りんごあめ
2009 年 11 月 17 日 火曜日子育てをしていると、知らず知らずのうちに、自分の親がやっていたことを模倣していた、ということはよくあります。父親に連れられて野球をよくした男の子が親になると、日曜日に公園で息子とキャッチボールをしているかもしれません。中学生のときに学校の成績で母親にきつく叱られた経験のある女の子が、中学生の娘をもつ母親になると、同じように成績のことで叱っているかもしれません。
親を反面教師にして、「絶対、ああいう子育てはしない!」と強く思っている事柄については、親の影響を受けにくいものですが、あまり意識していないことについては、自分の親の影響を強く受けやすいのです。
大切なことは、自分のやりたい子育てをすることです。
子どものころ、厳格な家庭で育てられた女の子がいました。言葉遣いや立ち居振る舞い、礼儀作法といったことも小さいときから厳しくしつけられてきました。
その女の子がお母さんと夏祭りに行ったときのことです。いろとりどりの夜店がならんでいます。同級生たちは、それぞれ手に、フランクフルトやかき氷、わたあめなどをもって、楽しそうに通り過ぎていきます。そんな中、女の子が心をひかれたのは、「りんごあめ」でした。夜店の裸電球に照らされて赤く輝く「りんごあめ」は、もうそれだけでステキな存在でした。「りんごとあめの組み合わせって、どんな味がするんだろう。食べてみたいなあ」ふだんは、おねだりなどしない女の子でしたが、このときばかりは、「りんごあめ」を手にしたい衝動を抑えきれずに、お母さんにお願いすることにしました。「お母さん、あのね、あの、りんごあめ、ね、食べてみたいんだけど・・・」お母さんの返事はこうでした。「夜店の食べ物は不衛生だからだめよ。それに、りんごあめなんて、着色料をつかってるから、体にもよくないんだから・・・」
その女の子も大きくなって、ふたりの子どもをもつお母さんになりました。子どもを連れて夏祭りに行くと、りんごあめを買ってほしいとせがむ娘と、買ってあげない自分がいることに気づくそうです。このお母さん自身、夜店の食べ物が不衛生だとか、りんごあめは着色料が多くてよくないと思っているわけではないそうです。ただ、なんとなく無意識に「りんごあめはダメよ」と言ってしまっている自分に気がついたそうです。
子育ての方針は自分で選べます。ただ、無意識なレベルで、自分の親の影響を強く受けているものだということです。みなさんにとっての「りんごあめ」とはどのようなものでしょうか。


