立命館大 文学部・理工学部で大きな変更

2011年9月9日

立命館大の高校・予備校対象説明会に行ってきました。

立命館大

まずは大学の概要から。

学生数は約33,000名、衣笠Cに16,882名(内女子8,169名・女子比率48.4%)・BKCに16,100名(女3,585名・女子比率22.3%)という内訳になっています。2つのキャンパスには合計で13学部ありますが、衣笠Cは文系学部しかないので女子比率が高い傾向にあるのがわかります。

立命館大と言いますと全国各地から受験生が集まる大学として有名ですが、2011年度入試においても「全国:近畿=52:48」となるなど、近年は近畿地区からの入学者以上に他府県からの入学者が多い傾向となっています。

そこで直面するのが「地元での就職」という点です。立命館大は近畿地区以外から来た学生が多いこともあり、地元での就職である「Uターン」を希望する者が多いそうです。地元国公立大出身者と張り合って負けないようにキャリアサポート体制を充実させている、というお話でした。

就職の話になりましたので、ここで就職率をご紹介しておきましょう。今年卒業生の就職率は91.7%、昨年は93.4%だったので1.7%のダウンとなっています。また、学部・大学院含めての就職把握率は98.1%と高いものになっている点が特徴です。学生1人1人の行き先を最後まで把握されている点に好感が持てます。

さて、立命館大と言えば今一番注目されているのが「2015年を目途に茨木駅前に新キャンパスを開設予定」とされていることです。この度、改めて移転対象となる学部などについてご説明いただきました。衣笠Cから政策科学部、BKCから経営学部、この2つが茨木の地に移転することになっているようです。

ただし、現在の高3生が受験をする2012年度入試でこれら2つの学部に入学した場合、4回生時点でキャンパスの移転に当たることになる点を知っておく必要があります。ご注意ください。

ここからは入試の話題になります。まず、2011年度入試結果についてです。以下の点が2011年度入試における変更点となっていました。

①公募制推薦(10年度は11学部で計197人を募集)を廃止。
②AO入試で「自己推薦方式」(10年度は9学部で計40人を募集)を廃止、従来の 「学部独自方式」と新方式「国際方式」に再編成。学部独自方式では、経済・スポーツ健康科学の2学部が加わり12学部で実施、理工では実施学科を 2→9学科に増やすなど、募集枠を計234人に設定。
③一般入試ではE方式(国語・英語とリスニング)を廃止。
④セ試利用入試では2月実施の4教科型などを廃止するなど、スリム化。

2010年度入試と2011年度入試では総募集定員に変更はありませんでした。定員を維持する一方で入試方式を整理して「よりわかりやすい入試体系」へとし、入学後の学力に不安が残る指定校推薦やAO入試といった秋入試での入学者確保を控え、2月まで受験勉強をしっかりと頑張ってきた受験生たちを集めるためにA方式(スタンダード3教科型)での志願者・入学者増を目指した形です。

結果は次の通りとなりました。

志願者数:75,683名(前年比97.3%)
合格者数:26,857名(前年比104.9%)
最終倍率:2.8倍(昨年3.0倍)

志願者数が減ったにもかかわらず合格者数が増やされているので、結果として倍率が昨年度を下回った形です。ちなみに、一昨年である2009年度は3.4倍、もう少し前の2007年度は3.7倍でした。2007年度と2011年度を比較すると、約1倍もの倍率ダウンになっていることになります。

減少傾向にある志願者数を増やすため、2012年度においても更に様々な変更が実施されます。主な変更点等は次の通りです。

①文学部では10専攻4プログラムから1つを選んで入試を受ける形から、8学域18専攻へ再編。伝統的な哲学・文学・史学・地理学・心理学に加え、文化遺産や芸術、現代アジア文化や観光、英語コミュニケーションなど新たな分野も加わり、専門領域が拡がる。入学時に8つの学域のいずれかに所属した上で2回生で専攻を選択する形へ。

②理工学部を現行の4学系11学科体制から「4学系9学科体制」に移行。現行の「電気電子工学科」と「電子光情報工学科」が統合され「電気電子工学科」に、現行の「電子情報デザイン学科」の名称が「電子情報工学科」に変更、現行の「機械工学科」と「マイクロ機械システム工学科」が統合され「機械工学科」となり、2012年度以降の学系・学科体制は、以下のようになる。

数学物理系・・・数理科学科、物理科学科
電子システム系・・・電気電子工学科、電子情報工学科
機械システム系・・・機械工学科、ロボティクス学科
環境都市系・・・都市システム工学科、環境システム工学科、建築都市デザイン学科

③試験会場に三重・福井・大阪南・松江が追加

文学部・理工学部での大きな変更と、茨木新キャンパス設置がどのように受験生を動かすのか、大変興味深いところがあります。

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