立命館大 志願者・合格者数とも微減で倍率3.0倍を維持

2013年7月15日

立命館大の高校・予備校対象説明会に行って参りました。

大学の概要です。

全国各地から受験生が集まる大学として有名ですが、全国:近畿の比率が次のように推移しています。

2013年度 53:47
2012年度 54:46
2011年度 52:48

ということで、近畿地区の占有率が全国のそれよりも低く、ここ数年は近畿地区の入学生構成比が半数を割って全国から学生が集まる傾向が強い現状。
となっています。

2015年にはJR茨木駅前に新キャンパスを開設予定とされています。移転対象となる学部は衣笠Cから政策科学部、BKCから経営学部の2つです。また、他に心理系1学部を近々新設、将来的には国際系学部の新設も計画されているとのことでした。

2014年度入試でこれら2つの学部に入学した場合、2回生でキャンパスの移転に当たります。ご承知おきください。

就職と進学についても少しだけ。今春就職決定率は93.0%。2010年度93.4%⇒2011年度91.7%⇒2012年度91.4%と推移していますので、2010年度水準にまで戻った、という感じです。また、大学院進学率は13.5%(昨年14.3%)で、特に理系は6割程度が大学院へ進学するとのことでした。

2013年度入試結果についてご紹介します。

今春入試における変更点は次のようなものでしたので、おさらいを致します。

①入試名称の変更(名称だけで出題形式・傾向に変更なし)
スタンダード3教科型(文系A方式・理系A方式) ⇒ 全学統一方式(文系A・理系A)
特定科目重視3教科方式 ⇒ 学部個別配点方式
薬学部スタンダード3教科型(薬学A方式) ⇒ 薬学方式(薬学A)
②英文記述問題を課す英国2教科型(W方式)を廃止
③情報理工学部の英国数3教科型を「センター試験併用方式(英国数型)」に変更
④3月入試における文系3学部(産業社会・国際関係・経営)の学部間併願が廃止に

上記のうち④が受験生側に手痛い変更となりましたが、一部学部ではやはりつらい状況になったようで、国際関係で志願者対前年比40.9%、経営で同47.2%となっています。ただし、一般後期自体は昨年比102.4%と、逆に増えているのが特徴です。

立命館大では「予約採用型奨学金」というものを400名の枠で募集しておられますが、有資格者のうち今春は100名強が入学されたとのことでした。

トータル志願者数・合格者数は以下の通りとなっています。

志願者数
対前年比97.1%・82,637名(昨年は112.5%・85,138名、一昨年は97.3%・75,683名)

合格者数
対前年比97.7%・27,047名(昨年は103.0%・27,674名、一昨年は104.9%・26,857名)

倍率
3.0倍(2010年度3.4倍⇒2011年度2.8倍⇒2012年度3.0倍)。

特にセンター試験利用型入試以外の立命館大が独自で実施している入試形態での志願者が昨年から約50名の増と踏ん張れた一方、センター利用型で約2,500名落としていますが、大学関係者は一般型での受験者数維持に喜んでおられる様子でした。

特にセンター利用での減少のうち、最も高いラインが要求される「3教科型」と、後期(4教科)で志願を大きく減らしているのが特徴です。やはり少ない科目で出願出来る型については「私大型(つまり3教科しか勉強していない方)」の受験生が多いでしょうから、センター試験の平均点ダウンで一気に意識の外へ押し出してしまった、ということになりますでしょうか。

学部別に見ると、法学部が前年比104.3%と人気が回復しています。また、国際関係が前年比71.4%と、全国的な国際系人気の追い風の中2年連続増加がストップしてしまい、反対に大きく減少しています。恐らくは同志社大の新しい学部の設置が影響しているものと思われます。また、昨年は前年比83.9%となったスポーツ健康科学部が、反動で今年は前年比119.7%という人気を得ています。

センター利用型入試についてですが、センター試験の難化もあり、一部でかなり低いラインとなっているようです。特に経済学部の2学科は60%台でラインが引かれていると思われるような「お手頃」なラインになった所も出てきたようです。

一般入試における選択科目の状況ですが、日本史が圧倒的に多い中、世界史と文系数学では後者の方が4年連続で多いそうです。数学だと「一発逆転」が狙えるというのも魅力に映っているのかもしれません。

最後に、2014年度入試についてです。

昨年同様、変更点が多数あります。

①文学部の学部個別配点方式を、2日間実施から1日実施へ(2/4分を廃止)
②生命科学部の後期分割方式における3併願・4併願の廃止(ただし、最大2併願までは可能)
③AO選抜入試の廃止(以下3つ)
・経済学部(課題図書レポート方式)
・文学部心理学域(課題論文方式)
・文学部コミュニケーション学域(課題論文方式)
⇒ ③により経済学部及び文学部心理学域に関してはAOの実施が皆無となる