2011年度 「全国初」となる新学部設置についての情報

2010年4月7日

2010年度入試が終わってしばらく経ちました。次年度である2011年4月から開設を予定されている学部情報がいくつか舞い込んできています。それらの中で今回ご紹介する2つの大学・新学部はともに「全国初」となるもので、注目されています。2つまとめてご紹介したいと思います。

①近畿大が全国初の「建築学部」を設置予定

近畿大は東大阪キャンパスに「建築学部(仮称)」の開設を予定されています。

現在は理工学部内に建築学科があり、一級建築士の出身大学別合格者数(国土交通省調べ)において04~09年度合計で西日本最多という成果をあげています。それを独立させて建築学部とすることになるのですが、今のところ日本全国で「建築学部」という名称の学部が見当たりませんので、「全国で初めて」ということになります。

建築学科の1学科制とし、募集定員は240名と予定されています。4つの専攻が設けられる予定となっていますが、詳細は以下の通りです(以下近畿大HPより抜粋)。

■建築工学専攻(仮称) (※一級建築士受験資格に対応)
現在の理工学部建築学科を継承・発展。伝統的な建築学全般でカリキュラムを構成し、建築技術者の養成を目的とする。

■建築デザイン専攻(仮称) (※一級建築士受験資格に対応)
ベースをホリスティック(総合的)な建築学としながら、国内外で活躍できるような建築設計能力の修得をすることに重点を置いた教育カリキュラムを構成。

■住宅建築専攻(仮称) (※二級建築士受験資格に対応)
建築学の新しい展開分野として位置づけ、木造住宅をはじめ我が国独特の住宅建築に焦点をあて、これに必要な知識・技術を総合的に学ぶ分野を対象とする。

■企画マネジメント専攻(仮称)
近年、建築計画の前段階で重要とされる都市計画やまちづくり、さらに建築後の維持管理・不動産管理などのマネジメントの意義と手法などの新しい分野を対象とする。

②京都女子大が全国の女子大で初の「法学部」を設置予定

京都女子大が「法学部」の設置を予定しています。法学部の設置自体は特に珍しいものではないのですが、よくよく考えると女子大で法学部を持っている大学は日本にこれまでありませんでした。こちらも「全国初」ということになります。

京都女子大は2010年に創立100周年を迎え、これを機に大改革を行い「新しい女子大」の姿を打ち出して行く構想であることが早くから発表されていました。その目玉としてこの法学部の設置が挙げられます。

同大学のHPによると、法学部設置の理由としては「弁護士や公務員等として多くの女性が活躍するようになった今日でも、国際的には未だ女性の社会進出の遅れが指摘される日本社会。どうしても男性の視点に偏 りがちであったこれまでの社会の中で、男女の違いなく純粋に物事の本質をとらえて教育できるのは、むしろ女性ばかりの法学部が適しているではないでしょう か。」と記載されています。

一方、昭和25年の開学以来60年にわたって6万5千人に及ぶ人材を輩出してきた京都女子大の短期大学部ですが、法学部が新設される2011年度より学生募集が停止されます。短期大学部の運営に必要となる資源を新設される法学部へ集中して投入しよう、ということのようです。就職率が高いことで有名だっただけに非常に残念ではありますが、この思いは大学や短期大学部の関係者、卒業生の皆さんならなおさらでしょう。

予定されている募集定員は100名で、全国の法学部の中でも少ない規模となっています。同HPには「女性が遭遇すると考えられる事象については、基礎となる法律科目を背景にした特色ある現代発展科目を用意しています」という記載があるとおり、法曹界を目指す女子受験生の間で人気が出そうな教育内容です。募集定員の少なさとも相まって、相当高い倍率になるのではないでしょうか?

以上2つ、「全国初」となる新学部設置についての情報でした。「全国初」となる学部での学び、どちらも非常に魅力的ですね。