西大和学園 JR島本駅前に大きな一手

2011年8月24日 水曜日

奈良県にある学校法人西大和学園が、大阪と京都の中間地点に当たる「JR島本駅前」に大きな一手を打つ予定があることをキャッチしました。

すでに島本町の「まちづくり協議会」で具体的な話が出ているようです。大まかには次のような点について西大和学園で検討されているようです。

①JR島本駅前に看護・医療系大学を新設(2014年開学予定)
②将来的には中高も移設
③教育・医療関係附属施設も併設予定

①についてですが、現在奈良県に同学園が経営する白鳳女子短期大がありますので、それを大学に昇格させて移転することが予想されます。が、当然まだ具体的なことは明らかになっていません。

大学の新設も気になる所ではありますが、それ以上に注目すべきは中高の移転が計画されている点にあります。

この「JR島本」ですが、大阪側に1駅進めば高槻駅があり、併設小~高を伴う関西大が陣取っています。また、京都方面に2駅進めば長岡京駅があり、その南側には間もなく立命館中高が移転することが決まっています。

西大和学園が将来的に中高を移設、あるいは奈良の現校地を残したまま島本駅前に新校を作るとなると、大阪・京都の優秀な生徒が大量に流れてくることが予想されますので、関西大学中高及び立命館中高の双方に何らかの影響が出ることは間違いありません。

また、京都駅からの徒歩圏内には洛南中高が位置しています。こちらも京都府を代表する進学校で、西大和学園中高が島本の地に移転してくれば大きな影響を受けることになるでしょう。

さて、この島本という土地ですが、京都や大阪中心部はもちろん、JR沿線ということもあって尼崎・西宮といった兵庫県からであっても乗換ナシでアクセスできるなど、通学圏の「ヨコの広がり」についてもかなり期待が持てる位置取りであるのが大きなメリットになります。よって、兵庫県内にあって比較的大阪方面にアクセスしやすい位置にある進学校においても多少なりとも受験生の動向に変化が出てくるのではないでしょうか。

続いて、移転を受け入れる地域の側に立って少し考えてみたいと思います。

少子化や深刻な不況によって私立大の中には生徒集めに苦戦している所が多いので、大学を誘致出来たからといってすぐにその地域が活性化される、という時代ではありません。ですが、今回は「将来的に中高も移設予定」ということだそうなので、少し話が変わってきます。

西大和学園中高ほどの「実績を出している」「人気の高い学校」が島本に移転してくれば、関西大学が陣取る高槻、今後立命館中高が移転してくる長岡京近辺と合わせて、この「高槻~長岡京 間」が「高水準の教育を享受できる地域」として関西で広く認知され、評価が高くなることでしょう。

まだ構想段階の話ですから、今後どのような展開を迎えるかは分かりません。これからの動向に大注目です。

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