摂南大 志願者増の次は科目負担増など硬質化へ

2015年6月12日

摂南大の高校予備校対象説明会の様子をご紹介致します。

工学部からスタートし、開学40年を迎えた今年現在で7学部13学科の文系・理系をそれぞれバランスよく有する中堅規模の大学となっており、多くの上位私立大の併願先として選択しやすい(させやすい)大学として広く認知されています。

教学面での大きな特徴としては、看護と薬以外の学部で「コース制」を導入しており、広く・浅くではなく専門分野を絞って学習させる方針となっているという点でしょうか。

また、薬学部は開設以来全卒業生の98%が薬剤師国家試験に合格するなど、昔から定評がありますが、それに加えて現在看護学部1期生は現在4回生で、来年の国試合格率に期待が寄せられています。

今春の就職率は97.9%で、それ以上に就職満足度が98.6%と高率となっているのも大きなアドバンテージではないでしょうか。学生個々に専属アドバイザーを割り当てたり、就職活動期に全員に面談を行ったりと、きめ細かい対応が評価されてのことだそうです。

2015年度入試結果です。

総志願者数は34,984名で、前年比114.7%。下記の通り、8年連続で志願者数増となっているだけでなく、昨年も前年比161.1%だったので、2年続いての大幅増となっています(画像をクリックすると拡大します)。

大幅な志願者増となった昨年度入試を見て今春はさすがに受験生たちは受験を手控えるだろう、と予想していましたが、予想に反してまたもや志願者増となっています。

入試区分別に見てみますと、公募推薦入試だけでは志願者数13,962名で、昨年10,536名を起点にみると増加率132.5%と大幅増。特に法学部は公募推薦で前年3倍近くとなる志願者数を集めるなど、人気が確実に復調しているのも見逃せない点です。

一般入試のみ取りだしてみると、昨年19,295名⇒今年20,232名。前年比104.9%は関西主要大学中4位となる増加率(上位順に追手門学院・龍谷・近畿)となっています。また、一般入試志願者数20,232名は甲南大の18,615名を抜いて関西で8位となり、関関同立・産近甲龍の一角を崩したということで、大変な快挙を成し遂げられています。

また、一般入試に関して学部別に志願者数を精査しますと、薬学部(昨年の大幅増の反動)・看護学部(周辺大での看護新設ラッシュの影響で受験者が分散)での志願者数の減があるものの、その他の学部では志願者増となっています。

志願者数における女子比率は30.2%(2014年度31.0%・2013年度31.6%・2012年度28.7%)とここ3年は30%ちょっとで推移しているものの、のべ数でみると10,566名になり、初めて女子志願者数が1万名を超えた、という事実もあります。

2016年度入試に向けた情報です。多数ある変更点のうち、重要なものは以下の通りとなっています。

①公募推薦A日程の試験日が約1週間先送りになり、11/7・8の実施へ
⇒ それでも主要私立大の中では早い方の実施日となっており、早期の対応が必要となる
②一般前期B・BCの試験日を約1週間繰り上げて2/3・4実施、合否発表日を前期A・ACと同一日へ
③法・外国語・経済・経営・理工(住環境)の数学の出題範囲(文系型受験、選択科目)に「数学Ⅱ」を追加し、数ⅠAⅡへ
⇒ 大阪経済大の入試科目に合わせた?
④公募推薦B日程の外国語学部に「英語資格等保持者優遇制度」を導入し、一定の英語資格を持っている受験生に関しては「英語の基礎」の試験を免除し満点を与えるが、「推薦書」の取得資格評価のうち英語の試験・資格に関する評価(点数化)は行われなくなる
⑤公募推薦B日程看護学部の面接内容を「グループディスカッション」へ変更し、20分⇒30分へ
⇒ 薬学部は引き続き「面接」のままで実施(生徒:面接官=5:3だったそう)
⑥一般A日程の文系学部を「3教科型」とし、「国語」を必須教科へ
⇒ 近畿大などの上位大に合わせた?
⑦センター利用型入試前期の全学部で4科目を導入し、同後期の看護学部の利用科目「理科」に「生物基礎・化学基礎」を追加

「数学の出題範囲(文系型受験、選択科目)に「数学Ⅱ」を追加」「一般A日程の文系学部を「3教科型」とし、「国語」を必須教科へ」といった、入試科目負担増となる変更が盛り込まれています。

これだけ18歳人口が減っている中で志願者数を増やし続けていることは中々成し遂げられないことですが、そこに安住せずに志願者が減ることも覚悟(どの程度されているのかどうかはわかりませんが)の上で入試科目負担増に踏み切られています。他大学の入試科目に合わせた、という見方が出来なくもないのですが、リスクがありつつも入試科目負担増とした英断には頭が下がる思いです。

 

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