国立教員養成大 鳴門教育大が3年連続教員就職率トップ!

2013年3月28日

文部科学省は、小・中・高等学校等の教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部卒業者(44大学・学部)の教員養成課程の就職状況について、毎年データを取りまとめて公表しています。この度、最新のデータとなる「平成24年3月 教員養成課程卒業者」についての平成24年9月末までの就職状況が発表されました。

なお、昨年同時期のデータに関してはこちらのエントリー「またまた上昇 国立出身者の教員就職率」でご紹介をしています。

データの概要は次の通りです。

①国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)卒業者の教員就職者数
今年6,466人(正規採用3,726人、臨時的任用2,740人)
昨年6,494人(正規採用3,820人、臨時的任用2,674人)

②全体での教員就職率
今年61.6%(前年より-0.4%)
昨年62.0%(前年より+2.4%)

ここ数十年の教員就職率等の推移は以下のグラフの通りとなっています(画像をクリックすると拡大します)。

中央付近に点線で示されているのが、国立の教員養成大学及び学部(教員養成課程)卒業者の「教員就職率」となります。直近の教員就職率は61.6%となっております。少子化による児童生徒の減少等に伴い採用率を減少させた平成11年度32%という過去最低値から考えますと、かなりの良化となっています。

採用率の良化にはいくつか理由がありますが、その内の最も大きな部分を占めていると思われるのが「団塊世代の大量退職で近年は新規採用が増えている」というものです。

また、教員養成大学・学部の入学定員を減らしたりしてきたことも理由の1つになるでしょう。

教員就職率が盛り返したのは「臨時的任用」の部分での人数・割合が増したことが大きく寄与していることもわかります。今回の最新のデータでは、総就職者数の4割強が臨時的任用での採用、となっています。

「少人数クラス編成」や「習熟度別授業」を取り入れる学校が増えるにつれて、この臨時的任用で採用される先生の数が飛躍的に増えているようです。

待遇面で正規での採用者よりも安く抑えられるということもあり、正規任用の代わりに臨時任用の先生を増やすことで人件費等を抑えていると思われる所もあるようです。

ですから、教員就職率が上昇しているとは言えども、臨時任用の占める率が高いことを考えると手放しで喜べる状況ではないというのは引き続き変わらない状況です。

続いて、国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)を2012年3月に卒業した方々の教員就職率を、大学別に見てみたいと思います。下のグラフは率が高い方から順に、全国国立大平均就職率を超えた19校を並べています(画像をクリックすると拡大します)。

鳴門教育大が1位となっています。上のグラフは過去2年分のデータ掲載となっていますが、データをひも解きますとなんと同大は3年連続で全国1位を達成しています。

調べてみますと、鳴門教育大では「少人数教育」を実践するとともに、就職支援策として校長を経験したアドバイザーによるきめ細やかな指導、充実した教員採用対策ガイダンス、採用試験対策の論文指導、全教員が面接官となった模擬面接・模擬授業の実施、などに力を入れているようです。

充実した教育環境と教員就職支援であることがわかります。

近畿地区に目をやりますと、昨年は近畿地区全校が平均就職率を上回っていたのに対し、今年は京都教育大が57.7%と平均を若干下回る結果となりました。

近畿地区に住んでいる受験生の皆さんで将来学校の先生になりたい方は、地元である近畿地区の国立大に鳴門教育大も含めて、教員就職率が高い所がそろっているという点ではとても恵まれた状況です。