意外と違う 進路についての高校生と保護者の認識①

2011年3月30日 水曜日

社団法人全国高等学校PTA連合会とリクルートは共同で進路に関する保護者と子どものコミュニケーションのあり方や、大人ができる高校生のよりよい進路選択へのサポートを探るために、全国の高校生をもつ保護者とその子どもに対してコミュニケーションの実態や進路観に関して調査をされています。

最新の調査結果がこの度公開されましたので早速見てみましたところ、進路に関する様々なデータの中に「高校生と保護者の間で認識の食い違いがあるぞ」と思われるところがいくつか見られました。

今回を含めた2回のエントリーで、高校生と保護者がお互いに考えていることを知ってもらうことで家庭内での円滑な進路決定に結び付くことを願って、進路選択の際に両者の衝突を招いているものと推測出来る大きな認識の違いについてご紹介したいと思います。

まずは、高校生の諸君が進路決定について誰(何)から影響を受けているのか、についてのアンケート結果(上位10個)をご紹介します。

高校生は何から影響を受けている?

「母親」が最多で、それに「父親」「友人」が続く形となっています。リクルートのページでは男女別の集計結果も掲載されていますが、男子は「父親」が「母親」と同率でトップとなっています。

母親・父親から影響を受ける、ということの理由としては「一番相談しているから」「働いている姿を見て尊敬した」など、態度や行動が影響しているようです。一方で、「父親に半強制で進路を決められる」という回答があるなど、父親が絶対的な力でもって息子・娘を従わせている、というケースもあるようです。高校生本人の意思を尊重した進路決定を心がけて欲しいところです。

さて、この結果を見て「なんだかんだ言ってもやっぱり父・母の影響は大きいんじゃないか」と喜ばれるのは早計です。頼りにされているからこそ、高校生たちの期待に応えることができるような的確なアドバイスをしてあげねばなりません。せっかく頼ってきたのに場違いな回答をしたり、ましてや「自分のことを全くわかってくれていない」ことが露見されるような回答をしたり、一番言われたくないことを口走ってしまったりすると、親子間に取り返しのつかない亀裂が生じかねません。

次回のエントリーでは、進路選択の段階で高校生と保護者の間で決定的な意識の差が出ている項目4つを取り上げ、核心に迫りたいと思います。