公募推薦入試 評定平均値と合格率の関係は?①

2011年7月11日 月曜日

大学入試には実にいろいろな入試形態がありますが、その中でも今回は公募推薦入試について取り上げます。

公募推薦入試は、高校の成績がある一定以上のものを対象にして、入学試験・調査書・各種資格を点数化したりして合格者を決める入学試験です。関西地区のほとんどの大学で実施されており、募集人員も一般入試に次いで多い、というのが大きな特徴です。

指定校推薦入試と異なるのは、要件を満たしていればほとんどの高校の生徒が受験出来る、という点です。国公立大の公募制推薦は定員枠も少なく、出願条件とされる評定平均値が4.0以上と高めでセンター試験の受験が必須の場合もありますが、私立大の推薦入試の場合、成績(評定・調査書)についての条件が設けられていない場合も多々あります。つまり、「評定が○○以上でないと出願出来ない」といった条件を設けている私立大もあれば、そういった基準が一切ない私立大もある、ということです。

その代わり、私立大の公募推薦における成績(評定・調査書)の扱いとして最近増えているのが「評定の点数化」です。全国でも特に近畿地区の私立大では「学力試験+評定の点数化」のパターンが多く見られるのも特徴です。

次のグラフは東日本・西日本の私立大に対するアンケート調査を通して、公募推薦入試において高校成績をどのように利用するのかを尋ねた結果となっています。

公募制推薦入試における高校成績の利用

東日本と西日本では高校の成績の用い方がかなり違っており、東日本では出願要件(基準設定)として用いるのが主流であるのに対し、西日本では「合否判定の一環として明示」、つまり評定を点数化して総点に加算する用い方が目立ち、出願要件としての設定は東日本の私立大よりもはるかに少なくなっています。

さて、ここ関西の私立大で行われている公募推薦入試では「評定を点数化する」ケースが多いことがわかりましたが、通常、入試と言えば「入試当日に行われる学力試験の点数が高い者から順に合格する」ものであるのですが、「評定の点数化」を試験の中に組み込んでいる入試に関しては「試験開始前からすでに受験生たちの間で差がついている」ことになります。

評定を点数化する際の例として、龍谷大の公募推薦入試を取り上げて検証してみましょう。

例 龍谷大 公募推薦入試 の場合
(調査書を10倍して50点満点で換算)

Aくんの評定3.0 × 10 = 30点
Bさんの評定3.5 × 10 = 35点
Cさんの評定4.2 × 10 = 42点

いかがでしょうか。高校の成績(高1~高3の1学期)がこのように得点となって重くのしかかってきます。当然、これプラス当日のテストが300点満点や200点満点で実施されるものの、例えばAくんとCさんでは試験スタート前にすでに12点の差がついた状態となります。

さあ、このように入試開始前から受験生の間で大きな差をつけてしまう評定。実際に評定が悪いと公募推薦入試には合格出来ないのでしょうか?また、評定が悪くても公募推薦入試で合格を勝ち取るためには一体何をすればいいのでしょうか?

それらについては次回のエントリーで詳しくご紹介したいと思います。