四天王寺中の塾対象説明会にお邪魔してきました。
今春の大学合格実績についてご紹介しますと、東京大・京都大・大阪大・神戸大の合格者数合計は109名、そのうち66名が現役ということです。実に現役の4人に1人がこの4大学に合格している、という計算になります。
東京大・京都大合格者はすべて中学からの6年一貫生、大阪大・神戸大についても合格者のほとんどが6年一貫生が占めているという状況です。東京大や京都大はしんどいものの、高校からの入学者で大阪大や神戸大に合格する例は少ないながらもきちんと存在していることも合わせてアピールされていました。
さて、四天王寺といえばやはり国公立大 医学部医学科合格者数の多さが常に話題に上がりますが、この春の実績はどうだったでしょうか?
今年の国公立大 医学部医学科の合格者数は65名(防衛医科大の4名含む)で、日本で5位、近畿では灘に次いでの2位となる数となっています。国公立大医歯薬まで合格者数のカウントを広げると、93名にものぼります。
その反面、関関同立をはじめとする私立大合格者数が減っているのも目につきます。近年は国公立大志向が高くなっており私立大受験者自体がいない、とのことだそうで、私立大を受験する生徒たちの志望先の多くはやはり医歯薬系だそうです。
もう1つ、四天王寺での「私立大離れ」を象徴するお話としてお聞かせいただいたのが、指定校推薦枠の話題です。指定校推薦枠は91大学379名分確保しているそうですが、今春は22名(9%)しか枠を使っていない、ということだそうで、各大学にお詫びをしている状況のようです。「大学進学は自分の学力で!」という風潮が定着している証でしょう。
では、2011年度入試に関する情報をお伝えしていきたいと思います。
募集要項上は英数Ⅰで120名(1クラス40名で3クラス)とありますが、今春は英数Ⅰの合格者が236名いるなど、ここ数年は200名以上合格させている状態です。2011年度も200名(1クラス40名で5クラス)以上の合格を出す予定であることを発表されています。
注意点が1つあります。四天王寺中では面接試験が課されているのは周知の事実ですが、面接時間が14:20~15:20の組と15:20~16:20の組に分けられることになっています。この組分けですが、試験当日までどちらのグループになるかが分からないとのことです。四天王寺中の併願として大阪桐蔭中の初日午後入試をお考えになられている受験生は、場合によっては掛け持ちが不可能となる恐れがあります。注意が必要です。
大阪桐蔭中の初日午後入試についてはこちらのエントリー「大阪桐蔭中 前期入試を統一解禁日午後に実施!」で詳しくご紹介していますので、そちらも合わせてご確認ください。
その面接は5人1グループ、1グループ5分、過去に面接で不合格になった例は無いとのことなので、中身自体は安心して受けてもらえるものと思います。
各教科からの注意点も簡単にご紹介しておきましょう。
国語では、ハネは正確に書けていないと×とされます。
算数では、分度器の使用不可、約分のし忘れ以外の部分点はなし、などが注意点として挙げられています。
理科は「実験と実習」をしっかりと学習しておくようにアドバイスがありました。
社会では、教科書に漢字で記載されている人物・地名などは漢字指定が無くても漢字で書かなければ×とされるようです。
この春の入試では他校が軒並み受験者数ダウンのところ、前年+24名と増加した四天王寺中。年々成績下位層の受験者数が減り、代わりに中堅層が増えているようでもありますので、合格に必要なレベルも上昇しつつあるようです。
中学3学年の通学区域の構成は、大阪府67%、兵庫県14%、奈良県11%、京都府7%となっており、滋賀県、和歌山県、三重県といった遠方からの入学者もいるぐらい受験生から絶大な人気を誇る四天王寺中。来春入試の動向に注目です。