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開成教育グループ


2016 年 12 月 12 日 のアーカイブ

数学と科学・技術 その13

2016 年 12 月 12 日 月曜日

みなさん、こんにちは。寒い冬がやってきましたね。体調のほうは大丈夫でしょうか?さて、数学と科学・技術の関わりについて書いてきて今回で13回目となりますが、なぜ、数学はこのように色々な利用のされ方があるのかを、今回は考えてみましょう。実際、色々な分野と関わりのある汎用性が高いもの、というのはあまりありませんから、なにか数学には一種の秘訣が隠されていると考えられます。それはなんでしょうか?突き詰めて考えると、それは、「論理」(数学Aの分野に入っていますね)ということになります。実際、「論理」がどのように利用されるのかを、具体的な問題を挙げて説明してみましょう。
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【問題1】
下のように4枚のカードがあり、それぞれ片面にはアルファベットが、もう片面には数字が書かれている。

このとき、
「カードの片面が母音ならば、その裏側は偶数でなければならない。」
というルールが成立しているかどうか確かめたい。

裏返して調べないといけないカードを過不足なく選んでください。
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みなさん、少し考えてみてください。

どうでしょうか?答えを書くと、になります。
え、じゃないの、と思った人もいるでしょうか?
答えの説明をする前に、次の問題をちょっと考えてみてください。
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【問題2】
ある喫茶店で、警官が未成年の飲酒の抜き打ち検査をおこなった。その店には4人の客がおり、
缶ビールをぐびぐび飲んでいる人
ウーロン茶で付き合っている人
高校の学生服を着ている人
トランプ大統領
がいた。警官は誰に質問をしたら、未成年の飲酒を調べることができるか?
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どうでしょうか。え、簡単ですか?そうですね。
では、元の問題の解説に移りましょう。ところでみなさん、【問題1】と【問題2】はまったく同じ問題だということに気が付くでしょうか?実際、
母音⇔飲酒    偶数⇔成年(大人)
と対応づければ、未成年の飲酒検査のルールは、
「飲酒をしているのなら、成年(大人)でなければいけない」
ですから、【問題1】と同じ形の問題だとわかります。
では、【問題1】を論理的に解いてみましょう。命題の分野で習う性質「対偶と元の命題の真偽は一致する」を思い出してください。
1. ルール(真の命題)は「片面が母音であれば、もう片面は偶数」であるので、母音のカードは裏返して偶数かどうか調べないといけない。
2. ルール(真の命題)の対偶は「片面が奇数なら、もう片面は子音」であるので、奇数のカードは裏返して子音であるか調べないといけない。
したがって、のカードは調べないといけません。はなぜ調べなくてもいいのでしょう?それはの裏側が子音であっても、それはルール違反ではないからです。飲酒検査の問題で言うと、成年(大人)が飲酒をしていなくても、特に問題がないからなのです。ルールがあると、ついついルールが成り立っているか確認したくなって、を調べてしまうかもしれませんが、注意してください。飲酒の問題でいうと、のトランプ大統領に質問することになりますが、それは不要ですよね。
みなさん、いかがでしたでしょうか?少し難しかったでしょうか?数学の問題とは【問題1】のような、抽象的な形をしていることが多いです。そして、実際は【問題2】のような状況の中に、気づかれないように、こっそり埋め込まれていることがよくあります。そして、日常の中に意外と数学的な問題は潜んでいたりします。「あ、これ数学の問題だったんだ!」と気付けるように、若いうちに訓練を重ねてください。

開成ハイスクール数学科 村上豊