開成教育グループ

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塾生保護者の子育てエッセイ 子育て百景

日本作文指導協会賞

毎朝の楽しみ

カメのおさんぽ様

私には、今年高校受験を控えた次男がいる。御多分にもれず、勉強スイッチが入らず、遊びにゲームに夢中になっている様子を見ては、やきもきしている。

そもそも、十五年前に生まれた時の事を思い出してみると、無事に健康に生まれてきてくれた、ただそれだけで感激で一杯だった。そして、笑うようになった、と喜んだ。次はいつ話せるようになるか、と心待ちにした。今度は立てるようになると、歩き出すのはいつかと、思うようになった。親というのは子供に対して、どんどん期待して欲深くなっていくものなのだ。

小学校、中学校と年齢が上がるにつれて、勉強にスポーツにと、子供に対して過度の期待をしてしまうこともある。そして期待通りに結果を出してくれないと、イライラしてしまう。親のエゴの押し付けなのかもしれない。

子育ての最終的な目的は、社会的、精神的な自立であるとすれば、親の意見の押し付けではなく、子供が将来自信を持って社会を生きていく為の手助けをし、子供の意見を尊重し、温かく見守らなくてはいけない。改めて、親のかかわり方の難しさを感じている。

そんな息子との生活の中で、楽しみにしていることがある。それは、毎朝の息子とのジョギングである。運動部の彼にとっては、ほんのウォーミングアップ程度の距離とスピードではある。しかし母にとっては、健康と美容に一役買ってくれて、格好のストレス解消の運動となっている。

それにも増して大切に思っているのが、その道中での息子との会話である。学校や塾での出来事、友達の事、勉強の事、色々な話をしてくれる。思春期真っ盛りの男の子で、口数がどんどん少なくなっていく中、貴重な時間である。

眠い朝や、真冬の寒さの中でのジョギングは、辛い時もある。でも、春の美しい桜、新緑のすがすがしさ、鮮やかな紅葉、池を泳ぐ渡り鳥の姿。公園の移り行く四季を感じながら、楽しく走っている。

小学一年生の頃から続けているので、もうすぐ十年になろうとしている。私の好きな言葉、「継続は力なり」を肌で感じてくれているのではないか、と思っている。一つ一つの積み重ね、継続することで、力がついて結果につながる。そして自信がつき、次に進んでいける。この先の人生、沢山の壁にぶつかるだろう。でも頑張ってきた自分を信じて、乗り越えて行って欲しい。

この毎朝の楽しみも、おそらく中学校卒業までかなと思うと、寂しさを感じる。でもそれまでもう少しの間、この時間を十分楽しみたいと思っている。

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