荷物をもったおばあさん

 少年が駅に行こうとしたとき、重そうな荷物をもったおばあさんが歩いているのに気づきました。

 炎天下です。

 そのうえ、重そうな荷物です。

 少年は、持ってあげようと思って、おばあさんに声をかけました。

  「おばあさん、どこに行くんですか?」
  「駅までいくところなんですよ」
  「ぼくも駅まで行くので、その荷物、持ちましょうか?」
  「それは、ありがたいけれど、この荷物は重いですよ」
  「重いって言ったって、おばあさんが持っているんだから、大丈夫ですよ」

 そう言って、少年はおばあさんの荷物を持とうとしました。

 ところが。

 持ち上がらないのです。

 おばあさんの荷物が。

 思いっきり、力を入れても、持ち上がらないのです。

  「おばあさん、ごめんなさい。重くて、持てないよ」
  「いいですよ。その気持ちが嬉しかったよ」

 おばあさんは、炎天下の中、重い荷物を持って、とぼとぼと歩いていきました。

  教訓① やさしい思いをもつことはすばらしいことです。

  教訓② 思いはあっても、力がなければ人を助けることはできません。

 身体的な能力だけでなく、知能や技能も鍛えていくことで、より多くの人の役に立つことができるようになります。

 人を思いやる心と能力やスキルを身につけていくこと。どちらも大切なわけです。

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