‘書評’ カテゴリーのアーカイブ

子どもと話をするのにいい本

2009 年 11 月 11 日 水曜日

 藤原和博さんの「35歳の教科書」を読みました。

 藤原さんは、民間企業の出身で、前の東京都立和田中学校の校長でした。スケールの大きな発想力とこうと決めたらとことんやりぬく実行力の持ち主で、校長時代も非常に興味深い「学校改革」をされています。
 講演会にも足を運んだことがあるのですが、「おもしろい×役に立つ×目から鱗」といった感じで、すばらしいお話しでした!

 さて、「35歳の教科書」ですが、タイトルからして大人向けの本ではあります。しかし、一読して思ったことは、「大人だけでなく、子どもにも読んでほしい」ということでした。

 「モノが目標になった高度成長期」のところなどは、中高生が生まれる前の日本について書かれていて、現代社会との「モノ」に対する価値観の変化が、たいへんわかりやすく、説明されています。

 また、藤原さんが推進されている「よのなか科」という授業では、正解のないことがらについて子どもたちに考えさせていきます。
  「100円のハンバーガーは高いか、安いか」
  「自殺は是か非か」
  「赤ちゃんポストの問題をどう考えるか」
  「子どもにひとり部屋は必要か」
 
 「経験したことのない問題にぶつかっても間違いや失敗を恐れず、自分自身が納得できる解答を探せる子どもは強い」と断言するセリフには説得力があります。そして、そういった子どもを育むには、「クリティカルシンキングを中心とした論理的な思考」や「相手の意見を聞きながら自分の意見を取り入れてプレゼンテーションをする技術」が必要だということです。

 「子どもにも読んでほしい」と書きましたが、いや、これは、やっぱり、親がこっそり読んで、子どもに話をするネタ本にしたほうがいいのかな、という気もしています。

感動しました!

2009 年 10 月 23 日 金曜日

 以前、セミナーで講演を聞かせて頂いた、木下晴弘先生の新刊が出ました。

 タイトルは、「涙の数だけ大きくなれる!」(フォレスト出版) 

 進学塾で指導をされてきた木下先生のモットーは「感動が人を動かす」です。一度講演を聞いただけで、すぐに大ファンになりました。熱い語り口、わかりやすく納得のいく説明は、ココロとアタマの両方に響きました。まさに、「目から鱗」。なんとなく、ぼんやりと思っていたことを的確に伝えて頂いた感じでした。

 さて、「涙の数だけ大きくなれる!」ですが、感動ストーリーが10話納められています。わたしは、特に「あるレジ打ちの女性」の話が好きで、何度も繰り返して読みました。わたしの家内も「ある生徒の高校受験」に感動して、子どもたちに読み聞かせていました。仕事の意義、一生懸命することの美しさ、利他の精神、感謝の思い、自分を信じること、1つひとつのストーリーが心にしみます。

 木下先生は、
 「生徒たちはテクニックだけではやる気を起こしてくれませんでした。テクニックよりも大事なもの、それは『心を動かす』ことだったのです。」
 とおっしゃっています。わたしもまったく同感です。命令や強制も時には必要ですが、子どもが自らやる気を出すためには、子どもの心に届く話をすることは大切だと思います。
 木下先生はさらに
 「『勉強は何のためにするのか』『幸せって何だろうか』『あきらめないこと』『努力の本当の意味』『感謝する気持ち』など、人生で大切なことをいろいろな角度で伝えました」
 と書かれています。まさに、こういったことを子どもたちに伝えていくのは、子どもたちの成長にとって不可欠なことです。塾や学校の先生など、「そと」の人間が、発信者になることも大切ですが、「うち」の人間、すなわち、親が子どもに自分たちの価値観を伝えていくことは、それ以上に大切なことだと思います。

 心の栄養となる良書です。また、子どもに親の価値観を伝える、いいきっかけになると思います。ぜひ、ご一読ください!