立命館中高 来年の入試に向けて

2010年6月16日 水曜日

先日のエントリー「立命館中高 長岡京市へ移転」では2013年9月に予定されている立命館中高のキャンパス移転についてご紹介したのですが、この記事のヒット数が非常に多く、立命館中高の注目度の高さを改めて実感しました。

さて、そんな注目を集める立命館中高が塾対象に説明会を実施下さいました。来年入試に向けてたくさんの情報を得ましたので、ご紹介いたします。

立命館中高 説明会

説明会が実施されたのは立命館の朱雀キャンパス内にある大ホールでした。この朱雀キャンパスは学校法人立命館の本部機能がある、まさに立命館の中心部となっている所のようです。

今回の説明会は、中高の取り組み・今年行われた入試の結果分析・来年度入試に向けての変更点など、についてご説明いただきました。

まず、中学入試の結果及び来年度入試についての情報です。

2007年度入試で一旦底を打ったかに見えた受験者数ですが、2010年度入試では前の年と比べて50%以下という受験者数になってしまっています。併設小学校の1期生が内部進学をすることで、外部からの募集定員が約220名から120名となったことが直接の原因となっているのは明らかです。ADCの募集人員は変わりませんでしたが、総合の募集人員が今春約90名減ったことでADC・総合ともに60名になり、総合の合格に必要となるレベルが上がると心配されていました。

入試における合格者最低得点率が昨年のラインを大幅に下回っているのも今年の特徴です。このことから、定員の減少によって特に「総合コースの合格に届くか届かないか?」といったギリギリのラインの受験者が減るかな?という事前の予想に反して、ふたを開けてみると成績上位層も受験を回避したことが分かります。

日程では前期、男女では女子の人数の落ち込みが激しくなっています。ただ、後期のADCの受験者数は相変わらず多くなっています。

立命館中では3科4科選択型の入試を導入していますが、「4科で受験してほしい」という思いから社会は内容的に配慮(基本問題が中心)したものになる予定、とされていました。今回行われた入試の理科と社会の合格者の平均点を比べてみますと、約16~20点(100点満点換算)違っており、事前の公約通りのものとなっています。

立命館中 来年度入試の情報です。

入試日程は1/15(土)及び16(日)と、従来通りの形とされました。

ただ、前期A(約40名)・B(約60名)とそれぞれで設定されていた募集人数が、2011年度入試より「前期A・B合わせて約100名」という形に改められます。「優遇入試」である前期Aで多く合格を出して前期Bでは合格者を絞るんじゃないか?と懸念されますが、これまで通りの人数で合格を出す予定にしている、とのことでしたので、安心して良いでしょう。

続いて、高校の方もご紹介いたします。

今年の入試での状況ですが、推薦入試は2008年度をピークに志願者数が減っているのが気になります。推薦は今春も昨年並みの志願者数となっており、少なかった感があります。専願の受験状況については隔年現象の典型的なパターンとなっていて、今春は去年と比べて大きく増加した年でした。併願は各府県の公立トップ校の併願先として定着した印象があります。前後期それぞれの併願先は次のようになっています。

前期:膳所、堀川(探究)、嵯峨野(こすもす)、西京(EP)、桃山(自然科学) など
後期:大手前、堀川、膳所、茨木、洛南(Ⅲ類)、西京(EP)、北野、嵯峨野(こすもす)
京教大附属、四條畷、桃山(自然科学) など

前期では膳所及び京都府内御三家との併願者が全体の2/3を占めているらしいです。一方で後期では、大阪府下から多数受験していることが分かりますね。

しかしこの併願なのですが、併願者の合格率(受験者ベース)は前期で76.9%、後期で68.6%となっていて、大阪府下の私立高と比べると少し低い合格率となっているのが気になります。立命館高を併願で受験することを考えている受験生はその点の覚悟が必要です。

なお、高校入試においてはコースや日程に大きな変更点はないようです。

2013年9月に予定されている長岡京市へのキャンパス移転についても少しご紹介がありましたが、こちらについてはまた次回のエントリーでご紹介いたします。

洛北高等学校附属中 京大合格者数大躍進の秘密

2010年6月15日 火曜日

今春、大学合格実績において大きな飛躍を遂げた1校として洛北高がいろいろなメディアに取り上げられています。

昨年は京都大合格者数はゼロだったところ、中学校1期生卒業を迎えた今年は13名も合格をさせています。そのうち、なんと11名が中学1期生である中高一貫生が占めている、ということです。

中学設置初年度の生徒たちからいきなり合格実績を飛躍させた、という点においては先日「西京高等学校附属中 1期生の卒業を受けて」でご紹介した通り、西京高等学校附属中も同じことが起きています。

西京高等学校附属中での取り組みは先にご紹介しましたが、では洛北高等学校附属中では一体どんな取り組みが行われているのか?それを調べに、今回は保護者・生徒対象の説明会に参加してまいりました。

洛北高等学校附属中 外観

非常に天気の良い土曜日の午後、洛北高の体育館で説明会が行われました。

洛北高等学校附属中 説明会会場

当日は土曜日1日で3回説明会が行われました。学校側の発表によりますと、3回の説明会で2450名の参加が予定されている、とのことでした。私が参加した回も、およそ800名の方々が体育館を埋め尽くしておりました。

まず、洛北高等学校附属中では6年間を3つの期間に分けて教育活動を行い、高校入学組とはクラスは混ぜないスタンスとされています。

中1・2「基礎期」
小学校までの学習をもとに各教科の専門的知識の基礎を固め、さらなる学習の楽しさ、興味を発見する。5科と保健体育は少人数授業を展開。

中3・高1「充実期」
中・高の授業内容を再構成し、発展的な学習へステップアップするためのオールラウンドな力を身につける。文系・理系コースの選択準備。

高2・3「発展期」
興味・関心や進路希望に応じた科目を選択して、発展的学習を行い、進路実現に備える。進路を見据えた発展学習+文系・理系いずれにも対応。

英数国理社5科の場合、各学年とも40名2クラスをⅠ講座27名、Ⅱ講座27名、Ⅲ講座26名の3分割とする少人数授業を展開することで、きめ細かな指導で意欲を高め、基礎・基本の徹底や学力・体力の向上を図ることが目されています。

そして、年間授業時数も地域の公立中よりも多く確保されているのも特徴です。公立中では年間980時である一方、洛北中では年間1155時と公立中よりも年間175時多く確保されています。また、新学習指導要領下でも公立中よりも年間140時多く、3年間合計で420時も多く確保されています。多い授業時間数を確保出来ているので、中学時点で高校内容に入ることになっています。

特色ある教育内容として挙げられるのが、「洛北サイエンス」という同校独自の教科。これは、高校でも継続実施されます。また、「総合的な学習の時間」を「発見・思考・表現」と題し、世界遺産・日本文化・海外研修などに充てられています。

その他には1コマ50分、2学期制、朝読書の実施ということも行われています。

さて、来年の入試についてです。

入試は1月中旬、面接と作文・製作が考査内容となり、それに小学校の通知表とほぼ同じ内容のものとなる報告書を加味して合否が決まります。合格者を決める際は、全受験者から上記3点を総合的に判断して「入学候補者92名」を選定、その中から特に上位に位置する47名を無抽選で合格とし、残った45名から抽選によって33名の合格者を決める、という形になっています。

なお、来年の入試についての詳しい情報は、11月の説明会で説明して下さる、とのことでしたので、同校を志望の方は必ず参加してください。

大谷中 コース制変更+「特別専願」制 設置

2010年6月14日 月曜日

大阪府の私立女子中を代表する1校である大谷中が、2011年度入試において大きく改革をされることが判明しました。

コース制を変更するとともに、募集定員にも変更が生じます。

医歯薬系への進学を目指す医進コースを35名×2クラスの募集とし、定員が倍になります。

特進コースは多様な生徒たちの個性を充分に活かすことが出来るよう、特進Ⅰと特進Ⅱへと改編されることになります。同時に英語コースが募集を停止することになります。定員は特進Ⅰで120人、特進Ⅱで80名が配分されていますが、特進Ⅰは従来の特進の位置づけ、特進Ⅱは従来の英語の位置づけ、と解釈すると特進Ⅰで40人の減少、特進Ⅱは昨年と同じ人数、となっています。

なお、特進Ⅱコースの1次で「特別専願」なる制度が設けられることになりました。これは、「特別専願」での受験生は合否判定の際に優遇措置を受けることができるもので、これで受験された受験生に限っては「個別面接試験」が課されます(他はグループ面接)。他のコースあるいは特進Ⅱを併願で受験した方たちよりも早く合格発表・入学手続きが行われる点も特徴です。

入試科目などとも合わせて募集要項を以下にまとめました。

大谷中 2011年度募集要項

入試日程ですが、1次については1/15(土)での実施が決定していますが、2次A・Bについては現在日程を検討されています。それら入試日程やその他を含む募集要項の詳細については7月下旬に決まる予定、とのことですので、続報を待ちたいと思います。

いろいろなところで進路講演をしています

2010年6月11日 金曜日

約2ヶ月前のエントリー「いろいろなところで入試情報をご提供しています」では、年明け~2月までの間に各種新聞などから受けました入試に関する取材や、高校での進路指導集会に呼ばれて進路指導講演を行ったこと、などをご紹介いたしました。

それ以降も、大学の合同説明会での進路・受験勉強相談コーナー担当として、高校での進路講演会での講師として、開成グループ入試対策課はいろいろなところからお声かけいただいています。今回のエントリーでは、それらの活動についてご紹介させていただきたいと思います。

①滋賀県立安曇川高等学校 進路講演会
滋賀県立安曇川高で行われた高1~3生の保護者対象の進路講演会にお招きいただき、大学入試に関する講演会を行ってまいりました。

安曇川高 外観

当日は土曜日の午後ということもあり、生徒の数はまばらでした。吹奏楽部の部員数名が来る大会に向けて校庭で練習をしていました。1つのことに仲間が一丸となって頑張っている姿は、いつ見ても素晴らしいものです。

進路講演会の様子

さて、進路講演会の方はといいますと、午後2時から約1時間、同校の視聴覚室にて約150名の保護者の方々を対象にお話をさせていただきました。「大学入試の仕組み」、「近年の大学入試傾向」、さらに「入試に向けたご家庭での有効なアドバイス」等というテーマで解説し、出来るだけ高校生のお子様をお持ちの保護者の方々にとって役立つものになるよう、「開成グループ入試対策課オリジナル資料」を使ってご説明いたしました。

②合同説明会での「受験対策コーナー」
続いて、5月末には一部の高校を限定にした合同説明会で開成グループ入試対策課が「受験対策コーナー」の担当としてお邪魔しました。

合同説明会

新大阪で行われたこのイベントは大学・短大・専門学校がそろっており、大学進学だけでなく様々な方面の進路を考えている受験生たちが集まるものでした。

受験対策コーナー

そんな中「受験対策コーナー」としてブースを出させていただいたのですが、当日は上位の大学を目指す子、自分の夢を実現させるために一番近道になると思われる学校を探す子、クラブと勉強の両立を目指す子、などなど様々なご相談に乗らせてもらいました。

③進路応援PROJECT「私立大学進学説明会」での「受験勉強相談コーナー」
こちらのエントリー「32th私立大学展「進路応援PROJECT」相談コーナーで出ます」でご紹介したものです。

この進路応援PROJECT「私立大学進学説明会」は5月末~6月中旬にかけて京都・大阪・神戸の3会場にて実施されます。私立大学67校が一堂に会する進学説明会として、今年で32回目の開催を迎える大変大きく・歴史のあるイベントです。

京都会場の様子①

そのイベントで開成グループ入試対策課は「受験勉強相談コーナー」を開設し、大変多くの受験生たちから様々なご相談を受けました。個別指導学院フリーステップと代ゼミサテライン予備校のスタッフなど、開成グループの精鋭たちを集めてご対応いたしました。

京都会場の様子②

この記事を書いている時点では京都と大阪の2会場でのイベントが終了していますが、会場で見かけるのは男子生徒よりも女子生徒の方が圧倒的に多いのが特徴です。男子の受験生!進路決定に関しての動き出しは確実に女子よりも遅いですよ!目標を明確にするためにも、今すぐ志望校の情報集めを始めましょう!

大阪会場の様子①

そしてもう1つの特徴としては、保護者の方の参加が全来場者の約半分ぐらいを占めているという点です。中には、受験生本人よりも保護者の方が熱心に大学の先生方へ質問をしている、という光景も見られます。受験生の皆さん、大学へ行くのはあなた自身です。大学進学をもっともっと「自分のこと」として考えるようにしましょう。

大阪会場の様子②

大阪会場での相談ブースでは、上の写真のように本当にたくさんの方々にお越しいただきました。今後の受験勉強や将来の進路選びに役立つ情報をご提供できましたでしょうか?

今後もお呼びがかかれば各校・説明会などに出向いて進路相談を承ってまいります。どこかで「開成」の文字をお見かけしたら、ぜひ声をかけてください!

初芝立命館高 校地移転とコース制変更

2010年6月10日 木曜日

立命館大との提携とそれによる立命館コース設置で話題となった初芝立命館について今回はご紹介いたします。

同中高は南海高野線を挟んで中・高のキャンパスが異なる場所にあります。高校については初芝駅から徒歩すぐのところ、中学校は北野田駅から徒歩20分弱もしくはスクールバスで5分程度のところに位置します。特に中学校のキャンパスは桃山学院大が1990年代半ばまで使っていたキャンパスを譲り受けたものなので、広いキャンパスであるだけでなくチャペルが残っているなど、当時の様子をうかがわせるものがいくつか残っています。

中⇒高の進学時にキャンパスが変わる、ということについては以前から学内でのいろいろな議論や外部からの指摘があったようです。前述のとおり、中学校のキャンパスは元々大学が使用していたぐらいの広さですから、高校をそっくりそのまま移転させることが出来るぐらいは充分可能ではあるようなのですが、何せ駅から歩いて20分弱、スクールバスを出すといっても中・高すべての生徒を運ぶためには気の遠くなるようなバスの数・運行スケジュールが必要となる、など通学面での問題がありました。

また、初芝高が現在ある初芝駅近辺の住民の方々などから移転を惜しむ声があがっていることも予想されるところではあります。

しかし、2011年4月よりいよいよ高校が中学校のキャンパスに移転することとなりました。しかも、高校生の校舎は現在新しいものを建設中とのことです。

この新しい校舎、「屋上緑化」「バルコニー緑化」「太陽光発電装置付外灯」「屋上太陽光発電」「地中熱を利用した自然換気」といった先進の環境テクノロジーを使った、まさに「エコキャンパス」と呼ぶにふさわしいものとなっています。

この新しいキャンパスで中高一貫教育の更なる充実が図られることになるのですが、それと同時に、高校の来年度入試においても大きな変更点が発表されています。

これまでは「立命館コース240名募集・グローバルコース120名募集・体育科40名募集」の3コース体制だったのですが、来年よりグローバルコースをSとAに2分割されることになっています。

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初芝立命館高 募集人員

立命館コース:240名
グローバルコースS:40名 New
⇒ 国公立大・難関私大への現役進学を目指す選抜クラス
グローバルコースA:80名 New
⇒ 有名私立大への現役進学を目指す進学クラス
体育科:40名

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なお、この変更に伴ってこれまでグローバルコースに確保されていた立命館大への特別進学枠が無くなることになります。しかし、指定校推薦枠での進学は引き続き可能となりますので、その点についてはご安心いただけると思います。

7月から順次説明会が開催されますので、そちらでは各コースの詳しい内容や前述のキャンパス移転・新校舎についてのお話が聞けるでしょう。以下の日程で実施されます(クリックすると拡大します)。

初芝立命館高 入試イベント

ぜひ一度足をお運びください。

追手門学院大手前中 「先取り学習をしない」一貫校

2010年6月9日 水曜日

追手門学院大手前中高の塾対象説明会に参加してきましたので、ご紹介いたします。

追手門学院大手前中高 説明会会場

説明会は追手門学院創立120周年を記念して設立された総合文化施設である「大阪城スクエア」内にある大手前ホールにて行われました。300名ほどが収容可能かと思われるこの会場がほとんど満席の状態でした。

今回は、特に中学校での取り組みや入試情報についてお伝えしたいと思います。

「中学課程の学びが大学受験の礎」というモットーの下、中学の間は特に国語力強化に向けて様々な指導をされておられるという点と、安易に先取り学習を行わず生徒の定着に主眼を置いた学習指導を展開されている、という2点がこの学校の大きな特徴です。

中高一貫校の常套手段といえば「中高内容を5年(程度)で終了し、高3の1年間(程度)は演習に当てる」という物ですが、ここ追手門学院大手前中では中学課程については3年間かけ(=公立中学と同じ進度)、後ほどご紹介する「考査後定着補習」や勉強合宿なども交えてじっくりと消化した後、高校課程を2年4ヶ月で終えて高3夏休み以降を演習期間としている点が大きな特徴です。

この「安易に先取りしない」という部分をもう少し補足しますと、英語・数学・国語については公立の2倍の時間数を確保されているのですが、「スピードを2倍にするのではなく、密度を2倍にする」という発想で豊富な授業時間をあえて公立とほぼ同じスピードで授業を進めることで、より深いところまで学習を進めるようにしておられます。

勉強合宿も変わっており、中1の1学期に実施する合宿では授業は一切実施しない「オール自習」の合宿を5泊6日で実施し、「自学習の基礎・基本を定着させる」事に注力されておられます。

「考査後定着補習」についてです。これは、中学生全員が定期テスト後すぐに各教科それぞれのレベルに応じた補習に参加することが義務付けられている、というものです。「テストを受ける前後が一番賢いから、その時期を狙って徹底的に叩き込む」というお考えなのでしょう。全員参加いうことですから、例え高得点の生徒であっても逃げられない、ということになります。「わからないことを残したまま次に進むことを許さない」という徹底した姿勢です。

また、学習に関するユニークな取り組みとしては「大学受験自習クラブ」というものを昨年度から設置されており、「学校が無い日を活動日」として東大・京大・阪大を目指して勉強を頑張る生徒たちの集いの場を作られています。学校の先生方によりますと、現在高3生の生徒には非常に大きな手ごたえを感じられているようですので、来年の大学合格実績が楽しみです。

さて、来年の入試に向けての情報についてご紹介しましょう。

これまで定員割れとは無縁だった同校ですが、今年の入試ばかりは上手くいかなく、一言で言うと「かなり厳しい入試」となりました。学校そのものの魅力どうこうということではなく、単に他校の合格ラインが大きくダウンしているので受験生がそちらに流れてしまっている、というのが正しい見方であると確信しています。

来年の受験者数増を実現させるために一人でも多くの受験生・保護者に来校していただこうと、来年の入試に向けた学校説明会の回数を昨年の倍である8回実施されることが決まっています。巻き返しにむけての意気込みを感じます。詳しい日程などは以下の通りです(クリックすると拡大します)。

追手門学院大手前中 入試イベント

気になる入試日程などについでですが、まず入試科目についてはこれまで通りの形を予定されておられる、とご説明くださいました。

今春、4回目の入試となる「D日程」なるものを急きょ設置されましたが、2011年度ではそれをあらかじめ設置してこれまで3回だった入試を4回入試と改めることが検討されているようです。なお、入試日程についても同じく検討中とのことですが、A・B日程を連続日程にする可能性もある、ということが発表されました。

今年の新しい取り組みとして「ペーパープレテスト」というものを企画されておられます。「通信添削式のプレテスト」で、答案を学校に送付すれば、学習のアドバイスなどが掲載されている成績帳票が返送されてくる、というもののようです。8月ごろより案内が始まるそうで、問題については学校HPからダウンロードも出来るようにしていただける予定だそうです。こちらも注目です。

プレテストについても引き続き実施されますが、今年は11月6日(土)となっています。過去に好評であったにもかかわらずここ数年は実施されてなかった「プレテスト後の個別学習アドバイス会」ですが、今年は復活します!プレテストの問題と受験生本人の答案用紙を基にして学校の先生が受験生一人一人の弱点を個別に指摘し、本番までの学習アドバイスをして下さるもので、11月20日(土)と21日(日)に実施されることが決まっています。

私立中高一貫校の取り組みとしては他校と一線を画すものが多数ある追手門大手前中高。ご紹介しているうちに今回のエントリーは非常に長いものになってしまいました。今回ばかりは文章だけでは伝わらない部分が多く感じますので、ぜひ9月以降に8回予定されている学校説明会に足をお運びいただき、学校の先生方から直接お話を伺ってください。

関西大学中高 今春入試を振り返って

2010年6月8日 火曜日

関西大学中高の塾対象説明会が行われましたので、ご報告いたします。なお、先日のエントリー「関西大学 高槻ミューズキャンパス 行ってきました!」では新キャンパスの様子ならびに開校記念式典の様子をご紹介していますので、そちらも合わせてご一読ください。

関西大学中高 説明会

今回の説明会は、今春行われた入試の結果と入学した生徒たちの様子をお教えいただくことがメインでした。

まず、中学校の方からご紹介していきましょう。

今春入試においては、特にB日程での不合格の多さ・追加合格による混乱がありましたので、それについて少しお話がありました。B日程受験者の併願先として、男子は洛星・高槻・六甲、女子は四天王寺・神戸海星といったところを挙げられておられたことからも、B日程では相当レベルが高い(ss65以上)受験生が大量に受験してきたことが原因となっているようです。

ここからは説明会でおっしゃられた内容ではないことを前置きした上で申しますと、そういった受験生たちは当然合格ラインに到達しますが、初日・2日目で他校を合格しているケースが多く結局は関西大学中への入学には至らず、それにより同校は結局一旦引いた合格ラインから大幅に下げて追加合格を出さざるを得ず、結果として混乱が起こったのではないかな?と推測しています。

また、今回の入試と五ツ木駸々堂模試との相関に関するデータについても公表いただきました。A日程ではss57、B日程ではss62が合格者のおおよそのラインとされており、AとBでは5ポイントの開きが出ただけでなく、B日程は当初の予想を大きく上回る合格者のラインとなっているのが驚きです。

さて、科目別平均点が発表されておりましたが、科目間でばらつきがあるものの4教科総合においては学校側が当初目していた「平均60~65%」というレンジにほぼ収まっているのが特徴です。昨年秋に配布された「出題の狙い」で記載されていた「思考力・記述力を問う」という内容通りの出題内容だったようです。

続いて、高校入試についてもご紹介いたします。

専願126名・併願81名を集め、最終的には男子67名・女子63名が入学しました。公立高校無償化による公立高校人気である一方で同高は授業料が年間100万近くかかるというハンデがある上、定員増加による公立の倍率低下という逆境の中、新設1年目としてはよく集まったと分析しています。

科目別平均点についても発表されましたが、英語の平均点が他の4科と比べて著しく低くなっており、「受験生が充分に慣れていない記述型の問題が多かったから」と分析されていました。来年受験予定の方は、英語の過去問を解く際にこの点を覚えておきましょう。

大阪府以外からの受験者数は、京都府23名・兵庫県24名・滋賀県9名・他1名となっていることも発表されました。兵庫県からの受験者数が京都府とほぼ同数、ということが驚きです。

気になるレベルですが、学校側の集計によりますと専願でss58程度、併願ならss60は超えないと合格は難しかったようです。

さて、説明会の後に校舎内をご案内いただいたのですが、写真はNGとのことでしたので、残念ながらそちらの様子はお伝え出来ません。代わりと言っては何ですが、ミューズキャンパスの食堂のディスプレイを一枚撮ってきました。

ミューズC 食堂

「いかにも大学の食堂」といった感じです。「この食堂は中高生も利用できるのですか?」と食堂の方にお伺いしますと「はい、でも中学生は給食です。」と言われていました。

中学生は給食なのでともかくとして、高校生が大学生が利用するこのような恵まれた所で食事が出来るなんて・・・。非常にうらやましい学生生活です。

雲雀丘学園中高 入試変更点

2010年6月7日 月曜日

先日のエントリー「雲雀丘学園 高校新校舎完成!」では新校舎内の様子をご紹介いたしました。同日には、中高の今春入試結果、大学合格実績、来年度入試に向けての変更点などが発表になりました。今回のエントリーでは、それらについてご紹介いたします。

雲雀丘学園 線路沿い方向から

阪急線沿いから撮った校舎の写真です。高校新校舎はもう少し奥に行ったところにあります。

雲雀丘学園 説明会会場

説明会は中央棟内にある学園記念講堂で行われました。約1000席ある、非常に大きく立派なホールです。

さて、中学・高校それぞれの入試における変更点をご紹介いたします。まずは中学入試です。

入試日程で大きな変更があります。2011年度では1/15(土)、1/16(日)の2回に関しては例年通りの位置取りとされますが、3回目入試を1/19(水)へ移動させ、従来より2日間前倒しをして実施することになります。

現在、一般的な傾向として中学入試は統一解禁日から4日間で終息する(5日目以降では受験者が大きく減る)ことを踏まえて、出来るだけその状況に近づけた形となっています。

続いては高校入試における変更点です。こちらは、コース制に大きな変更が生じています。

これまでの特進Ⅰと特進Ⅱそれぞれのコースを統合して「特進」とすることが発表されました。カリキュラム内容はこれまでの「特進Ⅱ(京大・阪大・神大・大阪市大などの難関国公立大を目指す)」ものとして運営されます。70名の募集です。

今春、3コース制導入後初の卒業を迎えた雲雀丘学園高ですが、国公立大合格者数が前年25名から50名へと倍増しています。また、今春卒業した生徒と比較すると、現高3生の方がss60以上をマークしている人数が多く、来年も実績としては大きく期待できる、ということもあるのでしょう。大きく「国公立大へ進学する生徒が通う学校」として地域から認知されることを目指したコース改編です。

着々と進学校への階段を昇る反面、先日お伝えした新校舎では現代にマッチした教育内容を提供できるように配慮されています。

来年の入試でも人気になることが予想されます。

進路・職業選びに必要な能力とは?②

2010年6月4日 金曜日

進路・職業選びの段階で身につけておいて欲しい力、についてお伝えしているこのシリーズ。これまでお送りしてきたのは以下の2つのエントリーです。

将来を真剣に考えて進路選びを~七五三問題~
進路・職業選びに必要な能力とは?①

今回は、様々な人間がいろいろな地域から集まる「大学」や「社会」といった広い世界に飛び込んだ時に人間関係をスムーズに上手く構築出来るよう、若いうちから準備しておいてほしいことを整理してみたいと思います。

前回と同じく国立教育政策研究所生徒指導研究センターが作成した「児童生徒の職業観・勤労観を育む教育の推進に関する調査研究」という文書から該当部分を抜粋してご紹介します(クリックすると拡大します)。

人間関係形成能力

それぞれの教育段階に応じて身につけておくべき能力や態度が、具体的かつ段階的に示されていることがお分かりいただけると思います。

初期段階である小学校高学年では「自分の長所・短所を知る」ことが真っ先に挙げられています。その後、中学生ではもう少し突っ込んだ形で自分の個性を認識し、高校生になると自分の個性の中でどういった部分を伸ばしていくのか?どの部分を活かして職業を選ぶのか?といったところにまで発展させるのが理想的な流れとなっているようです。

まずは「自分の良いところ・悪いところ」を客観的に理解すること。これがすべてに通ずる第一歩とされています。

とある小学校では、教室の背面に生徒一人一人のポートフォリオを掲示し、そこに生徒たちが自由にコメントを書きこみあうことで、友達たちから見た自分の良いところなどを自覚させるだけでなく、友達の他人を見る見方を参考にさせることもでき、何よりも「人から見た自分」を意識させて普段の行動に落としこませる、ということに取り組まれています。

自分自身を知るのと同時に、自分の周りにいる人間の良いところ・悪いところを受け入れて、それを「個性」や「ユニークさ」としてとらえて受け入れることも必要になってきます。お互い認め合って大切にする、ということですね。それについても初期段階から意識させるべきであることが上の表で示されています。

インターネット、携帯電話・・・。現代はITの時代、といわれて久しくなりました。

人間同士が直接接触する機会が減っている分、一見すると人間関係が希薄になってきているようにも思えますが、コミュニケーションの手段自体は異なるものの、より多くの人たちと信頼を伴う人間関係を構築出来るかどうか、が今後の人生を大きく左右することにはなんら変わりはありません。

将来社会に出た時に適切な人間関係を構築できる人間でいられるよう、上の表を見て自分が出来ていないところから取り組んでいってはいかがでしょうか?

次のエントリーでは、現代に生きる者として必要不可欠な「情報活用能力」についてお話します。

雲雀丘学園 高校新校舎完成!

2010年6月4日 金曜日

60周年記念事業の目玉として建設が進められていた雲雀丘学園の高校新校舎がこの度無事竣工を迎えられました。今回、塾対象の説明会で校舎内を見学させていただきましたのでご紹介いたします。

新校舎 外観

右側の建物が新校舎です。コンセプトを「環境と調和」「教育スペースの充実」とされており、自然採光・通風が無理のないかたちで得られるように、また「太陽光発電」「屋上緑化」「雨水利用」「LED照明」といった環境問題を意識した設備をそろえておられます。

廊下

廊下の様子です。電灯がついていますが、太陽の光がきっちりと入ってくるのでフラッシュをたかなくても充分明るい写真が撮れました。

理科(生物)教室

理科(生物)教室で電子黒板のデモンストレーションをしてくださっている様子です。動画を流したり、静止画像に手元のペンで書き込んだりといったことが出来るようです。

書道教室

書道教室にも手元を映し出すカメラ+モニターが設置されています。

普通教室 生徒用机・イス

普通教室は今の子どもたちの体格に合わせてか、従来の60㎡ではなく73㎡という大きめのサイズに作られています。その普通教室に置かれている生徒用机とイスの画像が上になりますが、左側の机の上にはイスが乗せられています。掃除の際などは、この形でイスを机に乗せることが出来るように設計されているようです。

美術教室の机・イス

美術教室の机・イスの写真です。普通教室と同じ形でイスを乗せることができるのですが、美術作品を作る際には大きな机が良いだろう、ということで大きめの机が用意されています。

今回の新校舎最大の注目点である太陽光発電施設や屋上緑化・雨水利用などについては、今回見学出来ませんでしたが、パンフレットなどを見ている限りではこれらも大変素晴らしい設備となっています。

環境に配慮した校舎をお作りになられましたが、このことで校舎自体が生徒たちの「生きた教材」と成り得ます。

先に生きた人間たちが引き起こした「環境問題」。後世を生きる若者たちはこの問題を引き継がなければいけない運命にあります。雲雀丘学園の新校舎で日々環境問題と接する生徒たちの中から、環境問題の解決策を見出すことが出来る人材が現れることを願ってやみません。

なお、今回の説明会では来年の入試についての新情報も判明しています。そちらについては次回のエントリーでご紹介いたします。