目先しか見えない
生きとし生けるものは、みな「快」を求めて「苦」を避けるものです。
けれども、人間は、今という目先だけでなく、将来を見すえた行動をとることができます。その結果、実りある将来のために、今が少々苦しくても、辛抱できるのです。
大人と比べると子どもは、「目先の快」を優先しがちなように思います。ほうっておくとラクな方に流れる。一生懸命やることはイヤだ。そういった子どもたちを正しい方向に導いていくのも、親の役割のひとつだと思います。
小学6年生で地域のバレーボールチームに入っている女の子がいました。最初はそんなに熱心だったわけではないのですが、コーチにその才能を見いだされて、ほぼ、毎日練習に来るように誘われました。
全国大会に行けるかもしれないという強豪チームです。
お母さんからすれば、そういった中でいろいろな経験を積むことは、子どもにとって大きなプラスになると思いました。
ところが、子どもは不安がっていました。「友だちと遊べなくなる」「テレビを見る時間がなくなる」「宿題できるかなあ」「そんなに練習して、体は大丈夫?」
確かに目先だけ見ると、今までよりたいへんな生活になることは間違いありません。時間的にも身体的にも精神的にも、ハードになるでしょう。しかし、そういったハードな毎日をこなしていくことで、人は成長していくのです。
「当面はしんどいかもしれないけど、全国レベルのチームで一生懸命練習することは、あなたの人生にとって、絶対プラスになるはずよ」
お母さんのあたたかく、そして信念のある一言が今でも印象的です。


