大学卒とその他学歴での給料・退職金の違い①

2011年2月4日 金曜日

これから大学受験に向けて頑張っていこうと思っている高校生の皆さんで「将来どんな仕事に就くのか?」や「これから先どんな人生にしたいか」についてはっきりと、明確な考えを持っている人は非常に少ないでしょう。次の4月に中学3年生になって、いよいよ高校入試を迎える皆さんにいたってはそんなことを真剣に考えたことすらもない、という人がほとんどだと思います。

今中学生・高校生である皆さんが現段階ではっきりと、例えば「将来は○○になるんだ」という具体的な職業名を決めておく必要は(決まっているに越したことはないのですが)必ずしもありません。

それよりも大切なのは、これから先自分が「なりたい!」と思った職業に就けたり、「こんな人生を送りたい」と思ったりした時に、それらが実現出来る環境に自分が居られるように今から頑張っておくことです。

これから先、皆さんに待っている「人生最大の選択」の一つとして、次の3つから進路を選ぶということがあります。

「高卒で社会に出る」
「短大・専門学校に進学する」
「大学に進学する」

この3つが今後の皆さんの人生を分ける大きな「分岐点」と成り得ます。特に大きな分かれ目となるのが、卒業後に社会へ出た後の「お給料」の面です。

今回から数回に渡り、中高生の皆さんが大切な進路を決める前に必ず知っておいて欲しいことを、特にお給料などの「お金」の面に絞り、順を追ってご紹介したいと思います。

今回は、高校・短大・大学などを卒業して会社に雇われて初めて受け取るお給料、つまり「初任給」についてご紹介しましょう。

下のグラフでは、高校卒・高専短大卒・大学卒それぞれの過去10年間の初任給の額をグラフ化したものです。出典は厚生労働省発行の「平成22年賃金構造基本統計調査結果(初任給)」です(クリックすると拡大します)。

学歴別初任給推移(男女計)

ご覧のとおり、大学卒の初任給は20万円近くで推移しています。一方で高専短大卒は17万円前後、高校卒になると16万円にも届いていません。初任給時点で大学卒と高校卒でのお給料の差は実に4万円、年間にすると約50万円の差が出ます。

今回はご紹介していませんが、お給料でこれだけの差があるということは、ボーナスも大きな差があることが容易に予想できますね。そうすると、1年間のお給料・ボーナスの総額、いわゆる「年収」が全く違ってきます。

また、この状態が定年を迎えるまで続くわけですから、一生涯でもらえるお給料の総額の差は相当変わってくるでしょう。

ただ、学歴によってその先のお給料の額の上がり幅が異なっています。それについての詳しいことは次のエントリーでご紹介したいと思います。