武庫川女子大 看護学部新設も保健師・助産師資格取れず

2014年8月28日

武庫川女子大の高校・予備校対象説明会に行ってまいりました。

当ブログでは何度もご紹介をしていますが、武庫川女子大は2015年度に看護学部設置を予定されています。80名定員、中央キャンパス(鳴尾)での開設、「看護師国家試験受験資格」のみが取得可能となる予定となっています。取得資格を看護師のみとした理由について、「複数の資格を追い求めるとカリキュラムが過密になり、根底の看護の知識にも影響が出る」「4年でしっかりと看護の基礎知識をつけてもらいたい」とのことを挙げておられました。

近隣で同年度より看護を新設する神戸女子大では保健師(20名)・助産師(8名)・養護教諭一種の資格・免許も取得可能であり、この辺りの差が受験生の動向にどう影響を与えるか?が非常に気になるところです。

心理・社会福祉学科、健康・スポーツ科学科、食物栄養学科、応用音楽学科、薬学科の既設5学科との保健・医療・福祉の連携に関するコラボレート授業の展開も用意されているのが、武庫川女子大の看護学部の特徴となっています。

就職・資格取得状況です。就職決定率の過去からの推移は以下の通りとなっています

2014年度98.2% 2013年度97.5% 2012年度96.7%
2011年度96.5% 2010年度97.1% 2009年度97.5%
2008年度98.1%

就職者数 / 進学者を除く卒業者数 で算出する、いわゆる本当の就職率の推移は以下の通りです。

2014年度88.7% 2013年度85.1% 2012年度83.7%
2011年度82.2% 2010年度78.3% 2009年度86.0%
2008年度86.8%

管理栄養士合格率は95.8% となり、昨年大きく下げた90.1%から回復。2012年度96.4%・2011年度93.4%・2010年度83.7%が過去数年の実績の推移となっています。

6年制となって3期生が卒業を迎えた形となる薬剤師合格率は65.1%と昨年78.4%から大きく下げ、6年制1期生である2012年度95.4%を起点に考えると2年連続で大きくダウンと、気になる結果になっています。

2014年度入試結果です。

大学全体の志願者数は19,935名で、過去最高を記録。直近数年は2013年度19,074名・2012年度17,253名・2011年度16,488名だったので、2011年度から連続して増えていることになります。対前年比104.5%(昨年110.6%・一昨年104.6%)です。

公募推薦入試の志願者数は7,514名で、2013年度6,888名・2012年度6,048名・2011年度5,787名からこちらも年々増加しています。対前年比は109.1%(昨年113.9%・一昨年104.5%)。過去5年で最も多い志願者数となった昨年をまた上回り、受験生の「早期での進学先決定」の意向が顕著に数字に表れているのが年々強くなってきている様子です。

一般入試前期にあたるAは昨年より志願者が増加し6,249名(昨年5,982名)。ただ、一般Bは昨年3,633名から若干のダウンとなる3,503名ですが、A・Bトータルだと2013年度より2014年度の方が多いのが特徴です。

一般入試後期にあたるCの志願者数は2012年度507名⇒2013年度689名⇒2014年度788名と大きく増え続けており、直近で最も多かった2008年度の703名を今年は超えました。以前は受験生の「早期での進学先決定」の意向が数値に現れていたが、徐々に復調しています。

センター利用方式のDにおいては志願者数が1,303名で、昨年1,285名から若干の増を見せましたが、ピーク時(2009年度)の1,809名には遠く及ばない形となりました。

学部・学科別の人気動向をみてみると、教育学科が圧倒的人気で3,565名(昨年3,680名・一昨年3.557名)、次いで食物栄養学科の3,637名(昨年4,135名・一昨年3,506名)。この2系統の志願者数の多さは不動のものとなっています。

食物栄養学科は2009年度以来の志願者数減(12%減)となったのですが、「昨年の管理栄養士国家試験の合格率ダウン」「例年の高すぎる倍率」「理科の負担感」が志願者減に響いたのではないか、と考えています。

最後に。2015年度入試に向けた情報です。

新設の看護学部は公募推薦後期からの入試スタートとなります。一般ABは3科、他方式は2科で可となっています。

学科内で文系出身者が4割いることも鑑みて、食物栄養学科の公募推薦前期のみ「生物基礎+化学基礎+英語+調査書」での受験が可能となる科目選択を用意されました。