甲南女子大 看護学科に「国際力強化入試」を新導入

2015年6月5日

甲南女子大の高校予備校対象説明会に行ってまいりました。

文・人間科学・看護リハビリテーションの3学部に10学科設置されていますが、特に人気が高いのが人間科学部総合子ども学科と看護リハビリテーション学部の看護学科です。

中でも看護学科は関西でもトップクラスの人気・レベルです。国家試験合格率は2011~2013年の3年続けて100%だったのですが、昨年は1名不合格で98.8%、今年も97.0%と100%は逃しているものの非常に高い合格率を維持しています。また、過去5年間トータルの合格率は99.0%(全国平均90.0%)となり、脅威の合格率を誇ります。

法改正もあり、近年新設されている看護学部・学科は「看護師・助産師・保健師」の3資格を取れるところが少ないのですが、同大は近年の新設ラッシュよりも若干早めに開設されたこともあり3資格に加えて養護教諭も取得可となっています。ちなみに、保健師50名・助産師10名の枠となっています。

理学療法士の合格率は次の通りで推移しています。

2015年93.4%(全国平均82.7%)
2014年98.2% 2013年94.9% 2012年92.2%

総合子ども学科からの過去3年の就職状況は次の通りです。開設当初は一般企業への就職が多かったようですが、近年は教員となる者が増えているそうです。

2015年 就職者数118名
幼稚園36%・保育士28%・小学校14%・一般企業22%

2014年 卒業生数118名
幼稚園31名(26%)・保育士45名(38%)・小学校13名(11%)・一般企業29名(25%)

2013年 卒業生数112名
幼稚園34名(30%)・保育士34名(30%)・小学校14名(13%)・一般企業30名(27%)

最近開設された子ども系の学部・学科は「幼稚園・保育・小学校」の3つの免許を網羅している所が少ないのですが、こちら甲南女子大では3つ取得が可能です。

さて、甲南女子大では次年度入試に向けて総合こども学科の定員が120名から150名へ増加する予定、とされています。これにともない、保育士の枠を現状の100名から120名へと増加される予定にもなっています。

今回の定員増加で全学部の定員は870名から900名となります。

実は、今春には看護学科が90名から100名へ、メディア表現学科が60名から70名に、それぞれ定員増となったばかりです。そのことも加味しますと、2年前は850名だったところ2年続けての定員増で来年には900名になる、という状況になっています。

2015年度入試結果について簡単にご紹介します。

2014年度入試で志願者が増えた(前年比2%増)反動を受け、今年度はトータルで前年比4%減の志願状況となりました。

そんな中でも推薦入試は前年比7%増で、昨年も前年比4%増だったことを考えると2年続けて増えていることになります。今年は専願型の推薦入試も増加傾向にあるとのことでした。

ご注意頂きたいのが、専願型の推薦A、併願型の推薦Bだと合格最低点こそAの方が低いのですが、倍率的にはほぼ変わらない状況になっています。

一般入試は昨年・今年と2年続けて志願者減で、センター利用と合わせると前年比8%減となっています。早期の進学先決定傾向が甲南女子大にも直撃している様子です。

次年度である2016年度入試に向けての情報ですが、変更点が多数あります。ポイントを以下にまとめました。

①AO入試では、多文化コミュニケーション学科と生活環境学科で評価のポイントを変更
②推薦入試A・Bではこれまで「評定平均値×10」のみだった調査書の扱いを改め、「調査書重視型(評定平均値×10)」「基礎学力重視型(評定平均値×5)」の2種類とし、前者を11/1と12/5に、後者を11/7にそれぞれ選考する
③看護学科のみ「国際力強化入試(小論文型)」という推薦入試Gを新設
④新学習指導要領への移行に伴い、国語と英語の範囲を変更
⑤インターネット出願を開始するが、ネット割引は行わず、紙での出願も残す

特に③の「国際力強化入試」は、2020年からの新大学入試、ならびに昨今のグローバル化に対応したものとして大学側も大変期待をされているようで、この入試の手ごたえを見ながら2020年までに当該入試の定員を増やすなどしたい、という構想もおありのようです。この先の展開が大変楽しみです。

 

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