「お説教」効果

 面談をすると、初めから終わりまで、子どもの文句を言うお母さんがいます。

 ひとつ屋根の下で暮らしていると、腹がたつことも多いですよね。

 それに、学校や塾ではがんばっているけど、家の中だとぐうたらしている子どもも多いように思います。

 だから、子どもに対して、腹が立ったり、情けなく思えたりするのはわかるのですが、子どもからすると、親にずーっと否定されてしまうと、がんばる気力が湧いてこないのではないでしょうか。

 
 小学4年生から塾に入ったBくんは、国語が苦手で算数大好き少年でした。

 忘れ物も多くて、ノートの字もザツで、計算ミスも多くて、部屋の整理ができなくて、と親から見るとイライラすることも多かったようです。お母さんもお父さんもきちんとされた方でした。それゆえ、Bくんの「いい加減さ」が許せなっかたのでしょう。Bくんが中学校に入る頃から、家で「お説教」されることが増えたようでした。

 「お説教」って気をつけないといけないのは、一方的にいい放しになりがちだってことなんですね。親としては言いたいことを言うと少しはスッキリするかもしれませんが、問題は聞いている方がどう感じているかです。

 のび太のママは、よく「お説教」します。

 そのとき、のび太はどう思っているでしょうか。

 「そうだよね、ママの言うとおりだ。自分は何てダメなんだろう。これからは心を入れ替えてちゃんとしよう!」

 とは思ってないですよね。

 「もう、はやく終わってよ・・・。ああ、おなかすいたな。今晩のおかずは何だろう?」

 と、全然、話を聞いていないのかもしれません。

 Bくんと生徒面談したときに、親から説教されたときどう思っているのか、聞いたことがありました。

 「また、何か言うてるな。聞き流しとこ。しかし、腹立つな!」

 だそうです。

 もちろん、言わなければならないことは、子どもがどう感じようが言わなければならないですが、実際、子どもの行動を変えていくためには、いい放しではなく、子どもの話にも耳を傾けながら話を進めていく必要があります。

 Bくんと生徒面談をした数日後、お母さんから電話がありました。

 Bくんが、家の壁をなぐって穴をあけてしまった、とのことです。

 国語が苦手で、口べたなBくんでしたから、自分の気持ちを上手に言葉にできなかったのかもしれません。

 あるいは、自分の気持ちを話したって、どうせわかってもらえない。

 そんな想いもあったのかもしれません。

 いずれにせよ、一方的な「お説教」よりも子どもとの「相互会話」の方が、子どもをやる気にさせるのは間違いないようです。

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