主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向④

2011年1月12日 水曜日

主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向①
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向②
主要私立大 公募推薦入試終了時点の人気動向③

に続くエントリーとなります。今年主要私立大で繰り広げられた公募推薦入試の志願者数や合格者数の増減などのデータを基にして、来る一般入試での「狙い目学部」や「要注意学部」を見つけ出すこのシリーズ。今回は同志社女子大・京都女子大の2大学について、情報をご紹介したいと思います。

まずは同志社女子大です。

ここ数年、長い間続いている不況とそれに伴う厳しい就職状況を受けて、受験生たちの間では「資格が取れる学問系統」が人気となっています。

同志社女子大では生活科学部の中にある食物栄養科学科 管理栄養士専攻を卒業すれば「管理栄養士」の国家試験受験資格を得ることができ、人気を博しています。

実はこの管理栄養士専攻ですが、全国的に見ても非常に高い合格実績を残しています。

この春に同志社女子大 生活科学部 食物栄養科学科 管理栄養士専攻を卒業した85名のうち、84名が管理栄養士試験を受験、82名が合格しています。全受験者の合格率が 32.2%となっている中で同志社女子大出身者の合格率は97.6%ということで、全国の管理栄養士養成施設(新卒)で4位という好成績となりました。

前述の「資格志向」に加えこの高い合格率も相まって、今年の同志社女子大の公募推薦入試では生活科学部 食物栄養科学科 管理栄養士専攻は非常に人気が高かったようです。一般入試でも高い倍率や合格最低点のアップが予想されるところですから、受験予定の方は万全の対策をもって受験に臨みましょう。

さて、この同志社女子大 生活科学部 食物栄養学科には管理栄養士受験資格を得ることが出来るこの「管理栄養士専攻」とは別に「食物科学専攻」というものもあります。こちらは管理栄養士受験資格を得ることが出来ない専攻、ということで例年は管理栄養士専攻と比べて倍率・難易度ともに手ごろに収まっているのですが、今年の公募推薦入試に関しては随分と人気になっているようです。大学の先生方も「資格が取れないのにどうして人気になっているのか、説明出来ない」ということでした。

同志社女子大では他に、1年間の留学が義務づけられている学芸学部 国際教養学科も人気が高いようです。

逆に人気が無くて「狙い目」と判断できる学部・学科としては、表象文化学部 日本語日本文学科が挙げられます。

続いて、京都女子大の情報です。

京都女子大は来年春に法学部を新設する予定になっています。「女子大初の法学部」ということで、どのような人気になっているのかが非常に気になる所ですが、公募推薦入試20名募集のところ、193名の受験者数が集まったようです。人気としては「そこそこだった」と言えます。

対して合格者数は85名ということでしたので、2.3倍ということになりました。発達教育学部や家政学部のような高倍率にならずほっとした受験生も多かったのではないでしょうか。

家政学部 食物栄養学科の受験者が増えています。今年から入試科目を変えたのが受験者数の増加につながったようです。これまでは「食物・栄養に関するテスト」ということで、家庭科的な内容の入試科目だったところ、今年からそれに加えて「生物」「化学」の3つのうちいずれか1つを選択する、という形に変更されました。これによってグッと受験しやすい形になった、というのが受験者数増加の要因のようです。

文学部と現代社会学部については少々人気が低いようです。特に、文学部は定員が増えたにも関わらず受験者数が減っていますが、これは昨年の公募推薦入試で大きく受験者数が増えたのを見た今年の受験生が「倍率が高くなりそうだから」ということで嫌ったから、と分析できます。

次回のエントリーでは、佛教大の公募推薦入試データを詳しくご紹介したいと思います。

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