2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②

2011年8月31日 水曜日

2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①」に続くエントリーです。このシリーズでは、2011年度に滋賀県公立高入試で出題された5教科の入試問題の小問別正答率をご紹介しながら、「過去問対策する上でのポイント」「試験を受けるにあたって注意すべき点」についてご紹介しています。

今回は数学についてです。

2011年度の数学の小問別正答率は以下の通りとなっています(画像をクリックすると拡大します)。なお、昨年度である2010年度の数学の小問別正答率はこちらのエントリー「滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②」でご紹介しています。

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(数学)

今年度の平均点は45.0点(100点満点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析の一部を以下にご紹介します。

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大問1の数と式の計算の基礎的・基本的な問題については正答率が比較的高く、よく理解できていた。カップめんの容器のふたを素材とした問題は、線対称な図形の性質に基づいて弧を作図する内容であったが、正答率が低かった。基本的な作図では、作図の手順を考えるとき、図形の対称性をとらえることが重要な役割を果たしていることに目を向けさせることが求められる。また、紙テープの結び目を取り上げ、正五角形の内部にできる合同な三角形を数え上げる問題では、正答率が低く、根拠となる「図形の性質」を明らかにしながら、数理的に考察する力の育成が望まれる。

大問2の同じ点を中心とする2つの円で囲まれた図形の問題は、相似な図形の性質や三平方の定理等を使って、条件を満たす角の大きさや円の半径の長さなど、図形を多面的に考察したり、数学的に処理する力をみる内容であったが、(1)以外は正答率が低かった。与えられた図形の性質について直観的にとらえたり、見通しをもって論理的に思考し、根拠を明確にして推論の過程を的確に表現する力の育成が求められる。

大問3の連なる3つの水そうに水を入れる場面を取り上げた問題は、時間と水そうの水の量について、関数関係を見いだし、表現し、考察する力をみる内容であったが、(3)、(4)は正答率が低かった。身近な事象について、与えられた条件を的確にとらえ、グラフを読み取り具体的な場面と結びつける力、事象を数理的に考察する力の育成が望まれる。

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「カップめんの容器のふた」を使った、普段の生活で馴染みの深い身近なものをテーマにした出題がされているのが特徴ですが、他の都道府県の公立高入試においても、例えば買い物カゴを使った立体の問題が出されたりと、身近なものをテーマにした出題は近年増えている傾向にあります。中学までに習った数学の公式や考え方に当てはめながら普段の生活で目にする物体をよく観察しておくと、入試本番では有利になるでしょう。

また、滋賀県教育委員会は「全体として、数や式の計算、方程式、関数、図形の計量等の基礎的・基本的な事項や概念についてはおおむね理解できているといえる。今後は、断片的な理解や知識の習得にとどまることなく、課題解決することを通して数学の各領域の内容を関連付けて活用する力を高めるとともに、言葉、数、式、図、表、グラフを用いて考えたり、説明したりするなどの学習活動を積極的に取り入れながら、数学的な思考力・判断力・表現力を育成することが望まれる。」としています。

つまり、方程式や関数といった計算が中心となる問題は良く出来ているものの、例えばいろいろな考え方を用いて解くことが出来るような図形の問題など、数学的な思考力・判断力・表現力が必要な問題になると正答率が低くなっている、ということです。この部分の力をつけることが、今後他の受験生と大きく差をつけるポイントになるでしょう。残りの半年ではここを意識して対策を進めましょう。

次回は社会についてご紹介いたします。

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