大阪府高校入試 2011年度第2回進路希望調査結果①

2011年1月26日 水曜日

2011年1月21日(金)付の新聞各紙に、大阪府公立中学校長会が20日発表した府内の公立中学3年生を対象にした第2回進路希望調査(17日現在)の結果が掲載されました。

今年の大阪府の高校入試は、「私立高校無償化政策の拡大」と「公立高10校に文理学科を新設」という2つの大きな施策が行われることになっており、近年でもまれにみるほど話題が多い年となっています。

そこで、この第2回進路希望調査結果についての詳細な分析を、今回を含む全4回でお届けしたいと思います。今後の受験校選び、受験に向けての心構えに役立てて欲しいと思います。

さて、第1回目となる今回は、私立高の全体状況についてお伝えします。

大阪府が2010年春から実施している「私立高校無償化」のおかげで、昨年の入試である2010年度入試における私立高全体の専願率は前年より0.4%増の21.4%となったのは記憶に新しいところです。

実は、その兆候が昨年のこの第2回進路希望調査段階でも現れていました。1年前のエントリーとなるこちら「大阪府高校入試 第2回進路希望調査」でもお伝えしましたが、「私立高の「専願率」が前年度調査結果と比べて0.86ポイント増え、2003年度以来7年ぶりに上昇した」とあります。

では今年はどうなのか?ということですが、府内私立高を第1希望とする「専願者」の割合は22.29%となっており、昨年からなんと5.74ポイントもアップ、しかも過去10年で最高の値である上に、20%を超えるのはデータのある過去10年間では初めてのこと、というぐらい、私立高が人気を集めています。

その理由としては、何と言っても「私立高無償化の対象は現在府在住で府内の私立高校に通う生徒の2割にあたる年収350万円未満の世帯を対象としているが、2011年度から年収610万円未満まで拡大、府在住で府内の私立高校に通う生徒の約半数が無償化の恩恵を受けることになる」という点以外に思い当たるフシはありません。

今年を含む過去3年間の私立専願率(第2回進路希望調査時点)の推移は以下のようになります。

2009年度 15.69% → 2010年度 16.55% → 2011年度 22.29%

下の表では、今年の第2回調査結果を私立高希望者全体の数だけでなく、男子校・女子校・共学校それぞれの希望者数や昨年同時期の調査からの増減についてまとめています(クリックすると拡大します)。

第二回進路希望調査 私立高全体概況

男子校・女子校の希望者数合計は前年よりも減っていますが、専願者(つまり第1志望)が増えていることから、各校とも生徒募集上「ありがたい」状況になっていると思います。

共学校を見ますと、併願が減っているのは男子校・女子校と同じですが、それを補って更にお釣りがくるぐらいの専願者が増えているのが特徴です。やはり「共学校人気」であることは今年も変わらないようです。

次回のエントリーでは、私立高それぞれの状況を細かく見ていきたいと思います。どんな学校が人気を集めているのか?大変興味があります。お見逃しなく。