ゆずれない場面
わたしは、ふだん本科のクラス授業の他に、「パズル道場」の授業担当もしています。
(詳しくは、こちらを! http://www.kaisei-group.co.jp/sv2/puzzledojo )
先日のパズル授業のときのことです。小学2年生のMくんが、「紙おり」というパズルにチャレンジしていました。このパズルは、は折り紙を何回か折って、はさみではしっこを切り取ったあと、ひろげるとどんな形になっているかを答えるという、ちょっと難しめのものなのです。
頭の中でイメージをして、図形を描かせることが、ポイントです。ただ、練習し始めのころは、頭の中だけでは処理しきれないことが多いので、練習プリントには、書き込みをしていいことになっています。
事件は、検定試験の採点のときに起きました。
Mくんの答案は、間違いがあったので不合格でした。問題は、検定試験に書き込みをしていたことです。
「ねえねえ、これえんぴつで書いて消したあとがあるけど、検定試験では、書いたらダメだよ」とわたしが言うと、Mくんは
「ぼく、書いてない!」
検定試験はブースに区切られた席で行います。教員も見ています。そして、あきらかにえんぴつで書いたあとも残っています。おそらく、とっさにでたことばだったのでしょう。最初から、うそをつくつもりはなかったと思います。けれども、こういうことは、あいまいにせずにはっきりさせておくのが、わたしの信条です。
「でも、ここにえんぴつで書いたあとがあるよね」
「うん」
「これは、だれが書いたの?」
「知らない・・・」
「Mくんが書いたんじゃないの?」
「ぼく、書いてない・・・」
「他の誰かが書いたの?」
「わからない・・・」
Mくんの気持ちもわかります。一度、口からでたことばは消えません。うそをついたことを認めることは勇気がいります。
「う~ん、じゃあ、だれが書いたんだろうねえ?」
「・・・」
「ええとね、このパズルができないってことは、そんなに重要なことじゃないと先生は思うよ。だって、たくさん練習したら絶対できるようになるからね。でも、うそをつくってことは、これは、はっきりダメなことだよ。この子はうそをつく子なんだって思われたらとっても損なことだよ。たとえば、一生懸命練習してできるようになったのに、まわりの人から『どうせ、ズルしたんでしょ』とか思われたらつらいよね」
待つこと、5分。
「先生、あのね、ぼく、まちがって線、書いちゃったんだ・・・」
勇気をもって、正直に言えたMくんに、心の中で拍手!
人はだれでも間違えます。でも、大切なのはそのあと、どう対処するかだと思います。
それと、大切なことがもうひとつ。
ここぞという場面では、ぜったいゆずらないこと。一見、ネガティブに見えるできごとの中に、よくなっていくヒントは隠れているものです。
子どもがうそをついたときなど、親として、ショックですし、腹も立ちますし、悲しい気持ちにもなるものですよね。でも、そういうときほど、子どもに、ことの善悪を教えるチャンスなのです。
毅然としたスタンスで子どもと接する。(ただし、感情的いならないように!) ゆずれない場面で心がけておきたいことです。


