」の4つあります。グローバルSとAの間は高2・3進級時に入れ替えが行われますが、立命館は3年間コース変更がありません。

さて、グローバルのSとAではどのように違うか、といいますと、グローバルSは国公立大・難関私立大を目指すコース、一方同Aは推薦枠などを使っての私立大現役合格を目指すコース、というのが大きなが違いとなっています。

さらに、初芝高時代から存在する体育科ですが、野球・サッカー・剣道・陸上の4つのクラブに入ることが義務とされるコースとなっています。推薦での入学が多いようですが、一般の入学試験を受けての入学も可能となっています。

今年で立命館との提携後から数えて3回の入試が実施されました。現在高3生である生徒の皆さんは立命館との提携後初めて「立命館大への内部進学」となる学年となります。どんな学部に何人が進学するのか?や、トータルではどれくらいの割合で立命館大に上がるのか?については大変注目されているところであることは明らかです。

どうやら、立命館大から与えられている内部進学枠の45%程度が理系学部の枠のようで、理系希望者も広い門で迎え入れてもらえる予定となっていることが明らかになっています。

来年春の内部進学状況は再来年である2013年度入試での人気に大きく影響してくるでしょう。現在小学校5年生あるいは中学校2年生のような今後志望校をお考えになる予定となっている学年の皆さんは、初芝立命館高の来年の大学進学状況に要注目です。

さて、来年の入試についてもご紹介致します。

中学入試においては、入試日程を1/14(土)A日程・15(日・午後)B日程・17(火)C日程の3回、として決定されました(ちなみに2011年度と同一日程)。そのうち、14(土)A日程は専願のみとなっており、他日程であるBとCは専願・併願を選択することが出来ることになっています。

また、15日(日)に実施のB日程が午後の設定(15時集合)になっている点が大きな変更点の1つです。

入試科目は基本的に「立命館コースは4科、グローバルコースは2科」とされていますが、B日程の立命館コースに関してのみ「3科(国算理)300点」での試験となる点も大きなポイントです。

また、立命館コースの合否判定については4科(B日程は3科)での判定の他に、日程ごとに異なる判定方法が設けられることになっており、少々複雑な形となっています。次の表にまとめてみました。

初芝立命館中 立命館コース選抜方法

立命館コースは基本的に4科(B日程は3科)での受験ですが、上の表の通り、日程によって「総合型」の他に「算数重視」「理科重視」「社会重視」の中からあらかじめ指定されている型も含めて自動的に得点を計算し、最も高い得点で合否判定されます。

なお、どの型で判定するのかについては受験者が出願時に指定は出来ないことになっています。4科(B日程は3科)受験が必須となっていますので、例えばA日程で「社会は勉強していないから受験したくない」ということは不可能ですし、「理科重視型で判定してほしい」というご要望も出来ないことになっています。ご注意ください。

高校入試についても大きな注意点があります。

来年4月には立命館との提携後初めて中学入学生を内部進学(予定者数は60名程度)として迎えます。そのため、来年の高校入試においては募集人数が大きく減ることになります。よって、合格に必要となる力に大きな影響が出ることと思われます。

具体的には、最上位コースである立命館、外部大学を積極的に受験することになるグローバルS、この2つのコースで少々レベルが高くなることが考えられます。ご注意ください。

立命館との提携から今年ではや3回の入試を終了した初芝立命館中高。立命館との提携後は全てにおいて順風満帆に進んでいる様子です。高校から立命館大への内部進学状況と、中学からの内部進学者を受け入れることによって高校入試が難しくなるであろうという点、この2点が来年の初芝立命館中高(中高といっても高校のネタばかりになりますが)の大きな注目点となります。