京都女子大 創立100周年を迎えての大改革

2010年8月20日

京都女子大が高校・予備校・塾対象に説明会を実施されました。

京都女子大 説明会会場

昨年は大学のキャンパスでご実施いただいたのですが、今回はホテルの一室を借りての説明会でした。来年はぜひキャンパスにお邪魔したいなと思っています。

京都女子大は今年創立100周年を迎え、現在大規模な改革に着手しておられます。そのうちのいくつかについてご紹介したいと思います。

まず、日本で初「女子大の法学部」を設置すべく、準備されています。収容定員400名、1学年100名の学生に対して15名の専任教員が指導に当たる予定にされているなど、法学部としては全国的に見ても非常に小規模です。それだけ、学生個々に手厚く指導をしたい、ということでしょう。

女子大ならではの新しい教育として、女性特有の社会問題の法的解決に関連する科目、法律知識、法的思考と女性の視点で問題解決に当たる科目、といった「現代展開科目」を開講されます。「女子大のメリット」を存分に活かす、非常によい取り組みです。

また、法学部と言えば、資格取得のために夕方~夜に学外の受験予備校へ通うケースが一般的に多いのが現状です。京都女子大では学内で受験対策講座を開くべく、学外の受験対策予備校から講師を招かれる予定になっています。これによって学生の時間や費用の負担を軽減しよう、ということです。

その他の情報についてはこちらのエントリー「2011年度 「全国初」となる新学部設置についての情報」でご紹介しています。

さて、もう1つの改革は「短大の廃止」です。これによって大学の募集定員185名分を、2014年まで各学部で段階的に増加させていく計画があります。

施設面でも大変大きな動きを見せています。2011年4月に向けて法学部用の新校舎、少人数教育に対応した30人規模の教室ばかりで構成する演習室棟を建築、それ以降も図書館の新築、学生寮(800名規模)の新築・改修整備、などなどを実施されます。

「女子大って就職率はどうなの?」というご質問を良く受けます。京都女子大の今年の就職についてのデータもご紹介いただいています

就職希望率82.0%(昨年87.2%)
就職決定率93.3%(昨年97.1%)
就職率76.5%(昨年84.7%)
教員採用180名(昨年161名)
公務員採用70名(昨年47名)

ご覧のとおり、公務員採用数が1.5倍となっているのが特徴です。折からの不況によって一般企業から京都女子大への求人が20%減少したらしく、採用の厳しさを見越して公務員を希望する学生が多かった、ということのようです。

「不況」という言葉が出ましたので、奨学金制度についてもご紹介しましょう。京都女子大での2009年度実績給付総額は9300万円となっており、女子大としては破格の規模となっています。また、一般入試において、上位7%で合格した場合は成績優秀特別奨学生になる、という制度がありますので、志望している受験生は上位での合格を目指して頑張ってみるのもいいでしょう。

さて、2011年度入試における特徴的な点について触れておきたいと思います。

新設の法学部では公募制推薦入試が12月12日に実施されることが決まっていますが、センター利用型は実施はありません。ご注意ください。

その公募制推薦入試ですが、A・B・Cの3つの方式があります。A方式は書類審査の配点比率が高く、B方式は適性検査の配点比率が高い、という特徴があります。ただ、A方式の「調査書評定の得点化」については学科によってウエイトが異なる。なお、C方式については一部の学部・学科でのみ実施されているものです。

また、公募制推薦入試における家政学部食物栄養学科の適性検査内容が変更になります。

変更前:食物・栄養に関するテスト(記述型)
変更後:食物・栄養に関するテスト、生物Ⅰ、化学Ⅰの3問題から1問題を選択(すべてマーク式)

最後に、センター利用型入試についてです。合格に必要なラインですが、今年は60%台で合格出来た所は全く無く、最も高いところでは食物栄養学科で80%を超えるなど、総じて合格に必要なラインは「高い」と思った方が良いでしょう。

法学部の設置、新校舎の建設など大規模な改革に取り組む京都女子大。大学の周りには清水寺や京都国立博物館といった京都の歴史を感じるものが多いなど、環境も抜群に良い所です。

主要な駅からのアクセスが少々悪い印象がありますが、京都駅と四条河原町から大学への直通運行シャトルバス、その名も「プリンセスライン」が出ていますので、とても快適です。

ぜひ一度、足を運んでみてください。