賢明学院中高 新たな50年に向けて

2010年10月20日 水曜日

賢明学院中高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

賢明学院中高 外観

ご覧のとおりのあいにくの天気の中、JR 上野芝駅から歩くこと15分で到着しました。南海 堺東駅からバスに乗るという選択肢もあります。

説明会 会場

大変立派なホールでの説明会でした。

賢明学院中高は女子校として歩んでこられた約50年の歴史がありますが、今春より共学校として再出発されています。説明会では、その新たな歴史の1歩目を刻んだ共学1期生の様子や、これから先の新しい50年のビジョンを語って下さいました。

賢明学院中高が進める「3つの充実」として、

①進路指導の充実
②「心」の教育の充実
③教育力の充実

を挙げておられます。

中学は近大医薬系進学コース、総合進学コースの2コース体制ですが、高校にはこれら2つのコースに加えて近大系属コースがあり、全部で3コース体制となっています。

ちなみに、中学からの内部進学生で高校進学時に近大医薬系進学コースを希望する際は、形式的ではあるものの高校入試を受験してもらっている、とのことです。

コース間の移動についてですが、中学3年間は毎学年進級時にコース間移動が可能ですが、高校になりますと高2進級時のみコース間移動が可能となっています。

また、高2より近大系属コースのみ文系・理系に分けられます。近大医薬系進学コースは「理系」ばかりが集まっていることはコース名からも明白ですから文理分けは不要なのですが、総合進学コースは文理分けせずに5教科対応としている点が注意点です。

細かい変更点としては、今年度より45分授業を導入することで授業に対する集中力を高め、学習内容の理解度や定着度を高めることを狙われています。

また、朝礼後および終礼後の各15分間を基礎学力定着のための反復学習中心の時間として活用されています。こういった細かい積み重ねが後々でじわっと効いてくることでしょう。

大学合格実績や進路指導体制はどうなっているのでしょうか?

今春は特に同志社女子・京都女子・甲南女子・神戸女学院・武庫川女子の有名5女子大の進学率が53%と高い水準だったようです。これら5大学の進学率は一昨年18%→昨年56%と推移しています。

他には、国公立大2%(昨年7%)、関関同立10%(昨年26%)、産近甲龍10%(昨年11%)といった進学率になっており、特に国公立大と関関同立での落ち込みが目立ちます。

賢明学院中高は、中学・高校それぞれのコース名にもありますとおり、近畿大とのパートナーシップ協定を結んでおられます。これにより、近畿大の附属高と同基準での近畿大への進学が可能となっています。各学部(医学部除く)に設定された基準を クリアすることによって推薦されますが、各学部ともに決められた人数枠があります。近畿大への内部進学は「高3の1学期までの評定平均値+マーク模試(6月・9月)の偏差値」の値で決定されます。

この他にも高大連携による特別推薦枠として、関西大のパイロット校枠が文・法・人間健康・総合情報の4学部各1名分あります。また、カトリック系大学の特別指定校推薦として上智大・南山大の枠があるのも特徴です。その他、大学・短大の指定校推薦枠として、2011年度実績で81大学・39短大の枠を持っておられます。

先ほどの大学合格実績の落ち込みが目立ちますが、その点は今後改善していくことを強調されておられました。今後の進路目標として、学校全体の国公立大合格者数20~30名、関関同立40名以上、産近甲龍70名以上(系属校進学含む)ということで、これらすべてで在籍生徒数の75%以上、近大医薬系進学コースからの医薬系大・学部進学は在籍生徒数の8割を目指す、と表明されていました。

賢明学院中高 外見②

中学入試の変更点は、全ての日程で社会も選択可能という形になることが挙げられます。また、入試科目を見てみますと、総合進学コースは国+算or理or社の2科、という変則的な形で受験可能なことが目を引きます。算数がナシで受験可能、というのは特に女の子の受験生には大きなメリットになるのではないでしょうか。

高校入試では、近大医薬系進学コース以外は国英+数or理or社の3科、という、こちらも変則的な入試科目となっているのが特徴点です。

共学化によって新しい一歩を踏み出された賢明学院中高。共学化初回となる今春入試は予想以上の良い反響があり、今後の新しい50年を始めるにあたって幸先の良い船出となっています。来年度入試はどうなるでしょうか?