2009 年 11 月 のアーカイブ

あたり前のレベルを上げる

2009 年 11 月 30 日 月曜日

 ご近所に住んでいる「てっちゃん」は、とてもいい人です。子どもどうしが仲良しということもあり、家族で、バーベキューをしたり、旅行に行ったりしているのですが、てっちゃんは、いつもにこにこしていて、子どもと遊ぶのもうまいせいか、近所の「パパにしたいおじさん1位」に輝いています。そんなてっちゃんは、スポーツも万能で、サッカー、野球となんでもござれです。特に、上半身はがちっとした筋肉質で、「鍛えている男」という感じなのです。わたしも多少トレーニングはしているのですが、若いころ、鍛えていなかったせいか、あまり効果はあがっていません。ある日、てっちゃんに「ふだん、筋トレとかしてるの?」と聞いたことがありました。すると「いや、あまり何もしてないですよ」という返答。でもよくよく聞いてみると、仕事柄(てっちゃんはマンションにお風呂を設置する仕事をしています)、40階立てのマンションの最上階まで、20kg以上の荷物をもって、階段でいっきに駆け上がるようなこともよくあるとのことです。(建設中のマンションにはエレベーターが未設置だったりします)それを聞いて、なぜ、てっちゃんの体が、がちっとしているのか、納得がいきました。

 あたりまえのレベルがちがうのですね。

 子どもたちの学習の様子を見ていても、「あたりまえレベル」の差を感じることがあります。学習慣れしている子どもは、2,3時間机に向かっても、そんなに疲れた様子は見せませんが、入塾したばかりの子どもですと、90分集中するのが、難しい子どももいます。家庭での宿題や小テストの状況も同じかもしれません。たとえば、6ページの宿題を苦もなくやり遂げる子ども、2ページの宿題をこなすのに、四苦八苦する子ども、といろいろなケースがありそうです。

長時間勉強することや集中力を高めること、継続すること、といった面は訓練次第でよくなっていきます。大切なことは、勉強に対する「あたりまえレベル」をあげていくということです。少しずつの努力が少しずつの成長をもたらすものです。

緑地駅前教室で親学セミナー実施!

2009 年 11 月 26 日 木曜日

11月21日(土)に緑地駅前教室で、親学セミナーを行いました。今回のセミナーは、リピーターの方も多く、中には「受講3回目」のお母さんもいらっしゃいました!(感激です!)

最初は、やや堅い雰囲気で、わたしの「おもしろトーク」も見事、空振りに終わっていたのですが、「傾聴のセッション」をしてから、なんだかテンションも高くなり、おおいに盛り上がりました。

最後に、アンケートを書いて頂きましたので、いくつかご紹介します。

「とても良かったです。改めて納得すること、反省すること、考えさせられることが多くありました。これからの子どもとも会話に、少しでも生かせればと思います」 (小6男子・母)

「子どもとの関係、距離を縮めるためにも、非常に参考になりました。ぜひとも実践(行動)に生かしていきたいと思います」 (中2女子・父)

「前回もそうでしたが、先生のお話が、非常に具体的で私たちの日常に、すごく密接であることがありがたいです・気づかされることがたくさんありました。ありがとうございました」 (中2女子・母)
「とても良かったです。やる気を出させるのも親の言葉で変わってくるんだと、改めて感じました。ありがとうございました」 (小5女子・母)
「楽しく、また、興味深い話に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎました。子どもとの対話の参考になりました」 (小5男子・母)
「コーチングには以前から興味があったのですが、たいへん奥が深く、自分が思っているものとはちがいました。今後の参考になります。楽しかったです」 (小6女子・母)

参加された保護者の方の、子どもを想う気持ちが、熱く伝わってきました。セミナーを行って、自分自身がいちばんエネルギーをもらっているなあ、と思います!

さあ、次は、12月12日(土)の豊中駅前教室です。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています!

親学セミナーの動画をアップしました!

2009 年 11 月 24 日 火曜日

 2009年9月21日に、マイドームおおさかで実施しました、「開成親学セミナー」の様子をアップしました。わずか5分足らずの動画ですので、話の流れなどはわかりにくいかと思いますが、雰囲気は伝わるかと思います。

 2009年も残すところ、あとわずかです。親学セミナーも、12月12日(土)の豊中駅前教室での実施分が最後となります。2010年は、まだ開催していない教室にもたくさん、伺いたいと思っています。

 セミナーでみなさまとお会いできるのを楽しみにしています!

親学セミナー動画

2009 年 11 月 24 日 火曜日

再生ボタンをクリックすると映像が再生されます
(親学セミナー・’09.9.21実施)

目標タイプと目先タイプ

2009 年 11 月 19 日 木曜日

 「やる気をだすためには、目標をもつことだ」と言われます。確かに、目標をはっきりと定めて、それに向かってやるべきことを決め、努力できる子どもは伸びていくものです。しかし、その反面、特に目標をもっていなくても伸びていく子どももいます。

 

 

目標を設定するとやる気がでる、という子どもを「目標タイプ」と呼ぶことにします。目標タイプには、具体的な目標を持たせましょう。志望校や模試の成績、学校のテストなどが目標を設定しやすいと思います。目標に対して、すべきことをリストアップして、行動計画をたてることが大切です。目標はあっても、行動がともなわないようであれば、目標達成は難しいでしょう。

 

  一方で、目標設定していなくても、伸びていく子どももいます。日々やるべきことをしっかりこなしていけるタイプです。このような子どもを「目先タイプ」と呼ぶことにします。目先タイプの特徴は、習慣化すると強い、ということです。すべきことを1日単位や1週単位で決め、それを黙々とこなしていくことで、レベルアップを図ることができます。

 

 

目標タイプの子どもには、目標設定をしてモチベートしましょう。そして、目先タイプの子どもには、日々やるべきことを決めておくのがいいでしょう。子どものタイプに応じて、やり方を決めるといいと思います。

 

りんごあめ

2009 年 11 月 17 日 火曜日

 子育てをしていると、知らず知らずのうちに、自分の親がやっていたことを模倣していた、ということはよくあります。父親に連れられて野球をよくした男の子が親になると、日曜日に公園で息子とキャッチボールをしているかもしれません。中学生のときに学校の成績で母親にきつく叱られた経験のある女の子が、中学生の娘をもつ母親になると、同じように成績のことで叱っているかもしれません。

 親を反面教師にして、「絶対、ああいう子育てはしない!」と強く思っている事柄については、親の影響を受けにくいものですが、あまり意識していないことについては、自分の親の影響を強く受けやすいのです。

 大切なことは、自分のやりたい子育てをすることです。

 子どものころ、厳格な家庭で育てられた女の子がいました。言葉遣いや立ち居振る舞い、礼儀作法といったことも小さいときから厳しくしつけられてきました。
 その女の子がお母さんと夏祭りに行ったときのことです。いろとりどりの夜店がならんでいます。同級生たちは、それぞれ手に、フランクフルトやかき氷、わたあめなどをもって、楽しそうに通り過ぎていきます。そんな中、女の子が心をひかれたのは、「りんごあめ」でした。夜店の裸電球に照らされて赤く輝く「りんごあめ」は、もうそれだけでステキな存在でした。「りんごとあめの組み合わせって、どんな味がするんだろう。食べてみたいなあ」ふだんは、おねだりなどしない女の子でしたが、このときばかりは、「りんごあめ」を手にしたい衝動を抑えきれずに、お母さんにお願いすることにしました。「お母さん、あのね、あの、りんごあめ、ね、食べてみたいんだけど・・・」お母さんの返事はこうでした。「夜店の食べ物は不衛生だからだめよ。それに、りんごあめなんて、着色料をつかってるから、体にもよくないんだから・・・」

 その女の子も大きくなって、ふたりの子どもをもつお母さんになりました。子どもを連れて夏祭りに行くと、りんごあめを買ってほしいとせがむ娘と、買ってあげない自分がいることに気づくそうです。このお母さん自身、夜店の食べ物が不衛生だとか、りんごあめは着色料が多くてよくないと思っているわけではないそうです。ただ、なんとなく無意識に「りんごあめはダメよ」と言ってしまっている自分に気がついたそうです。

 子育ての方針は自分で選べます。ただ、無意識なレベルで、自分の親の影響を強く受けているものだということです。みなさんにとっての「りんごあめ」とはどのようなものでしょうか。

親のたいへんさを伝えるには

2009 年 11 月 13 日 金曜日

 「子どもは親の言うことは聞かないが、背中は見ているものだ」ということばがあります。確かに、ことばよりも行動に説得力があるのはうなずけます。

 親が家庭でどのように過ごすかは親が決めていいことです。家庭を癒しの場としてとらえて、ゆっくりのんびりしている人もいるでしょう。あるいは、家庭は子どもを鍛えるところだと考え、子どもが寝るまで親も心を休めず指導にあたっている人もいるかもしれません。どのようなスタンスをとるかは、親の選択によりますが、はっきりいえることは、「親の行動レベル以上に子どもはがんばらない」ということです。すなわち、ごろんと横になってテレビを見ている親が「勉強しなさい!」と言っても、子どもは言うことを聞きませんし、親の一生懸命さが子どもに伝わっている場合は、子どもも努力をするということです。

 とはいっても、親が一生懸命やっているということを、子どもは理解していないことが多いように思います。朝早く起きて、朝食の準備をして、弁当をつくり、洗濯機をまわし、洗い物をして、チラシで特売品をみつけ、掃除機をかけ、仕事に行き、子どもの学校や塾の通知文をチェックし、アイロンをあて、ときにはぞうきんをぬい、買い物をして、夕食をつくり・・・。といった仕事を毎日やっているということを子どもは気づいていないものです。

 では、どうすれば、子どもに親のたいへんさを伝えることができるのでしょうか。

 自分で自分のことを「すごい」とはいいにくいですから、誰かに言ってもらうのがいいですよね。その誰かとは・・・、そうです!自分の配偶者、つまり夫や妻です。

 「お母さんが毎日たいへんなの、わかってるか?朝早く起きて弁当つくってくれてるやろ・・・」
 「お父さんも会社でがんばってくれてるのよ。残業で遅い日が続いても文句のひとつ言わないで仕事に行ってくれているのよ」

 子どもはにとっていちばんいやなことは、ずばり「夫婦げんか」です。(特に、自分が原因でけんかされるといたたまれなくなります) ということは、夫婦が仲良く、尊敬しあっている姿を見るのは嬉しいわけです。

 というわけで、「子どもの前で夫婦がほめあう」という実践。少々照れくさいかもしれませんが、親のすごさを伝えるいい機会になります。ぜひ、やってみてください!

子どもと話をするのにいい本

2009 年 11 月 11 日 水曜日

 藤原和博さんの「35歳の教科書」を読みました。

 藤原さんは、民間企業の出身で、前の東京都立和田中学校の校長でした。スケールの大きな発想力とこうと決めたらとことんやりぬく実行力の持ち主で、校長時代も非常に興味深い「学校改革」をされています。
 講演会にも足を運んだことがあるのですが、「おもしろい×役に立つ×目から鱗」といった感じで、すばらしいお話しでした!

 さて、「35歳の教科書」ですが、タイトルからして大人向けの本ではあります。しかし、一読して思ったことは、「大人だけでなく、子どもにも読んでほしい」ということでした。

 「モノが目標になった高度成長期」のところなどは、中高生が生まれる前の日本について書かれていて、現代社会との「モノ」に対する価値観の変化が、たいへんわかりやすく、説明されています。

 また、藤原さんが推進されている「よのなか科」という授業では、正解のないことがらについて子どもたちに考えさせていきます。
  「100円のハンバーガーは高いか、安いか」
  「自殺は是か非か」
  「赤ちゃんポストの問題をどう考えるか」
  「子どもにひとり部屋は必要か」
 
 「経験したことのない問題にぶつかっても間違いや失敗を恐れず、自分自身が納得できる解答を探せる子どもは強い」と断言するセリフには説得力があります。そして、そういった子どもを育むには、「クリティカルシンキングを中心とした論理的な思考」や「相手の意見を聞きながら自分の意見を取り入れてプレゼンテーションをする技術」が必要だということです。

 「子どもにも読んでほしい」と書きましたが、いや、これは、やっぱり、親がこっそり読んで、子どもに話をするネタ本にしたほうがいいのかな、という気もしています。

一生懸命力をつける

2009 年 11 月 10 日 火曜日

 先日、雲雀丘学園中学校・高等学校の中尾直史校長とお話しする機会がありました。

 中尾先生は、民間企業で長く勤められた経験をお持ちです。明るくパワフルで、お話しをお聞きしているだけで元気になれる、すばらしい先生です。

 中尾先生のお話の中で、いちばん印象に残ったのは、「学生のころ、楽をしてうまくやっていけたとしても、必ずどこかで頭をうちます。その時その時に一生懸命やっていくことが大切なんですね」ということばです。

 わたしも、「一生懸命体験のある子どもは強い!」という持論があります。

 勉強に限らず、野球でもサッカーでもスイミングでもいいんです。ピアノでもバイオリンでもお琴でもいいんです。そろばんでも習字でもダンスでも何でもいいんです。要は、かべにぶつかっても、投げ出さずに一生懸命やり続けることが、子どもの心の成長にいい影響を与えているのです。

 一生懸命やることで得られるもの。それは、根気であり、継続力であり、集中力であり、そして「やればできるんだ」という成功体験です。

 そして、その成功体験の積み重ねが、自分自身を信じる源になるのです。

我慢できる子どもは伸びる

2009 年 11 月 6 日 金曜日

 マシュマロテストの話をご存じでしょうか?

 アメリカのスタンフォード大学の付属幼稚園で行われた4歳児を対象にした実験です。

 幼児の前にマシュマロをひとつ置いて、「少しの間、外に出ますが、このマシュマロを食べずにいたら、もうひとつあげます」と言って教授は部屋を出て行きます。ほとんどの子どもがマシュマロを食べてしまったそうですが、中には目を覆ったり、腕組みした手に顔をうずめて見ないようにしたり、歌を歌って気を紛らわしたりして、我慢した子どももいたとのことです。

 この実験のおもしろいところは、14年にわたって追跡調査をしているところです。

 我慢した子どもたちは、そうでない子どもたちに比べ、対人能力に優れ、ストレス耐性も強く、チャレンジ精神も旺盛で、学習意欲も高い、といったことが報告されています。さらに、SAT(大学進学適性試験)の平均点にも大きな開きが生じているとのことです。

 確かに、子どもたちの学習指導を通じても、我慢強い子どもは伸びやすいという印象があります。適度な不自由が、我慢する心を育てるのであれば、すべて与えずにおくことも、子どもにとってはいいのかもしれません。

 それと、このテストで感じたのは、「外からの我慢」ではなく、「内からの我慢」の大切さです。マシュマロテストの子どもたちは、誰かに強要されて我慢したわけではありません。あくまで、自分の自由意志で我慢したのです。

 ふだんの親の働きかけで、子どもに我慢することを教えられることは何でしょうか。そういったことを考えてみるのもおもしろいかもしれませんね。