大阪府高校入試 第2回進路希望調査

2010年2月1日 月曜日

1月22日、新聞各紙に2010年度高校入試の第2回進路希望調査(14日現在)結果が掲載されておりました。

私立高が第一志望の生徒の割合を示す「専願率」が前年度調査結果と比べて0.86ポイント増え、2003年度以来7年ぶりに上昇したことも明らかになっています。このブログの1月14日のエントリーで「「私立無償化」が今後どれほど浸透するかによっては私立専願率がもう少し回復することも考えられます」と述べさせていただきましたが、今回の結果を受けて産経新聞では「昨年12月の第1回調査では13.34%と過去最低だったが、府公立中学校長会は「府の私立高校授業料実質無償化の支援策が保護者らに浸透した結果ではないか」と分析している」と報じられています。

また、今回の調査で公立高・前期の志望動向も明らかになっています。まずは、全体の動きを知るために、主な学科/コース合計の倍率をご紹介します。

大阪府立高・前期 進路希望調査(学科/コース計)

昨年同時期の調査結果と比べて、理数科の人気が大きく上がっていることがわかります。皆さんご存じのとおり、2012年度入試(今の中2生)から府内10校に「文理科」を設置することが決まっています。それに伴い、現在理数科を持っている学校で文理科の設置が決まっている学校は、理数科は文理科に名称が改められる予定です。「理数科としての入試は今年が最後」ということもこの倍率上昇に影響を与えているのではないでしょうか?

次に、主な学科/コースの学校別の倍率をご紹介します。

理数・総合科学・国際文化

まずは、理数・総合科学・国際文化の各学科です。先ほどご紹介した「文理科」が設置される10校の中には、今理数科を持っている天王寺高、大手前高も含まれています。この2校の理数科は次年度の入試からは文理科となるので、今回の入試が理数科としては最後になる、ということになります。そのことが影響してか、理数科4校の中ではこの2校を含む3校が現時点で大幅に倍率が上昇しています。

国際教養・単位制

国際教養・単位制です。昨年同時期の調査で高い倍率だった鳳高(単位制)が、さらに今年も高倍率となっています。長吉高(単位制)は昨年度入試の倍率が1.24倍と比較的低かったので狙われている、逆に槻の木高(単位制)は昨年度入試の倍率が2.20倍、市岡高(単位制)の昨年度入試倍率は1.93倍と共に高かったので両校とも今年は敬遠されている、と見ることができます。

総合

総合学科各校の希望調査結果です。能勢高(総合)の倍率が高いのが目につきますが、募集人員が10名程度のごく少ないものであるということが原因となっています。ちなみに、昨年度入試では1倍を下回る「定員割れ」という状態でした。

堺東(総合)が昨年度調査時点よりも人気が高くなっています。昨年度入試の倍率が総合学科12校中2番目に高い1.78倍であったにも関わらず、今年も志願者が多くなりそうな気配です。ここを受験する予定の受験生は注意が必要でしょう。

扇町総合(総合)も大きく倍率が上がっています。昨年度入試の倍率が1.19倍という総合学科12校中2番目に低い倍率でしたので、今年は狙われているものと思われます。

例年ですと、2月中旬ごろに次回の調査結果が出る予定になっています。その時点ではどのような人気動向になっているのでしょうか?情報が入り次第、このブログでデータ・分析をご紹介する予定です。