東大谷高 移転+共学化+中学開校 へ

2011年8月17日 水曜日

以前から移転の噂が出ていた東大谷高ですが、この度堺市南区三原台(最寄り駅 泉ヶ丘)の元ヤングタウンの土地を購入し、そこに移転させることが確定しました。

以下、建築新聞社のサイトからの引用です。

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大谷学園 三原台住宅跡地に東大谷高校を移転(2011年7月28日 建築新聞)

大阪府住宅供給公社から三原台単身者住宅の跡地約1万5,000㎡を購入した学校法人大谷学園(大阪市阿倍野区共立通2-8-4)は、跡地に東大谷高等学校を移転新築することを明らかにした。
同学園が建通新聞社の取材に答えたもの。移転に当たり、現在の女子高を共学に切り替えるとともに、中・高一貫教育の実現に向け、中学校の新設を視野に入れる。関係部局との調整を進めていく方針だ。
跡地の売買契約は、公社と7月14日に締結を済ませた。跡地に残る住宅棟の解体、学校建設、開校の時期については具体化していない。跡地の所在地は堺市南区三原台2-2-1。ヤングタウンの名称で知られた場所で、土地面積は1万5,225.8㎡。
現在の東大谷高等学校は、大阪市阿倍野区共立通2-8-4に所在。同じ敷地内に中・高一貫の大谷中学校・大谷高等学校があり、東大谷高等学校の移転後は、大谷中学校・大谷高等学校が施設を利活用する計画だ。

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お読みいただいた記事は短いながらも非常に多くの情報が入っています。整理してみますと・・・

①堺市南区三原台へ移転する
②移転に当たり、現在の女子高を共学に切り替える
③中・高一貫教育の実現に向け、中学校の新設を視野に入れる

1つずつ状況を整理しながら今後の展開(予想を含む)を記していきます。

①によって現在の校地である阿倍野には空きが出来ます。お隣にはご存知「大谷中高」がございます。今後この空いた土地を大谷中高がどのように利用するのか、について注目が集まるでしょう。

②ですが、恐らくは共学化するために東大谷高は現在の校地を出て移転することを選択されたのだと予想します。現在の校地で東大谷高が共学校になっても、お隣の大谷中高は女子校のままですと、いろいろと支障をきたすことが出てくるでしょう。そのためには新天地での再スタートだとすべて丸く収まる、ということでしょう。

①②の両方に当てはまることとして、移転は2013年春には完了予定だ、という点が1つ挙げられます。2013年春、といいますと、現在中学2年生の方々が高校受験を迎える年になります。先にご紹介した新聞記事では移転完了の年度が明記されていないので今後も注視していく必要があるものの、中学2年生の皆さんが受験校を選ぶ時には移転先の場所のことを知った上での選択にしないといけなくなります。

最後の③については、現時点では特に具体的なプランなどは耳に入っていません。まずは高校の移転と共学化を成功させてから「追々中学校も」ということなのではないでしょうか。

東大谷高、加えて大谷中高の今後の動きに注目です。

高槻中 入試回数増加へ

2011年8月9日 火曜日

高槻中が2012年度入試から入試回数を1回増やし、合計3回の入試機会となることが判明しました。

詳しい入試要項は下の画像の通りです(画像をクリックすると拡大します)。

高槻中 2012年度入試要項

赤い字にしているところが今年度からの変更点となる部分です。ポイントをまとめますと・・・

①20日(金)の入試日が「後期」として追加された
②昨年は火曜日に実施されていた「後期」が「中期」と名称を変える
③その中期ではこれまでの算国A・B分けが無くなる代わりに理科が追加となる
④これまでの60分だった算国それぞれの試験時間が50分に短縮

といった所が大きな変更点となります。

20日(金)に後期として新たに入試機会を新設されたのが最も大きな変更点となりますが、この金曜日というのは京都の洛星中が毎年後期を実施している日となります。そこにあえて入試日を当てることで、大阪から京都への受験生の流れを食い止めることを狙っておられるのではないでしょうか。

また、その後期は「社会選択型」と「理科選択型」の2パターンから入試科目を選ぶ、という形になります。社会・理科は問わず3教科の力を見たい、ということなのでしょう。

その「3科の力を見たい」という学校側の思いが来年度の中期(今春までの後期)の入試科目変更にも表れています。といいますのは、後期においては今春まで算国2科での受験が可能だった所、2012年度からは理科が追加になっているからです。

高槻中の後期が2科に変更となった年、中学受験の世界では大きな話題となりました。それからまだ5年ほどしか経過していないにも関わらず3科に戻される、ということは、おそらく後期の2科導入はいろいろな面であまり良い成果が出ていない、という学校内での評価に至ったのではないでしょうか。

中期・後期を含めて全日程で最低でも3科が必要となることになりますが、入試機会が1回増える今回の変更は高槻中を熱望している受験生たちにとって朗報でしょう。最後まであきらめずに頑張ってほしいと思います。

私立中高 各府県の全校が集まる合同説明会

2011年8月8日 月曜日

この夏~秋にかけて、府県それぞれの私立中高が全校集まる合同説明会が、各府県で実施されます。

まずは、それぞれの府県で実施予定となっているイベント日程の一覧をご紹介いたします。

近畿地区各府県私立中高 合同説明会

※万全を期すため日時・詳細はHP等で必ずご確認ください

京都府の私立中学・高校展を除く大阪・兵庫・滋賀では夏休み中に実施されることになっています。

また、大阪府と滋賀県で実施されるイベントに関してはパンフレットもいただいていますので、下にご紹介しておきます(それぞれの画像をクリックするとPDF文書が開きます)。

大阪私立学校展

滋賀の私学合同説明会

なお、滋賀県に関しては一覧では8月21日(日)のみを取り上げていますが、その後も9月18日(日)・10月10日(月祝)・10月16日(日)にも様々な場所で会が催されます。

それぞれの府県の私学が一堂に集まりますので、一度で様々な学校のことを知ることが出来る貴重な機会です。それだけでなく、「制服の展示」があるなど、他の合同説明会と違う所も多々あります。

西大和学園中 入試回数減少+午後入試に!

2011年8月5日 金曜日

西大和学園中の2012年度入試要項が発表となりましたが、大変驚くべき変更点が多数出ています。

以下が2012年度入試要項の一部分となります。

西大和学園中 2012年度入試要項

赤い字になっているのが今年度入試からの変更点となります。ポイントは次の2点です。

①入試日がこれまでの「3科4科選択日程」「3科日程」の2回の入試機会から1回減り、「3科4科選択日程」のみに
②その①の入試日が午後入試へ

これは大変驚きましたが、よくよく検証してみますと「確かにそうだな」と思う点が出てきました。

まずは入試機会を1回減らす点についてです。

今年度の3科日程(17日(月)実施)の受験者数は322名となっておりますが、この日程の受験者数は次の通り年々減少傾向にあります。

07年度513名⇒08年度341名⇒09年度485名⇒10年度367名⇒11年度322名

07年度と11年度を比較する200名も減っていることになります。まず受験者数自体が減ってきていた、という状況があるので「3科日程を取り止める」という英断を下したのは確かでしょう。

しかし、この3科日程は灘中・甲陽学院中といった最難関男子校の併願先としてもらうために設けていた入試日です。ですから、単純に「受験者数が減少しているから」というだけで入試機会を減らすわけにもいきません。代わりに灘中・甲陽学院中の受験生たちが受験をしに来てくれるような機会を設けないといけません。

そこで浮上するのが、今回のこの「3科4科選択日程を午後入試に」という変更です。

上の表の中にある試験時間割をご覧いただきますとお分かりの通り、社会から開始するという、他校ではあまり見られない試験時間割になっています。

灘中や甲陽学院中といった最難関男子校と併願してもらうためには、西大和学院中は試験開始時間を出来るだけ遅くすることで1日で2校受けてもらいやすいような試験時間割にせねばなりません。

幸い、灘中や甲陽学院中の受験生は社会以外の3科で受験が可能となっています。西大和学園中では最初の試験を社会にし、このような最難関男子校を受験しているような「試験科目として社会が不要」な受験生にはゆっくり来てもらうようにした結果が、上の画像の通りの試験時間割となるのです。

細部まで考えられたこの入試回数減少+午後入試化、受験生に与える影響はかなり大きいものと思われます。おそらく、来年度の西大和学園中の受験者数は、今年度以前の3科4科選択日程において07年度に1000名を超えて以来となる久々の1000名越え、となる予感がします。

高津高 自律や自己責任を自覚させる校風

2011年8月4日 木曜日

高津高の受験生・保護者対象の説明会にお邪魔してきました。

高津高

教育方針として挙げられているのは次の3つです。

①充実した教科指導と綿密な進路指導によって、生徒一人ひとりの自己実現を目指し、難関大学への進学をはじめとした進路実績を向上させる
②学校でのあらゆる活動を通して、守るべき規範と果たすべき役割を自覚させ、課題を自ら発見し解決する能力を養う
③知的好奇心と探究心にあふれ、幅広い教養を身につけた次代を担う人材を育成する

今春より設置された文理学科では、情報と保健の週4時間分を以下に代替するのが特徴点となっています。

①1年生を対象とした教科横断型授業「高津LCⅠ」
幅広い能力と科学的素養を身につけるため、国語・英語・数学・情報・保健の5分野で週2時間の教科横断型授業を実施。
②2年生対象の課題研究「高津LCⅡ」
理数系の各分野に2~8名に分かれて、水と環境をテーマに課題研究を実施し、大阪府や校内、その他の発表の場で研究成果を発表する。

高津高では、公立高らしく型にはめる指導ではなく、自律や自己責任を自覚できるように細かい規則は作っていない。以下がその例です。

①制服がない
②頭髪についても特に規則は設けていない
③携帯電話の持ち込みは可能(校内の使用は禁止)
④アルバイトも禁止していない

まさに「自主自律」を重んじた方針となっていますが、一点だけ厳しくかつ具体的に指導されているのが「ビーチサンダルとハイヒールは禁止」という、なんとも随分細かいところに対する注文です。廊下や階段を歩く音が大きく、授業の妨げになるからなのでしょうけれども。

授業面についてです。

50分×7コマが週3日あるほか、土曜・早朝・放課後等で講習が実施されているなど、学習機会は多く確保されている印象です。特に土曜は午前中はクラブ禁止としているだけでなく、高3にもなると午前から17時までみっちりと講習が組まれているなど、大学受験に向けてのサポートもしっかりしてくれています。

公立高と言えばやはり「全員で盛り上がる多くの行事ごと」を思い浮かべますが、高津高では行事は少ない方、ということだそうです。ただ、特にユニークなのが文化祭と体育祭を立て続けに実施する「記念祭」。次のようなスケジュールで立て続けに実施されます。

1・2日目 文化祭
3日目 休み
4日目 体育祭

なかなかハードですが、このスケジュールだと全員が何らかの役目に当たらないといけなくなるので、その点においては「全員で作り上げる」ことが実現されているのではないでしょうか。

高津高では生徒・保護者対象に学校の取り組みなどについてのアンケートを行っているようですが、特に「入学して(させて)よかったか」の回答状況は次のようになっています。総じて満足度は高い様子です。

生徒
そう思う 61%、ややそう思う 30%、ややそう思わない 7%、全くそう思わない 3%
保護者
そう思う 65%、ややそう思う 29%、ややそう思わない 5%、全くそう思わない 1%

2002年にはエルハイスクール、2008年にはスーパーサイエンスハイスクールの指定を受け、今年春には進学指導特色校の10校に選ばれ、文理学科も設置されました。このようにここ数年で高い教育力があちこちで評価をされ、同時に今後にも期待が集まる高津高の様子でした。

近畿大 着実に増える志願者数と女子比率

2011年8月3日 水曜日

近畿大の高校・予備校対象の説明会にお邪魔してきました。

近畿大①

上の写真のような学生通りを歩き・・・

近畿大②

門前につきます(大きすぎて写真に収まりきりません)。

近畿大③

門をくぐりますと、初代総長及び理事長である世耕弘一氏の銅像がお出迎え下さいます。

さて、近畿大は東大阪キャンパスを中心として全国6か所のキャンパス、13学部48学科+短大を持つ、医学から芸術までを網羅する総合大学です。現在、近畿大で学ぶ学生は約3万人いるそうです。

これだけ大きな大学ですから、オープンキャンパスにも多くの方が来場されるそうです。オープンキャンパスには年間3万人、特に7月開催のものは1万人が来場するという、かなり規模の大きなものになっています。

近畿大は大学だけでなく様々な施設・設備を保有されていますが、その中の代表的なものとして「病院」があります。総合病院が大阪狭山市・生駒市・堺市の3か所にある、ということで、ここでも近畿大の規模の大きさ、もっと言えば地域貢献のすごさがわかります。

ここからは大学のもっと具体的な中身に踏み込んでいきます。

今年の春の就職率は87.9%となっており、全国平均の91.1%と比べると厳しい数字だったようです。一方で今春卒業者4747名のうちで行き先が不明な者は9名ということで、いわゆる「判明率」が高いのが、他の大学と比べて違う点になっています。それゆえにこのような低い就職率となってしまっている、というのが実情です。

学生の「行き先」を最後の1人まで把握しようとする、徹底した面倒見の良い姿勢に大変好感をもちます。

2011年度入試においては公募推薦で4回、一般前期Aで2回、一般前期Bで4回、一般後期で2回、計12回の入試機会がありましたが、今春の志願者数は11万人を突破し、5年連続で上昇中ということで、少子化による受験生の減少と不況による国公立志向にも負けていないことがわかります。2011年度入試では特に公募推薦で人気が集まりましたが、それ以上に合格者数も上乗せされていましたので、難易度としては例年並みに落ち着いたのではないでしょうか。

最近では特に女子の志願・入学者数が増えていることも特徴として挙げられます。

2011年度入試における女子志願者数は約3万人・入学比率31.5%ということで、これだけ多くの女子学生に来てもらったのは開学以来初めてのことだそうです。中でも、2010年に新設された総合社会学部が今年44%、今年新設された建築学部は26%というのが今春入学生の女子率だった、ということで、以前の「男ばっかりの大学」「バンカラ」という近畿大のイメージが過去のものになりつつあることがわかります。

さて、「建築学部」という言葉が出ましたので、そちらについてもご紹介を致します。今年から学科から昇格という形で新設された建築学部ですが、総志願者数5653名を集めました。昨年までは学科として存在していましたので、その時の志願者数と比べてみますと、昨年2821名でしたから、率にすると今年は昨年の200.4%、早い話がちょうど2倍の志願者数を集めた、ということになります。「建築」という名称から「理系学部」とカテゴライズされる中、よく見てみると文系科目でも受験可能・文系的な学問内容となっている学科があるなど、文系の諸君にも門戸が広かったことが人気を集めた理由だというのは明らかです。

他の学部の動向についてもご紹介しておきましょう。

法学部は全日程で志願者1178名減とかなりの不人気だった一方、合格者数は昨年とほぼ同数が出されているため、相当入りやすかった様子です。

生物理工学部も昨年から662名の志願者減となりましたが、これは昨年学科改組により人気が出て、結果各社の偏差値が大幅にアップしたことを受けての敬遠である、と分析されていました。

近畿大④

2012年度入試における変更点は次の通りとなっています。

①文芸学部内の2学科が名称変更。
・文化学科が「文化・歴史学科」となり、これまで入試段階で「日本歴史・文化」「世界歴史・文化」「現代文化」の3つのコースから選んで出願する必要があったが、今後は回生が進むにつれて選択していく形となる。
・英語多文化コミュニケーション学科が「英語コミュニケーション学科」に。
②理工学部においてAO入試を廃止。
⇒ 不人気のため合格者がゼロということもしばしばあったそう
③一般入試前期Aにおいて「生物理工学部併願方式」を導入。
④理工学部 生命科学科から工学部 生物化学工学科を併願できる「工学部併願方式」を新追加。

来年も多くの受験生が集まりそうな予感がする近畿大の説明会でした。

近畿大学附属高 大きなコース制変更

2011年8月2日 火曜日

近畿大学附属高の塾対象説明会に参加して参りました。例年塾対象説明会は秋に実施されておられますが、来年に向けて大きなコース変更があるので今年は春に実施されています。

近畿大学附属高

過日のエントリー「近畿大学附属高 新コース体制へ」で簡単ではありますがご紹介しました通り、来年度よりコース制を大きく変えられる予定にされています。今回の説明会では、それについてより詳しくご説明をいただきましたので、ご紹介を致します。

現在の理数コースは設置から33年、国際コースも24年が経過しているということで、これらで熟成されたノウハウをもって新コース展開を行い、教育のステージアップを図ることを大きな目標とされています。

新しいコース編成は次の通りとなっています。

【新設】Super文理  京大・阪大を目指す
【新設】特進文理Ⅰ  難関国公立大を目指す
【新設】特進文理Ⅱ  国公立大を目指す
【新設】英語特化  英語力を駆使してグローバルに活躍
進学 総合的な力をつけて近畿大へ

「文理」とつく3つのコースは2年進級時に文系・理系に分けられることになっています。

そして、Super文理・特進文理Ⅰ・特進文理Ⅱの3コース間は2年及び3年進級時にコース替えを可能とされていますが、これら「文理」がつく3つのコースと英語特化と進学の間でのコース変更は一切不可とされています。「文理」がつく3つのコースは国公立大への進学を目標としたカリキュラムが展開されていますが、他2つのコースは英語に特化していたり近畿大への内部進学を前提としたりしていますので、コース変更前後で中身が違いすぎる、ということで「コース変更不可」とされているのでしょう。

さて、「文理」がつく3つのコースでの取り組みは次の通りです。

①目標達成のための新カリキュラム
1・2年次は39単位、特に英数国の単位数を増やすことで基礎力を養成。3年次は文系36単位・理系37単位とし、自由度を大きくしている。京大受験を意識して地理の選択を可能とした。

②授業内容の充実
生徒の理解度をきめ細かく把握するため、一斉テスト・週間テスト、授業アンケート等を実施。

③日常的な補習
授業と連動した計画的な演習と、場当たり的ではない年間プログラムを作ることで生徒の達成感や自信を作り出す。

④自習室の設定
放課後に自由に使用できるように自習室を開放するだけでなく、教員に質問できるスペースや卒業生による質問受け等のサポートも予定。

⑤各種の講座・演習
センター試験対策演習は2・3年で実施し、その他にも阪大・京大実践演習などの受験対策講座を設ける。

⑥勉強合宿
1・2年で実施。同じ近畿大系列である近畿大学附属豊岡高など数校が合同で実施している「トップ合宿」に合流するか、独自で実施するかは検討中。

英語特化コースに関しては次の点が特徴となっています。

①国際コースの英語教育の継承と発展
②コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を備えた生徒の育成
③少人数教育での英会話授業や近畿大イーキューブ(英語村)の活用
④海外語学研修は必須ではなくオプションとする
⑤TOEIC対策講座の開講

進学コースは従来通り近畿大への内部進学を前提としていますが、内部進学基準については想像しているよりもハードルが低いものとなっています。高校3年間の学習を「普通に」身につけておけば、内部進学の基準はクリアできるものです。

さて、来年度2012年度入試についてです。

先ほど、「文理」がつく3つのコースと英語特化・進学の間はコース変更が出来ない、という点はすでにご紹介しています。それとも関係することになりますが、受験の際に「回し合格先」の希望を出す場合も一部で制限がつきます。

具体的には、「文理」がつく3つのコースと英語特化を組み合わせての回し合格希望は出せない、ということになります。ご注意下さい。

また、その英語特化コースに関してのみ、英語の配点が200点となります。他コースと同一の問題・配点(100点)のものを解き、点数を2倍して200点満点換算とする、というものです。

新しいコース制を導入することで人気動向がどのように動くのか、大変興味があります。

箕面自由学園中 北野高(文理)にも通す高い教育力

2011年8月1日 月曜日

箕面自由学園中の塾対象説明会にお邪魔してきました。

ここ数年で受験者数が増えています。幼稚園~高校トータルの在籍数は、2009年度1517名だったのが2011年4月時点で1848名となっており、特に高校が09年776名⇒11年1090名、中学も09年132名⇒11年155名と堅調に増えています。学園全体で盛り上がっているようです。

ただ、一昨年は大阪大2名が出たが昨年・今年と実績が出ていないことから、大学合格実績が目下の課題、と捉えておられるようです。特に高校においては他校で評判が高かった先生方を迎え入れられて、指導力の強化に注力されているとのことでした。

さて、本題の中学校の中身についてです。

箕面自由学園中では授業時間数が多いことが特徴として挙げられます。授業時間合計は公立中のそれと比べると9.6時間も多く、中学3年間で実に1008時間もの差が生まれています。そのうち数学だけでも1/4の250時間を占めているなど、将来の大学受験のことを見据えたカリキュラム構成となっているのも特筆点です。

また、授業時間数は多いのですが、英語を例にとってみると、授業進度は公立中並みに設定し、時間数があるのでその分「深さ」を求めた授業を展開されています。中高一貫校と言えば「先取り学習」を連想しますが、ここでも生徒たちのことを考えてのカリキュラムとされている点が好印象です。

早朝テストで基準点を取れなかった生徒については、その日のうちに「フォローアップ補習」に出て、分からない所をつぶすことになっている、という徹底ぶりも大変素晴らしいです。

習熟度別授業についても一工夫されています。2008年には2レベルだった習熟度を2009年には英語を3レベルに、2011年からは数学も3レベルとするなど、ムリの無いように段階的に増やされています。また、そのレベル分けについては毎学期見直しが入るということで、その細かなご対応にも恐れ入ります。

まだまだあります。

この取り組みが目玉だと思いますが、放課後は有料の特別補習を実施されており、中学全体の約150名中だいたい100名が受講されているようです。また、クラブ活動の後でも参加出来るようにクラブ活動と補習の時間帯をずらして設定してされています。この補習でもって数ある取り組みの総仕上げ、とされている印象です。

箕面自由学園中では、中学から高校に上がる際は「併設高」「他高(公立・私立共)」のどちらを選択しても可能という制度を採られています。

まずは他高校の合格実績をご紹介しますと、タイトルにもあります通り今年はなんと

北野高(文理学科)1名、豊中高(文理学科)2名、千里高(総合科学)1名
四天王寺高1名、関大大学第一高1名

といった、難関公立・私立高に合格者を出しています。

内部進学についても変化が起こっているようです。

これまで「総合進学コース」に上がる生徒が多かったのですが、今年の春は「特別進学コース」に上がった生徒が多かったそうです。外部高校の合格実績以外にも「箕面自由学園中の生徒たちは学力が付いてきている」ということを示すデータです。

こういった様々な取り組み・内容・結果が評価されて、受験者数にも変化が出てきています。

統一解禁日に実施されているA日程を例にとりますと、2009年度は33名だったところ今年は44名、B日程では2009年度17名が今年43名と、A・B日程で志願者が集まるようになってきています。

それだけでなく、入学者数も5年前と比べて約3倍になるなど、きっちりと「入学者数の増加」という成果として結びついています。

高校進学時に公立高や難関私立高の合格を手にすることを目指し、箕面自由学園中での密度の濃い3年間に身を投じてみる、という選択肢も悪くないかもしれません。