2月時点就職内定率 ますます差を広げる「女子」「理系」

2014年4月10日

文部科学省および厚生労働省はこの程、大学・短大等の就職内定状況を発表しました。今回のエントリーは、2月時点の大学卒業者の就職内定率データと状況をご紹介いたします。

下のグラフをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。

今回発表されたのは2014年3月卒業予定で就職を希望している大学生の就職内定率です。

2014年2月1日現在で82.9%、昨年同期比1.2ポイント増となり、3年連続のポイントアップとなっています。昨年同時期の集計において、企業が新規採用に積極的になってきた様子が伺えましたが、今年度に入りますます良好な採用状況になっていることを思わせるデータとなっています。

厚労省の推計値によると、大学の2014年3月新卒予定者数は56万3千人(昨年55万5千人)。この内、今回のこの調査時点での大学就職希望者数は42万8千人となっています。

この大学就職希望者数というのが、年間数回の調査を重ねる度に減っていくのが毎年の流れなのですが、その減り幅が2年前を軸にして考えると、昨年・今年と若干緩やかになっています。以下、今年度数度に渡って調査された際の大学就職希望者数です。参考までに、昨年度・一昨年度の値と比較しながら見てみましょう。

10月1日調査時点 44万1千人(昨年同期42万5千人・一昨年同期42万5千人)
12月1日調査時点 43万3千人(昨年同期42万3千人・一昨年同期41万6千人)
2月1日調査時点 42万8千人(昨年同期41万7千人・一昨年同期40万6千人)

10月から2月の差 1万3千人(昨年同期8千人・一昨年同期1万9千人)

10月から2月の間に実に約2万人も減っていた一昨年度に比べ、昨年度は8千人、今年度も1万3千人の減少に留まっています。2年前は新卒予定者の中で就職を諦めたり、大学院や専門学校などへ進学するなどの進路変更をした、という方が多く出ていた反面、昨年・今年と就職にまっすぐ向かった学生が多く出ていることが推測されます。

不可解なのは、私立大の率が上がっている(前年+2.2ポイント)一方で、国公立大の率が2年続けて下がっている(前年-1.6ポイント)、という点です。

国公立大・私立大、それぞれ男女別の就職内定率を見てみましょう。

国公立大 男子82.8%(昨年85.8%) 女子87.2%(昨年87.1%)
私立大 男子82.1%(昨年80.0%) 女子82.5%(昨年80.3%)

国公立大女子は何とか昨年並みの水準を保っていますものの、男子の下落がなんと-3.0%となっており、思いっきり足を引っ張っていることがわかります。

男子の厳しい就職状況は何も国公立大でだけ起こっていることではありません。男女の就職内定率全般にもこの3年で大きな変化が出ています。以下の数値は、男子・女子に分けて集計した就職内定率状況です。

男子全体 82.2%(昨年81.3%・一昨年80.7%)
女子全体 83.7%(昨年82.0%・一昨年80.3%)

2年前の調査では男子の就職内定率が女子よりもかろうじて高かったのですが、2年連続で男子の伸び幅よりも女子の伸び幅が上回り、昨年に引き続き男子よりも女子の就職内定率が高く出ています。しかも、その差は1.5ポイントと、かなりの開きがあります。

昨年以上に、女子の強さが光っています。

続いては文系・理系どちらが強いのか?についてです。今回はグラフでのご紹介はしていませんが、文系・理系別の就職内定率も明らかになっています。

文系 81.2%(昨年80.4%・一昨年79.4%)
理系 90.7%(昨年87.5%・一昨年85.6%)

ということで、一昨年でも約6%の差をつけて理系が有利だった所に加え、昨年・今年と更にまた差が広がる形で文系を突き放しています。

「理系強し」の傾向はまだまだ続きそうです。

ここ2年続いている傾向として「女子」「理系」が強く、しかも「男子」「文系」との差は昨年以上に開いている、とまとめられます。