龍谷大 今春新設の臨床心理学科が大人気

2012年8月3日

龍谷大の高校・予備校対象の説明会に行ってきました。

龍谷大①

今回の説明会は大宮キャンパスでご実施下さいました。上の写真は1879(明治12)年に竣工した、大宮キャンパスのシンボル的建物である「本館」で、国の重要文化財にも指定されています。この本館を使用して数々のドラマや映画が撮影されているようで、昨年の秋ごろには実写化で話題になっている「るろうに剣心」もこの本館や中庭を使って撮影されたそうです。

さて、龍谷大と言えばこちらのエントリー「龍谷大 2015年春 瀬田キャンパスに農学部を新設」でご紹介しました通り、農学部(仮称)を2015年に瀬田キャンパスに開設予定とされています。

農学部は全国を見渡しても30年以上新設されておらず、こと関西私立大では近畿大に次いで2校目の設置となりますから、大変貴重かつ面白い存在になることと思います。

定員は1学年400名を予定されておられるようで、仏教の「食とは他の命を頂くこと」との考えに則り、安全・安心を目指すため食の生産・流通・消費・再生に倫理観を持ってあたることを基盤とした教育内容とされる予定のようです。

農学部というと「理系」であることには間違いありませんが、龍谷大の農学部には「食料経済学科」という文系学科も設置されるという点がユニークです。興味を持たれた方はぜひ龍谷大のHPで学習・研究内容を確認してみてください。

龍谷大②

話は変わりまして、就職実績・学生サポートをご紹介します。

今春の就職決定率は93.6%となり、全国平均と全くの同値でした。

卒業生を対象とした就職支援も行っておられるのも特徴的な点ですが、他大学のキャリアセンターとの大きな違いとして強調されていたのは、他大学では「相談希望者は要予約」の所もある一方で、龍谷大では「相談希望者はいつ来てもすぐに相談員が話を聞ける」ということだそうです。それだけ多くのキャリア関連のスタッフを擁されている、ということなのでしょうか。学生にとっては非常に頼もしい存在なのではないでしょうか。

また、近畿地区だけではなく全国から多くの入学生を預かられている大学ということもあり、在学生の成績についてはいわゆる「実家」にも送付をしている他、地方出身者の保護者を対象として全国を回って成績に関する懇談会を実施されている、というのも大変面白い取り組みだと思います。

では、入試関連の話題に移ります。今春のおおざっぱな入試結果状況は次のようになっています(画像をクリックすると拡大します)。

龍谷大

どの入試形態においても志願者数が増加しているものの、それ以上の割合で合格者数も増やされていることから、倍率自体は昨年程度となっています。

上の表ではご紹介していませんが、厳しかった入試形態としては、一般Bでは志願者数が約1,400名増えた一方で合格者数が昨年より2名減っていることから、一般Bは特に倍率が上昇した様子です。

センター利用方式ではすべての型で志願者増となりました。志願者増の大きな要因としては、「1出願1万円」でと安価で済んでいる点ではなかろうか、と分析しています(ちなみに他大学は1万5000円が相場)。

今年龍谷大の人気が爆発した要因ですが、タイトルにもあります通り文学部に臨床心理学科を新設したことが大きいのは明らかです。同学科の志願者数は公募推薦・一般・センター利用の合計で実に2,500名、文学部全体の志願者数の約1/4もの志願者数を集めています。一方で合格者数は244名に留まり、トータルでなんと10倍という狭き門となりました。

さすが文学部が強い龍谷大、その中でも受験生に特に人気の心理学系とのことで、圧倒的な人気となりました。

2013年度入試に向けての情報です。大きな変更・特徴点は次の通りとなっています。

①文学部が高得点科目重視方式を導入開始。
⇒ これにより文系学部すべてで高得点科目重視方式が採用されることになる。
②公募推薦(2教科型)、一般A~C日程において同一試験日に文学部と他の文系学部との併願が出来るようになるなど、併願制度を拡充。
③インターネットによる出願の場合、入試日程(同一出願期間)単位において受験料総額から5,000円が割引されるように。

アカデミックスカラシップ、いわゆる特待生制度は以下の通りとなっています。特待生狙いの方は要チェックです。

①一般入試A・B日程スタンダード方式(文系型・理工型)で総合点の得点率が80%以上の合格者全員
⇒ 今春はこの方式での合格者数4,228名中12.6%となる531名が対象となった
②センター利用入試(前期)で入試成績上位(学部ごとに対象者数を設定)
③英語型国際文化学部公募推薦入試において、入試成績3位以内の合格者

来年度の臨床心理学科の動向が気になるところですが、恐らくは今年ほどの高い倍率にはならないと思われます。ただし、近年の「安全志向」から考えますと、成績上位者が多く受験してくることが予想されますので、合格に必要となる難易度については今年と同程度ぐらいは想定しておいた方がよさそうです。