主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向③

2011年1月5日 水曜日

主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向②

に続くエントリーです。各私立大の今年の公募推薦入試結果を基にした「狙い目学部」「要注意学部」をご紹介しているシリーズですが、今回は近畿大の状況についてご紹介したいと思います。

こちらのエントリー「近畿大 入試結果と建築学部(新設)情報」でもご紹介しました通り、近畿大は2010年度入試で10万人を超える受験者を集めるなど、大変人気を博しました。

2011年度入試でもこの人気は続いているのか?新設される予定の建築学部の人気傾向はどのようになっているのか?大変気になることがたくさんあります。そこで、今回はより詳しく近畿大の状況について分析します。

まず、今年の公募推薦入試の受験・合格者数の状況について表にまとめました(クリックすると拡大します)。

近畿大 2011年度公募推薦入試状況

左側半分が文系学部と短期大学部について、右側半分が理系学部について、それぞれ志願者数と合格者数を掲載しています。昨年の公募推薦入試のデータと、それと今年のものとを比較しての対前年比も合わせて掲載し、昨年からの増減がしっかりとわかるようにしています。

来春新設される建築学部の部分を黄色くしています。この学部は、これまで理工学部内に建築学科として存在していたこともありますので、昨年の公募推薦入試のデータと比較することが可能です。

学科から学部へ「昇格」したことにより、公募推薦入試の志願者数が206%、つまり2倍に膨れ上がっています。その反面、合格者数は昨年の約1.5倍に留まっていますので、その結果として倍率が上昇しています。この傾向は一般入試でも続くことが見込まれ、建築学部志願の皆さんは相当苦しい戦いになることが予想されます。

赤い色がついている学部として、文系の文芸学部と理系の理工学部があります。この2学部の共通点は「志願者が去年より増えたにもかかわらず、合格者数が去年よりも減らされている」ところです。つまり、倍率が大幅に上昇して合格しにくくなっているところになります。

緑の色がついている総合社会と産業理工の2学部は、先ほどの文芸と理工とは反対に「志願者数が減ったのに、合格者数が去年よりも増えている」ということで、倍率が大きく下がったことを示しています。

特にこの春新設されたばかりの総合社会学部は、去年の公募推薦入試では大変な人気となりましたので、今年は高い倍率になることを恐れた受験生たちによって敬遠されたようです。今回の公募推薦入試の志願者数を見て、大学側も「今年は早くから合格者を多くだしておいて入学者を確保しておかないと」と考えたのでしょうか、昨年の約1.3倍の合格者数が出されています。

何も色はつけていませんが、大きく人気を下げているのが法学部です。「主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向②」でもご紹介しましたが、法学部関連の話題は最近良いものがありません。不況の時こそ「資格志向」ということで真っ先に法学部が狙われるのですが、これまでご紹介した摂南大・京都産業大に続いて近畿大でも不人気となっています。

近畿大の法学部は志願者が減っている上に合格者も絞り込まれていますが、志願者の減りの方が厳しい状況ですから、倍率的には少し緩くなったようです。このまま行くと一般入試でも例年よりも入りやすくなると思われますので、狙い目であると言っていいでしょう。

さて、次回のエントリーでは主要女子大の状況についてご紹介したいと思います。