働いている人たちの満足度が高い職業って何?

2011年4月14日 木曜日

世の中には非常にたくさんの職業があります。

日本における主な職業分類体系としては、「日本標準職業分類」(総務省統計局)と「労働省編職業分類」(厚生労働省)の2種類があり、それぞれが異なる定義でもって山ほどある職業を分類しています。

後者の労働省編職業分類によりますと、約2万8千の職業名が収録されており、大分類9、中分類80、小分類379、細分類2,167と分類されています。

これから社会に出る皆さんはそんな中から1つを選び出して就職しなければいけません。今一生懸命受験勉強をしている皆さんも、近い将来にはこの選択をしなければならない時が来ます。

たくさんある職業の中から一体どれを選んだらいいかわからない・・・。

それなら、今実際に働いている人が山ほどいるのだから、その人たちに聞いたらいいじゃないか、ということで、今実際に働いている社会人800名を対象として「職業に対する満足度」を調査したというデータをご紹介し、これから社会に出ていく皆さんの職業選びの参考にしてもらおうと思います。

まず、その社会人800名が現在就いている職業に対しての満足度を「給与」「仕事内容」「就業環境」の3項目それぞれにおいて点数をつけてもらい、それを集計した結果をご紹介します(画像をクリックすると拡大します)。

仕事満足度の高い業種①

「給与」「仕事内容」「就業環境」それぞれの項目において、満足の高い方から順に上から業種を並べています。

給与満足度、仕事内容、就業環境の3つすべてにおいて1位だったのが「教育」でした。以下、3項目すべてで2位なのが「商社/流通」、同じくすべて3位なのが「医療/医薬」となっています。

当ブログ執筆者が教育業界で働いているからといってこのデータを紹介しているわけでもなく、当然データをいじくったわけでもありませんので、その点をまずお断りしておきたいと思います・・・。

さて、これを見た皆さんの中には「どうせ給料が高い業種が満足度が高くなっているんでしょ」とお思いになられた方もきっと多いでしょう。では、実際に給与が高い業種だと満足度も高くなっているのでしょうか?それについて検証してみたのが次の表です(画像をクリックすると拡大します)。

仕事満足度の高い業種②

上の表は平均年収が多い順に上から業種を並べ替え、それぞれの業種が各項目において何位なのか、を示しています。

「教育」は平均年収も高い上に、先にご紹介しましたとおりその他の項目すべてにおいても1位となっています。

「商社/流通」の平均年収は8位と低めのランキングである一方で給与満足度を始めとする3項目で2位になっています。同じ現象が「医療/医薬」の、平均年収が6位である一方で給与満足度を含め3つの項目で3位となっている、という点にも現れています。この2つの業種は年収は他と比べると高くないのですが、お給料自体には満足している様子です。

つまり、このことから「お給料が高い(安い)からといって、その職業の満足度が高く(低く)なるとは言いにくい」ことがわかります。

同じく、「小売/飲食」は10業種中で一番低い平均年収であるにもかかわらず、仕事内容と就業環境の両方において満足度4位、と高い位置にいます。

ここまでは「平均年収が低いけども、仕事満足度は高め」の業種をご紹介しましたが、逆のパターンである「平均年収は高いけど、満足度が低め」のものを拾い上げてみましょう。

平均年収2位の「金融」は仕事内容で10位、給与の満足度が4位となっています。今この業界におられる方々はどうやら「仕事内容には満足していないけども、給料が高いからその点は満足」と感じているようです。

「メディア/広告」は平均年収4位、これらの業種の中では比較的高めの平均年収となっています。しかしながらその年収の満足度は最下位、仕事内容は7位、就業環境でも最下位となっています。この業界で働く人たちから「他と比べたら年収は高い方かもしれないけども、仕事の中身と環境が悪い中で頑張っているんだから、もっとお給料をくれ!」という叫び声が聞こえるような気がします。

皆さんがあこがれていた職業の本当の姿、少しは見えましたでしょうか?「なんか、がっかりした」ということもあったかもしれませんが、これが今まさに働いている方々のホンネなのです。

これから進路を選ぶ皆さんには間違った選択をして欲しくありません。そのためには、世の中のいいところばかりではなく、目をそむけてしまいがちなつらい部分も含めて「現実」を見て選択をすべきです。

当ブログでは、これからもそんな「現実」を知ってもらえるようなデータや情報を手加減せずにご紹介していくつもりです。