早くも始動!私立大オープンキャンパス

2010年3月16日 火曜日

この時期、大学入試はほぼ終わりつつありますが、一部私立大や国公立大後期などまだまだ入試と戦っている受験生がたくさんいる状況です。そんな中、新高3生向けの入試イベントの告知が早くも行われています。

今回のエントリーでは、3月末に主要な私立大で行われるオープンキャンパスの日程をご紹介します。

オープンキャンパス日程(2010年3月実施分)※万全を期すため、日程は各大学のHPでご確認ください
※実施時間・場所・プログラムについては各大学のHPに詳しく記載されています

3月にオープンキャンパスを実施されますがこの表に掲載していない大学もありますので、ご自分が進学を希望されている大学でオープンキャンパスが実施されているかどうか、一度大学のHPで確認してみてください。

さて、上の表を見て気づかれた方も多いと思いますが、近畿地区の有力私大の関関同立・産近甲龍のうち立命館大・甲南大以外の6大学でオープンキャンパスが実施されています。

夏休みにはほとんどすべての大学でオープンキャンパスが実施されますが、春のこの時期に実施する大学はまだまだ少ないとはいえ、このように受験生が毎年何万人も集まる大学がこぞってオープンキャンパスを実施しています。これは見逃せません。

大学によって実施される内容は大きく異なりますが、一般的にオープンキャンパスではどんなイベントが行われているかと言いますと・・・

大学に関する全体的な説明会
学部・学科についての説明会
入試制度についての説明会
保護者対象の説明会
キャンパス見学ツアー
在学生との相談コーナー
入試相談コーナー
学食体験

といったようなものが中心です。どの大学も在校生が中心となって運営されていますので、大学生活について気軽に聞くことが出来るのも大きな魅力です。

春休みの間にいろいろな大学のオープンキャンパスを回って、大学入試に向けて本格的な「受験モード」に切り替えるきっかけにしてください。

受験モードに切り替わったら、開成の大学受験部門で本格的な対策を開始しましょう!

個別指導での対策が希望の受験生→こっちを押す!
代ゼミサテラインが気になる受験生→ここから移る!

大阪府公立高校 後期選抜 最終倍率②

2010年3月15日 月曜日

「大阪府公立高校 後期選抜 最終倍率①」に続くエントリーです。①では、昨年・今年の進路希望調査段階の倍率も交えながら今年の最終倍率についてご紹介しています。こちらも合わせてお読みください。

今回は、主要校の最終倍率を今年のものを含めて5年分ご紹介し、そこから見えてくるものについてご説明しようと思います。

まずは、大阪府後期選抜(全日制普通科)全体の最終倍率の推移(これに関しては9年分)をご覧ください。

全体倍率

ご覧いただければすぐお分かりいただけますように、今年の最終倍率は昨年のそれから大きくダウンしており、2006年以前の水準になっています。このグラフを、2007年に実施された「学区再編」で一旦区切り、その前後の様子を比較してみましょう。

全体倍率(学区再編前後)

左側の青いグラフが学区再編前(9学区制)時代、右側の赤いグラフが学区再編後(4学区制)の推移となります。

2007年に9つあった学区が4つになったことで、より受験生にマッチした受験校が選べる、ということで公立高人気が高まって全体倍率が急激に上昇しました。以降、公立高は2009年度入試まで3年連続で高倍率を更新し続けています。

特に昨年は「100年に一度」と言われている深刻な経済不況が世間を覆ったタイミングと同じくして、大阪では橋下知事による「私学助成金カット」を発端とする私立高での授業料値上げが大きく影響し、定時制高にも合格できないという受験生が出てくるなど、非常に公立高が人気となりました。

今年の全体の最終倍率は1.14倍、となっており、学区再編後最も低いものとなっています。原因としては

①公立高の無償化だけでなく、私立高でも低所得者への無償化政策が実施されるため
②入学定員が約3000人増えた

の2つが挙げられます。

では、ここからは学区ごとの全体倍率・主要校の5年分の倍率などをご紹介致します(画像をクリックすると拡大します)。

第1学区 詳細

第1学区です。大阪府全体の倍率が1.14倍であるのに対し、今年の第1学区は1.16倍。例年大阪府全体の倍率とほぼ同等~若干下を記録してきていましたが、今年に限っては大阪府全体の倍率を上回りました。

その大きな原因となっているのが、茨木(1.48倍 府内第1位)・春日丘(1.44倍 府内第2位)・豊中(1.33倍)の3校の倍率の高さです。茨木はここ5年で最も高い倍率、春日丘は過去に1.58倍や1.54倍という目を疑うような倍率になった年があり、その頃に比べるとまだマシではありますが、高倍率の「常連」として今年も受験生を大いに悩ませています。

昨年までの4年間1.3倍を超え続けていた刀根山ですが、さすがに今年は受験生が敬遠をした動きを見せており、1.2倍台にまで下がりました。しかしそれでも大阪府全体の倍率と比べても高いものとなっています。

第2学区 詳細

第2学区です。

一昨年までは第2学区全体の倍率が大阪府全体のそれに比べて下回っていましたが、昨年で同率、今年とうとう超えました。公立高に対する期待が年を経るごとにじわじわ上昇してきている、そんな様子が感じられます。

この学区の一番のトピックスは、学区再編後毎年1.3倍後半~1.4倍半ばという高倍率を保ってきていた大手前が大きく倍率をダウンさせた、という点です。「大阪府公立高校 前期 最終出願状況」でご紹介しましたが、大手前の理数科は昨年の最終倍率から0.06倍アップの4.06倍いう高倍率、かつ、ここ数年連続して倍率を上昇させてきています。今年については普通科が理数科と同じように高倍率の維持とならなかった点が意外です。

旧第4学区の2校、四條畷と寝屋川は例年の高倍率を維持していることがわかります。

四條畷は倍率の上がり・下がりのデコボコが激しく、いわゆる「隔年現象」の典型的な例となっています。気の毒なことに今年の受験生は「受難の年」となってしまいました。逆に言うと、来年の受験生は楽な戦いになることが大いに予想されます。

寝屋川は学区再編直後の2007年の倍率を頂点として年々緩やかに倍率を下げてきていますが、今年の1.33倍もまだまだ高倍率の部類に入ります。「倍率は高いだろうけど、どうしても受験したい」と思う受験生が多いのだろうと思われます。根強い人気です。

第3学区 詳細

第3学区です。

学区全体の倍率は大阪府全体のそれと同等~下を常にキープしていますが、今年に限っては大阪府全体の倍率よりも大きく下回っています。第1学区・第2学区のように1.4倍を超える学校が無いどころか、第3学区では1.3倍すら超える学校が存在しません。そして、狭山・長野・大塚・柏原東の4校が定員割れ、阪南も1倍ちょうど、ということで他の学区に比べて募集状況が寂しくなっています。これらがこの学区の全体倍率を下げる原因となっています。

天王寺はかろうじて1.2倍、となりました。学区再編直後は1.4倍を超え、その後は1.3倍程度をキープしていましたが、ここへきて大きな倍率下落となっています。考えられるのは、

①安全策として高津や生野に変更した受験生が多い
②天王寺の併願先として受験されている私立高に受験生が流れた

の2つです。特に②については「私立無償化」が大きく報道されており、「公立も私立も両方無料になるのなら、私立の面倒見の良さをとる」という受験生が多く出てきている可能性が十分考えられます。

同じく、中堅どころで学区再編後は大変な人気となっていた夕陽丘・清水谷が、学区再編後最も低い倍率となっています。

第4学区 詳細

最後に第4学区です。

この学区の全体倍率は、例年大阪府全体の倍率と同等~それ以上を保っていますが、今年も例年通り大阪府全体倍率と同等をキープしました。ここ数年を通して見てみると、この地域は公立高人気が高い地域であることがわかります。

三国丘が大きく倍率を上げています。昨年はトップ校にしては低すぎるといっていい倍率でしたので、手ごろ感が出たのでしょう。泉陽が学区再編後最も低い倍率を記録していることから見ると、おそらく泉陽の受験予定者を奪うことに成功したのではないのでしょうか。

岸和田は若干倍率を下げていますが、この程度では下がったうちには入らないと思ったほうがいいでしょう。

佐野が大きく倍率を下げ、反対に久米田と和泉が大きく倍率を上げています。特に久米田は府内第3位の倍率です。和泉・久米田ともに表をご覧いただいてお分かりのとおり、学区再編後は2年続いて1.3倍以上という高倍率でしたが、昨年は共に大きく倍率を下げる「小休止」となっています。その状況を受験生が見て、「あの倍率なら」と殺到したと思われます。

いよいよ明日、大阪府公立高校 後期選抜を迎えます。受験生の皆さん、最後の追い込みに余念が無いと思いますが、カゼなど引いてしまってこれまでの努力をムダにしてしまわないよう、体調管理にくれぐれもご注意ください。

開成グループ 教職員一同、受験生全員の健闘を祈っています!

大阪府公立高校 後期選抜 最終倍率①

2010年3月12日 金曜日

先週半ば~今週頭にかけて6回にわたりお伝えしてきました「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率」や、3月8日のエントリーでした「大阪府公立高校 後期選抜 進路希望調査」といった大阪府公立高校 後期選抜についての記事が続いております。受験生の皆さん・保護者の方々のご関心も相当高いようで、今週頭には1日で約200HITを記録した日もありました!

ご覧頂きました皆さまのご期待に添えるようなブログ作りを今後も続けてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回も大阪府公立高校 後期選抜に関する記事となります。3月11日付新聞各紙に「最終倍率」に関する記事が掲載されておりました。各学区の主要校の最終倍率を、昨年・今年の進路希望調査時点の倍率、昨年の最終倍率のデータとともにご紹介いたします(いずれの画像もクリックすると拡大します)。

第1学区 最終倍率

まずは第1学区です。

北野は昨年の最終倍率と全く同じ倍率となりました。

進路希望調査時点で高倍率だった茨木・春日丘両校は、春日丘は調査時点から下がったものの、両校とも1.4倍を超える高倍率となってしまいました。茨木は府内第1位、春日丘は府内第2位の高倍率ということで、茨木市内にある公立高両巨頭2校が「ワンツーフィニッシュ」を決めた形です。受験生にとってみればイヤなワンツーフィニッシュだと思いますが・・・。

1.2倍を超えているところでは箕面・桜塚・刀根山がありますが、特に刀根山は昨年の最終倍率と比べると大きく倍率が下がっており、昨年よりも手ごろな状況にはなっているものの、依然として高い倍率であることは確かです。

第2学区 最終倍率

第2学区です。

大手前が昨年から大きく下げて1.2倍台となっております。1.3倍を超えることがここ数年当たり前となっていたので、意外な倍率に驚いています。

その逆に、四條畷が大きく倍率を上げており、1.4倍を超え、府内第3位の高倍率となりました。進路希望調査段階でも高い倍率でしたが、それにも動じずに志望校を貫きとおした受験生が多かったようです。

進路希望調査結果の低倍率を見て受験生が殺到した、と思われるのが香里丘です。定員割れあるいはそれに限りなく近い低倍率になることを期待して志望校を変えた受験生が多く、結果として大阪府全体の平均倍率程度にまで引き上がってしまった、ということではないでしょうか。

第3学区 最終倍率

続いて、第3学区です。

天王寺が1.2倍ちょうどという、ここ5年の中で一番低い倍率となっています。例年1.2倍後半~1.3倍ちょっと、という推移でしたので、大手前の倍率同様に非常に驚いています。

昨年の最終倍率1.1倍が魅力的に映ったのでしょう、今年の進路希望調査時点で倍率が高かった生野ですが、少し下げて1.25倍。高津と全く同じ倍率となりました。妥当なところに落ち着いたと思います。

狭山は定員割れ、阪南も1.0倍ちょうどということで、「やったー!」と喜んでいる受験生の顔が浮かびます。

第4学区 最終倍率

最後は第4学区です。

三国丘が昨年の最終倍率から大きく倍率を上げ、1.3倍という高倍率になりました。しかし、今年の進路希望調査時点から考えると相当ダウンしています。調査結果を見てびっくりし、あわてて受験校を変更した受験生がたくさんいたのでしょう。

和泉と久米田の2校が昨年の最終倍率から大きく倍率を上げています。特に久米田は第2学区の四條畷と同率で府内第3位の高倍率となっています。

久米田の大幅な倍率上昇とは反対に、佐野の倍率が大きく下がっています。昨年、佐野の最終倍率が高かったのに対し、久米田の倍率が手ごろだったことから、受験生が久米田に流れたのだと思われます。

今回のエントリーでは進路希望調査結果時点の倍率も交えた昨年・今年の比較、という切り口から今年の最終倍率をご紹介した形ですが、次回のエントリーでは最終倍率に的を絞り、「大阪府全体の倍率」「学区ごとの倍率」「主要校の倍率」について、過去5年の流れ・傾向について分析してみたいと思います。

受験生の皆さんにはぜひこちらの記事も読んでほしいと思います。

昨年の後期選抜 合格者の教科別平均点を紹介しています → こちら!
昨年の後期選抜 合格者の国語の小問別正答率やアドバイスを紹介しています → こちら!
昨年の後期選抜 合格者の社会の小問別正答率やアドバイスを紹介しています → こちら!
昨年の後期選抜 合格者の数学の小問別正答率やアドバイスを紹介しています → こちら!
昨年の後期選抜 合格者の理科の小問別正答率やアドバイスを紹介しています → こちら!
昨年の後期選抜 合格者の英語の小問別正答率やアドバイスを紹介しています → こちら!

大阪府公立高校 大学進学特化の動き

2010年3月11日 木曜日

2月13日(土)の読売新聞に「工業高 進学にも対応・・・大阪などで改革」という記事が掲載されていました。

文部科学省が行っている調査によりますと、工業系学科を卒業して就職する生徒の割合がこの20年で79.2%から62.8%に下がり、進学の割合が逆に6.2%から17.5%にアップしています。工業高校を卒業してもすぐに就職しないで大学や専門学校に進学するケースが多くなってきていることがこのデータではっきりわかります。

また、昨今の大学進学希望者の増加によって工業高校自体の人気が低くなっていることも確かです。それが証拠に、同じ文部科学省の調査によると工業系学科のある高校は全国で575校、20年前に比べると115校も減っています。普通科やその他大学進学に特化した高校・学科に受験生が流れ、工業高校の需要が低下してきているので、統合をかけているのです。

全国的にこういった流れになっている中、大阪府教育委員会は2005年度に工業高校を12校から9校に減らしたのと同時に、就職と進学の双方に対応できる学校であることをアピールするため、従来の「工業」高校から「工科」高校へと名称を変え、全校で授業内容を見直しています。

その中の1校である大阪市西成区にある今宮工科高の取り組み内容が紙面で紹介されていましたが、それと合わせてここ数年で大学進学者の割合が増えているというデータが紹介されています。

今宮工科高
大学進学希望者の割合 04年度10.6% → 08年度20.0%

同高はこういった現実を受けて「英語や物理などの教科を多く履修するコースも設定し、大学受験用の補習も充実させた」と読売新聞は報じています。

工業高校であっても授業内容を刷新して大学進学に対応している例が紹介されたわけですが、それ以外でも大阪府では大学進学に強い公立高校を作ろうということで、様々な取り組みが行われています。今回のエントリーでは、それらをまとめてみたいと思います。

①進学指導特色校10校・文理学科設置
まずは、やはり2011年4月から開始となる「進学指導特色校10校(北野・豊中・茨木・大手前・四條畷・高津・天王寺・生野・三国丘・岸和田)に文理学科を設置する」ことが真っ先に挙げられます。文理学科についての情報は未判明の部分が多いのですが、先日のエントリー「大手前高 進学指導特色校としての取り組み」で大手前高のカリキュラム予定をご紹介しています。

②普通科単位制
次に、ここ数年で行われている面白い取り組みとして「普通科高校の単位制化」があります。大阪府下には公立の単位制高校が4校あり、これらの高校の通学区域は府内全域となっています。

長吉高(大阪市平野区) 2001年単位制へ移行
槻の木高(高槻市) 2003年高槻南高と島上高を合併・開校
鳳高(堺市) 2008年単位制へ移行
市岡高(大阪市港区) 2009年単位制へ移行

これら単位制の公立高校は全日制の普通科高校と同じように毎日朝から登校することが必要で、その上で下図のように普通科やその他学科と比べて「科目の自由選択幅が広い」という単位制の利点を最大限に利用出来る点が特徴として挙げられます。

普通科とその他学科 単位構成の違い1※クリックすると拡大します

数年前の話ですが、大阪府東部にございます「ある私立進学校」の先生方に「今一番気にしておられる学校はどちらですか?」という質問をしたのですが、府県は問わず同じ私立の伝統校あるいは新進気鋭校の名前が挙がるかと思いきや、「公立の槻の木高校です」という意外な答えが返ってきたことを鮮明に覚えています。

理由は「金・土の補習、夏期・冬期の補習、といった私立顔負けの手厚い指導と、単位制の良さを活かした自由選択制を利用して3年次後半はほとんど入試対策に充てる、など計画的に受験指導を行っている。それが公立高の授業料で受けれるのだから・・・」ということでした。単位制へ移行してまだ間もない同校ですが、これらの取り組みが実際に大学進学実績にすでに現れています。

今年槻の木高では、関西大 前期入試終了時点で現役だけで42名、推薦入試などでの合格者数も含めると現役のみで50名という関西大合格者数になっているようです。昨年は前期・後期合わせて現役20名、浪人23名、合計43名という合格者数でしたから、今年は「関大合格者数は前期だけで、しかも現役だけで昨年の数を超えた」という、まさに大躍進となっています。今年のすべての大学入試結果が出揃うころにはどのような実績になっているのか、今から楽しみです。

③スーパー商業高校(2012年開校)
工業高の大学進学特化、進学指導特色校・文理科、普通科単位制に続く取り組みとしては「2012年(今の中1生が進学する年)のスーパー商業高校の設置」があります。スーパー商業高校というのはこれを書いている私が勝手に呼んでいる名称ですので、ご容赦ください。しかし予定されている取り組み内容を見れば「スーパー」と呼ぶ理由が少しご理解いただけると思います。

現在、大阪市立の商業高校3校(天王寺商業高・市岡商業高・東商業高)を1つに合併し、企業・有名大学との連携をからめて「高大一貫ビジネス教育」を実施する計画が明らかになっています。詳しい内容が大阪市から発表になっています。

大阪市立 新商業高校※クリックすると拡大します

上の文書をご覧いただければおわかりのように、(平成21年7月現在というただし書きがありますが)連携先の大学として「大阪市立大・関西大・関西外国語大」の3大学が挙げられており、しかも「連携入学制度(大学・学部・学科ごとに入学条件は異なります)」という記述もされています。

今の段階では詳しいことがまだほとんどわからない状態ではありますが、近畿地区の人気国公立大の一翼を担う大阪市立大に推薦で入学できるようなことがあるのであれば、かなりの人気になりそうです。これこそが私が「スーパー」と呼ぶ所以なのです。

ご紹介したように、ここ数年で大阪府公立高は大学進学に特化した学校づくりを積極的に進めています。当然、私立高も負けてはいません。

公立・私立が切磋琢磨し、より良い教育環境を持つ学校が増えつつあります。その変化を見過ごさないように、受験生・保護者は入試・学校情報には敏感になっておく必要があるでしょう。

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率⑥

2010年3月10日 水曜日

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率③
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率④
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率⑤

と、大阪府公立高校後期選抜に向けた情報をお届けしてきています。まだお読みになられてない方は先にこれらをお読みになられてからこのエントリーをお読みください。

昨年の公立高校後期選抜の入試問題について、小問別正答率を教科ごとにご紹介してきたこのシリーズ、今回で最終回となります。このシリーズは大変ご好評をいただいているようで、先週半ば以降アクセス数が急増しています。また、GoogleやYahoo!の検索においても当ブログが上位にランクインするようにもなっています。

ご覧頂いている皆さん、ありがとうございます。

最終回はお待ちかねの英語についてです(クリックすると拡大します)。

2

A・B問題については、数学同様各高校がそれぞれ選択します。どの高校がどの問題を選択するのかは、後期の入試当日にならないとわかりません。

英語では文章の内容を把握する力や自分の考えを英語で書く力を見る問題が多く取り入れられている点が特徴的です。言ってみれば「実際のコミュニケーションで英語を使えるぐらいの知識や力があるかどうか」という点を見られている、ということです。

A選択問題の1[Ⅰ]の5問のような文法・単語の問題の得点率が非常に高いことがわかりますが、これは「正解して当たり前」の問題ということです。ここで必要以上に時間をとってしまったり、ましてや不正解になることは絶対に避けましょう。同じA選択問題の中で1[Ⅱ]は得点率が低くなっていますので、他の受験生と差をつけるにはここが狙い目となります。(1)(2)(5)のような記述問題が特に得点率が低いので、ここで点が取れるようであれば大きいでしょう。

B選択問題はAのそれとは違って得点率が高い問題が少なくなっています。得点率が低い問題は(3)(5)(6)で、いずれも記述問題となっています。

共通問題では記述の問題が数多く出題されており、その分全体の得点率もずば抜けて高いものが見当たりません。

しかも最後には「英作文」という、記述問題の中でも最難関の問題が待ち受けています。ただ、英作文はこれから毎日、とにかくテーマを1つでも多く練習し、塾の先生に添削してもらうことで今からでも対策が可能です。英作文を書くときには、「ちゃんとテーマに沿っているか」「時間は10分以内で」「書いた後は見直しをする」ことを心がけて取り組むようにしましょう。

英語は、一言で言ってしまうならば、「記述が出来れば点が取れる」というものになっています。これまで国語・社会・理科で指摘した「記述力」が英語でも必要なのです。短時間ですぐには力をつけることは難しいところではありますが、塾の先生も含めた周りの大人の人たちに自分が書いたものを見てもらって意見をもらうと、よりよい日本語・英語が書けるようになるでしょう。

リスニングはどの問題も比較的得点率が高いことから、簡単であると思ってもらっていいでしょう。英語を聞くときのポイントとしては「実際の場面の具体的に思い描く」「話の流れを把握する」という2点があります。また、話をしている人が「これは大事だな」「相手に必ず伝えないといけない」と思うようなところは強く発音する傾向にあります。その部分が聞き取れれば、話の流れの中で重要な部分だけは確実に押さえることができます。次にリスニング問題を聞くときには、「どこを強く発音するのかな?」ということを気にしながら聞いてみるようにしてみてください。

英語の勉強全般に当てはまることですが、基本的な単語や文法を覚えるだけでなく、実際のさまざまなコミュニケーションの場面で使うことが出来るように訓練しておかないと、公立高校後期では点に結びつきません。設定された状況に応じて適切な文や表現を使えることができるようになるためには、毎日まとまった量の英文を実際に書いて練習するしか方法がありません。どうか心して対策を進めてください。

これまで①~⑥と6回にわたって昨年の公立高校後期選抜の平均点・小問別得点率をご紹介してきました。あくまでも昨年の問題についてのデータや解説なので、今年はどんな問題・傾向になるのかはわかりません。どんな問題・傾向であってもびっくりせずに問題が解けるよう、まずは基本的な知識を確実にすること、そして記述問題ではその知識を基にして問題で問われていることに正確に答えることが出来るように訓練をしておきましょう。

大阪府公立高校後期選抜の入試日は3月16日、合格発表日は3月23日。

皆さんの健闘を祈っています。

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率⑤

2010年3月9日 火曜日

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率③
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率④

に続くエントリーです。これまで、大阪府公立高校後期選抜過去3年間の教科別平均点、各教科の小問ごとの正答率については国・社・数についてご紹介をしてまいりました。まだ読んでない方は上のタイトルをクリックして該当ページを読んでからこの先に進んでください!

今回のエントリーでは理科についてご紹介します。正答率や全体の傾向、これから試験までの間に行うべき対策について簡単に解説します。まずは、昨年の得点率や無答率を小問ごとにグラフで紹介します(クリッ クすると拡大します)。

小問別得点率 理科

昨年の後期選抜では大問は4つ、植物・電流・天体の観察・化学変化といった幅広い分野にわたって出題されています。日常生活とかかわりがある物や現象を取り上げて、基本的な問題、観察や実験に基づく科学的な考え方・判断力・表現する力が問われているのも特徴です。

この「日常生活とかかわりがある」という点がポイントです。大問1の生物分野、大問2の電流のはたらき、大問4の化学反応の3つに共通しているのが「身の回りにある、あるいは身の回りで起こる出来事」であるという点です。実際の生活の中でいかに注意して周りを見ているか、がある程度結果を左右するといってもいいかもしれません。

ただ、単に観察をしているだけではいけません。観察したものを科学的に考え、判断し、それを的確に表現する力が必要になります。

「大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①~④」を読んでからここに来られた方はもう気づいておられるかもしれません。②や③のエントリーでもお伝えしたとおり、国語や社会ではきちんとした記述力が必要なのですが、理科でもそれが当てはまるのです。

観察や実験で得た結果をできるだけわかりやすく、短い言葉で表現する練習をしておけば昨年の大問3(3)③のような記述問題の対策になるでしょう。

当然、基礎・基本の知識は不可欠です。言葉の意味だけでなく、漢字で書くべきところは漢字で書けるように練習しておきましょう。

最後にひとつ。昨年は観察や実験の結果を通して考えさせる問題や、科学的な考え方をしないといけない問題の得点率が低い傾向にありました。観察・実験の問題が出たら点が取れるよう、これらを狙い目とするのもいいかもしれません。

次のエントリーでこのシリーズもいよいよ最後、英語の登場です。

大阪府公立高校 後期選抜 進路希望調査

2010年3月8日 月曜日

3月5日、大阪府内の中学3年生全員を対象にした公立高校後期選抜の進路希望調査結果(3日現在)が大阪府公立中学校長会から発表されました。

全日制普通科の平均倍率が1.15倍となっており、昨年の同時期に調査した時点の平均倍率である1.23倍から0.08ポイントダウンしています。

昨年は厳しい不況下でどの学区も公立高受験者が増え、倍率が高くなったことが記憶に新しいところです。今年も厳しい不況が続いていますので、昨年と同じく公立高全体の倍率が上がるかと思われましたが、2007年度入試から9つあった学区を4つに統合して以来最も低い1.15倍という倍率になっており、現時点では全体倍率が手ごろになっています。

考えられる要因はいくつかあります。

①公立高の無償化だけでなく、私立高でも低所得者への無償化政策が実施されるため
②入学定員が約3000人増えた

①は、すでに実施された私立高入試の出願状況でも示されたとおり、無償化政策が大きな影響を与えています。詳しくはこちらのエントリーでご紹介しています

②に至った経緯を解説します。昨年度、実際に不況によって公立高志願者数が増えたため、私立高を受験せずに公立高1本で勝負したがどこも合格出来ず、定時制高も定員オーバーのため不合格になってしまった受験生が出るなど、ちょっとした社会問題となりました。

今年も不景気が続いている上に、今後実施される「公立高無償化」に大きな期待が寄せられているため、また昨年のような倍率上昇が起こる可能性が高い状況であると当初から予想されていました。それを避けるために、府内の全日制公立高167校のうち倍率が高くなる可能性が高い高校を中心に合計で約3000人の募集定員の増加が実施されました。

しかし今回の進路希望調査結果では、増えた定員が約3000人であるのに対して、受験生自体は約1500人しか増えていません。ですから、全体の倍率がある程度ダウンするのは「当たり前」なのです。

前置きが長くなりました。では第1学区の主要校から順に今年の調査時点の倍率を、昨年同時期に実施された調査時点の倍率、昨年の最終倍率を交えながらご紹介していきます(いずれの画像もクリックすると拡大します)。

第一学区 進路希望調査状況

まず第1学区のデータです。

茨木(今回の調査で府内2位の高倍率)・春日丘(同じく府内1位)ともに1.5倍を上回ってしまっています。昨年の進路希望調査時点からも高くなっています。このデータを見てびっくりした受験生が受験校を変更することが大いに考えられますが、それでもこの2校は最終的に高い倍率になると思われます。

その他の高校については平均倍率よりも上回っているところが多く、第1学区は公立高人気が高い地域であることを示しています。気を抜けない入試になるでしょう。

第二学区 進路希望調査状況

第2学区です。

昨年の進路希望調査と比べたときの倍率の上がり・下がりが非常に激しい学区です。大手前・四條畷・東・大阪市立(春日丘と同率で府内1位)の高倍率が目立ちます。これら4校は昨年の最終倍率も高かったことから、今年もこのまま高い倍率を維持して入試当日を迎えることになると思われます。

第三学区 進路希望調査状況

第3学区です。

第1・第2学区のように1.5倍という目を疑うような高倍率は見かけませんが、アクセスで有利な夕陽丘が例年通り高い人気となっています。それとは対照的に清水谷の倍率が手ごろになっています。この調査結果を見て、夕陽丘から清水谷へ受験校を変更する受験生が多数出てくると思われます。両校の受験予定者は要注目です。

また、昨年の最終倍率の手ごろさが受験生を刺激したのでしょうか、生野の人気が急上昇しています。この調査時点で生野を希望した受験生がこの結果を見てどう動くのか、大変興味があります。

第四学区 進路希望調査状況

第4学区です。

1.4倍を超える高校が4校あります。特に和泉の1.56倍は府内4位の高倍率となっており、昨年の最終倍率の低さを見て手ごろ感が出た結果だと思われます。この高校は南海本線とJR阪和線の両方からアクセス可能であることと、堺市方面と和歌山方面の両方の丁度中間地点にあるという、非常に選びやすい・通いやすい立地にあります。倍率が高くなる要素は十二分にありますので、ご注意ください。

簡単に今回の進路希望調査結果をご紹介しました。最終出願状況が出そろいましたら改めてこの場でご紹介する予定にしています。

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率④

2010年3月8日 月曜日

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率③

に続くエントリーです。まだ上記3つをお読みになられていない方は、ぜひ先にこれらをお読みになってください。上記それぞれのタイトルをクリックすると該当ページに飛びます。

さて、今回は昨年の大阪府公立高校後期選抜で出題された5教科のうち「数学」にスポットをあてて、正答率や全体の傾向、これから試験までの間に行うべき対策についてご紹介したいと思います。昨年の得点率や無答率を小問ごとにグラフで紹介します(クリックすると拡大します)。

小問別得点率 数学

数学のA・B問題については各高校がそれぞれ選択します。どの高校がどの問題を選択するのかは、後期の入試当日にならないとわかりません。

大問1のA選択問題は大問1(7)と(8)の得点率が極端に低いことがグラフを見てすぐにわかります。(7)は一次関数・比例が、(8)では面積と重さの関係を題材とした問題が出題されています。特に(8)のような問題は数学的な見方・考え方・処理する力が必要となるところです。ここが出来れば他の受験生に大きな差をつけることが出来ますので、数学が得意な受験生はこういった問題の正解率を上げられるように準備しておくといいでしょう。

大問2はB選択問題です。大問1(6)②、大問2(1)②と(2)②のように、A選択問題に比べて得点率が低い問題が多くあることがわかります。これらの問題は無答率も高く、手も足も出なかった受験生がたくさんいたようです。特に大問2の2問は、解ける方がいいことは当たり前なのですが、解けなくてもがっかりしたりあせったりする必要は全く無いと思います。

大問3以降は共通問題です。評定4以下の受験生は1問を除いた全問でゼロに近い得点率となってしまっています。

大問3はバームクーヘンの模様を基にして問題が作られているので一見とっつきやすく見えるのですが、全体の得点率が低いことからもわかるように難易度が高い問題でした。文字を使って式を作ったり、関数関係について調べたりする力が問われています。

大問4 は空間図形を的確に把握する力や(2)のような記述問題で数学的な考えを展開できるかどうかを問う問題でした。与えられた条件を基にして図形をとらえる力が必要となります。特にこの問題は空間図形を扱っているものなので、空間図形の辺や面の位置関係をとらえる力を養っておかないと正解は導きだせません。

数学は得点率が高い問題・低い問題の差が非常に大きいので、「出来る問題」は短時間で確実に正解を出し、得点率が低そうな問題の中で「これは正解できる」というものに時間を割き、その問題で他の受験生と差をつけることが大切です。

過去問だけでなく、数学の問題を解くときに心がけてほしいことを1つ。問題を解くときには「答えを出すまでの過程を丁寧に筋道を立てて考えて、採点者にもわかるように式や考え方を表現する」ということです。途中式や考え方を書く時はノートや問題集の端っこにチマチマと書くのではなく、ノートや要らない紙の裏などに大きく書くようにして途中式を丁寧に考えるようにしましょう。丁寧と言えば、途中の式だけでなく数字自体も丁寧に書くようにして問題を解くように心がけましょう。

残りは英語と理科となりました。明日以降引き続きご紹介してまいります。

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率③

2010年3月5日 金曜日

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①
大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②

に続くエントリーです。まだ上記2つをお読みになられていない方は、先にこれらをお読みになってからこの③をお読みいただくとよりわかりやすいと思います。

さて、今回は昨年の大阪府公立高校後期選抜で出題された5教科のうち「社会」にスポットをあてて、正答率や全体の傾向、これから試験までの間に行うべき対策についてご紹介したいと思います。昨年の得点率や無答率を小問ごとにグラフで紹介します(クリックすると拡大します)。

後

問題全体の特徴としては、地理・歴史・公民の3分野融合が図られている点と、表やグラフから問われている情報を読み取る問題がカギを握っている点、が印象的です。

前回の国語でもご紹介しましたように、記述問題での得点率の低さ、あるいは無答率(白紙で出した率)の高さが他を圧倒しています。2(3)②で「議院内閣制」について記述をする問題だけでなく、1(2)②「常任理事国」と2(4)③「世界人権宣言」という単純に「語句を書かせる問題」までもが低い得点率になっています。単純に語句を答えるだけの問題で点を落とすのは大変もったいないことです。

対策ポイントですが、まずは教科書に書かれている語句は漢字で書けるようにしておくこと、その語句の意味・内容を確実に覚えておくことが大切です。教科書の語句を覚えるときには、いらない紙に何度もその語句を書いて練習しながら意味を頭に入れましょう。

「議院内閣制」について説明する問題のような「記述問題」では、国語のエントリーでもご紹介したとおり「記述問題は『求められている内容を適切に表現する力』が必要」です。何について書けばいいのかを良く理解した上で、読み手(この場合は採点官)が読んで意味がわかるものを書かないといけません。その力を得るためには「毎日記述問題に取り組み、周りの人に文章を見てもらっておかしなところが無いか指摘してもらう」ことが効果的です。

ここまで国語・社会についてご紹介してきました。次回以降では残り英数理についてもご紹介していきます。

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率②

2010年3月4日 木曜日

大阪府公立高校 後期選抜 教科別平均点と小問別正答率①」の続きとなるエントリーになります。今回から5回に渡り、昨年の後期選抜入試問題の各教科の小問別正答率などをご紹介していこうと思います。

今回以降でご紹介していく表の中には、小問題ごとに次のデータが載せられています。

①全体の得点率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を正解したか
②評定平均値別の得点率・・・調査対象者を評定10~8・7~5・4~1の3段階に分けたそれぞれがその問題を正解した率
③無答率・・・調査対象者全員のうち何%がその問題を白紙にしたか

特に参考にしてほしいのが②のデータで、自分の評定平均や自分が受験する予定の高校で大体これぐらいの評定は必要だ、というようなものを考えて「3つのゾーンの中で自分はこのゾーンのデータを見ればいいのか」ということを決めてから見てほしいと思います。

③についても少し補足を。これは「白紙にして出した率」ですから、「答えを書いたけど間違えた」というものは省かれています(②で計算されています)。そこを間違えないようにしてください。

まずは、今回のエントリーでは国語についてご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

小問別正答率 国語

大問一の1・2や大問三の1・2のような「漢字の読み・書き」問題はどの評定段階でも高めの正解率となっています。特に評定が8以上の段階の方についてはどの問題も正解率100%に近いものになっていますので、漢字の問題は「出来て当たり前」と言いきってしまってもいいかもしれません。

文章の内容把握についての問題がたくさん出されましたが、大問一の5や大問三の5・6といった記号で選びだす問題の正解率が低い傾向にあります。書かれている文章の内容を正しく理解しながら文を読むようにしないと、得点には結びつかないでしょう。

国語で最も正解率が低いのが「記述の問題」です。昨年は大問一の4・6、大問二の2、大問三の4で記述の問題が出題されていますが、正解率自体も低いのですが、これらの問題を無答率(白紙で出した率)が低い問題で約6%、無答率が高い問題だと10人に約1人という状態です。

記述問題は「求められている内容を適切に表現する力」が必要なのはもちろんですが、先ほどもご紹介した「書かれている文章の内容を正しく理解する」ということも必要になります。

ここまでご紹介したとおり「内容把握」と「記述」で差がついていることがわかります。ここで点を取れるようであれば、他の受験生と大きく差をつけることが出来るということになります。特に「記述」に関して言うならば、国語で毎年出題されている「作文」も「記述」問題の一つであるととらえることができます。よって、ここから先は「記述」に絞って対策を進めるのも1つかもしれません。

記述ついては自分が書いた文章を塾の先生、あるいは周りの大人の方でもいいので必ず読んでもらい、字の間違いをチェックしてもらったり、自分が書いた文章で言いたいことが伝わっているかどうか、を聞いてみましょう。

作文では次のことに注意して書くようにすれば減点を大きく減らすことが可能です。

正しく原稿用紙を使って
与えられたテーマに沿った内容で
最初から最後まで内容に一貫性があって
誤字・脱字なく
270字から300字で

という5つです。

記述問題に取り組む時は、出来るだけ短時間で済ませることも忘れないようにしてください。そのためにはある程度の訓練が必要ですから、毎日記述対策に取り組むようにしましょう。