進路・職業選びに必要な能力とは?①

2010年5月28日

人間は生きている間に、自分の将来を大きく左右すると思われる選択を行わないといけない場面にいくつも出会います。「住む場所を選ぶ」こともそうでしょうし、何よりも「誰(どんな人)と結婚するか」ということは非常に大きな転機になるでしょう(私はそうでした)。

その他にはやはり「進学先・就職先の決定」ということも挙がると思います。

これらはその先の人生を大きく変えるだけではなく、例えば「A大学に進学したけど、仮にB大学に進学していたらどうだっただろう?」とか「就職はC社じゃなくてD社だったら今頃どうなってるかな?」というやり直しがききません。

進学先・就職先の決定というやり直しがきかない重要な選択。それが必要となる場面に出会うまでの間、一体どんな能力を身につけておくべきなのでしょうか?今回のエントリーは「進路・職業選びで必要となる能力」についてご紹介します。

下の表は、国立教育政策研究所生徒指導研究センターが作成した「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進に関する調査研究」という報告書内にある、進路・職業選択に必要となる能力をまとめたものです。一部中高生には難解な表現がされている部分がありますので、そこは違うわかりやすい表現に置き換えています(表をクリックすると拡大します)。

進路・職業選択に必要となる能力

左端には大きく4つ抽象的に能力領域が示されており、それぞれの領域についての簡単な説明がその右に記載されています。注目いただきたいのは、右端に記載した各領域にカテゴライズされている合計8つの能力についてです。それぞれについて下に説明を記載します(以下、同報告書より引用)。

【自分・他人を理解する能力】
自己理解を深め、他者の多様な個性を理解し、互いに認め合うことを大切にして行動していく能力

【コミュニケーション能力】
多様な集団・組織の中で、コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら、自己の成長を果たしていく能力

【情報収集・探索能力】
進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに、必要な情報を選択・活用し、自己の進路や生き方を考えていく能力

【職業理解能力】
様々な体験等を通して、学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や、今しなければならないことなどを理解していく能力

【役割把握・認識能力】
生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し、自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力

【計画を実行する能力】
目標とすべき将来の生き方や進路を考え、それを実現するための進路計画を立て、実際の選択行動等で実行していく能力

【選択能力】
様々な選択肢について比較検討したり、葛藤を克服したりして、主体的に判断し、自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力

【課題解決能力】
意思決定に伴う責任を受け入れ、選択結果に適応するとともに、希望する進路の実現に向け、自ら課題を設定してその解決に取り組む能力

・・・難しい言葉が並んでいて、一体何をどうすればいいのか?が今一つわかりにくい文章です。

ただ、一番大切になってくるのは「自分を知る」ことです。職業・仕事の名前や中身をよく知っている、いろいろな資格を持っている、ということも重要ではありますが、自分自身の個性・能力・適性を知ることと、それを受け入れて伸ばそうとする姿勢が最重要事項だと考えます。

今回は諸能力をざっとご紹介しましたが、今後のエントリーでは、これら8つの能力を身につけるためにどういう点に注意して生活すればいいのか、小・中・高それぞれの段階にわけて丁寧にご紹介してまいります。