新中3生 高校生活・大学入試を見据えた高校選びを

2011年3月18日 金曜日

センター試験 難易度別に2種類に分割?理科8科目化?」の続きとなるエントリーです。センター試験は2015年から理科が8科目になることと、2016年から難易度別に2種類に分割されること、について新聞記事を引用しながらご紹介しました。

今回のエントリーでは、これら大学入試センター試験の大きな変更点が大学入試に与える影響についての予想と、それに対して2015・16年に大学入試センター試験を迎える方々が今から準備しておくべきことをご紹介しておきたいと思います。

2015・16年に大学入試センター試験を受験する学年と言いますと、現在の中2・中1の方々に当たります。特に今中2の皆さんは今年の4月には中3、つまりは「受験学年」となります。実は、次に中3になることになる1996(H8)年生まれの方は、「これまで」と「これから」の学習内容、それから前述の通りの大学入試センター試験での大きな変更、これらにとても大きな影響を受けることになる、とても「不運な学年」なのです。

次の表は現在の学習指導要領と新指導要領への移行期間を、生まれた年に対応させた表です(クリックすると拡大します)。まずはこれで、新しく中3生になる皆さんがこれまで学んできたことやこれから学ぶものがどういうものなのか?を検証してみたいと思います。

学習指導要領が与える影響

2002(H14)年から始まった現在の学習指導要領(通称 ゆとり教育)の期間は黒地に白抜き文字で、新指導要領への移行期間を青地に黒い字で、それぞれ示しています。また、今年4月から中3生になる学年については赤い枠で囲っています。

新学習指導要領が実施予定とされている年度と、移行措置開始年度は次の通りです。

小学校:2011年度から(2009年度より新学習指導要領の一部が先行実施)
中学校:2012年度から(2009年度より新学習指導要領の一部が先行実施)
高校:2013年度から(2012年度より理科・数学など一部から新学習指導要領を先行実施)

上の表によると、1996(H8)年生まれの学年は小学校6年間をゆとり教育の下で過ごし、中1から高3の6年間は新指導要領への移行期間という「ゆとり教育の揺り戻し」的な内容の中で学ぶことになります。しかも、そのうちの高校3年間は高校で初めての新指導要領実施(移行措置期間ではありますが)となりますので、各校でもいろいろと混乱が起こることが予想されます。

つまり、この春中3生になる皆さんは小学校~高校の12年間は新旧の学習指導要領に大きく振り回されることが運命づけられているのです。

さて、次に大学入試について話を移しましょう。

上の表内で示したとおり、1996(H8)生まれの皆さんが大学入試を迎える年である2015年には「センター試験 理科8科目化」が待ち受けています。また、その次の年である2016年には「センター試験が2種類に分割される予定」ともなっています。

このように、大きな変更が予定されている前の年の入試では、浪人してしまって翌年の新制度で入試を迎えるという「ややこしい」ことを避けるために、受験生が自分の持つ力と比べて比較的手堅く合格出来そうな大学を選ぶ、いわゆる「安全志向」となります。

今回の例では、「来年はセンター試験が2種類になるし、全ての教科・科目が新課程内容になるから面倒くさそう。何としても浪人だけは避けなければ!」ということで、現役合格にこだわって受ける大学の難易度を落とすことが予想されます。

次に中3になる皆さんが大学入試を迎える年には、いわゆるチャレンジ受験者が減少して、絶対に合格できる大学を志望する受験生が増えるでしょう。その結果、各大学の入試難易度がアップすることになるでしょう。

最後に、今年の春に中3になる皆さんにこれまで起こったことや今後待ち受けていることをまとめてみますと・・・

①小学校の間は「ゆとり教育」の下で育った
②高校の新学習指導要領の移行期間は混乱が予想される
③大学入試を迎える年には、センター試験の理科が8科目化される
④その③の翌年はセンター試験が難易度別に2分割される予定
⑤浪人することで④に巻き込まれるのはイヤなので、現役合格にこだわって受験校を下げる
⑥その⑤の結果、各大学のレベルが上がる

新中3生の皆さん、そしてその保護者の皆さん。

目の前に迫っている高校入試のことで頭がいっぱいでしょうけども、この機会に高校生活や大学入試のことも視野に入れた高校選びをするように心がけて欲しいと思います。

そのためには、早めから準備をしておくことが肝要です。特に開成教育グループは高校入試の対策はもちろんのこと、個別指導学院フリーステップを筆頭に大学入試についてもしっかりとしたサポートをご提供しています。

高校入試だけではなく、高校生活や大学入試も視野に入れた塾選び。新中3生にはこの点が重要になるでしょう。この機会に開成教育グループ各教室にお越し下さい。