2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④

2011年9月8日 木曜日

2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率①
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率②
2011年度滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率③
に続くエントリーです。

このシリーズは、2011年度滋賀県公立高入試で出題された5教科それぞれにおける「小問別正答率」をご紹介しながら、各教科の出題傾向や今後の対策ポイントなどについて考えるものです。

4回目の今回は、理科をご紹介します。理科の小問別正答率は以下のようになっています(画像をクリックすると拡大します)。また、昨年度の理科の小問別正答率はこちらのエントリー「滋賀県公立高入試 教科別平均点と小問別正答率④」でご紹介しています。

2011年度滋賀県公立高 小問別正答率(理科)

なお、2011年度の理科の平均点は46.0点(100点満点)でした。

滋賀県教育委員会が発表している解答の分析についても以下にご紹介します。

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大問1では、鉄と硫黄の化合によって生成する物質や、発生した気体のにおいを調べる方法など、化学変化に関する基本的な事項や化学実験の基礎的な技能を問う問題については比較的正答率が高い。一方、化学変化における物質の量的関係を二つの実験の結果を組み合わせて考察する問題では正答率が低く、今後は複数の実験結果を関連付けて分析し、活用していく力の育成が求められる。

大問2では、植物の花のつくりについて問う問題や、葉緑体でデンプンがつくられることについて問う問題では正答率が高く、植物の体のつくりとはたらきについての基礎的な事項はおおむね理解できているといえる。一方、観察や実験の結果を消化酵素のはたらきと関連付けて考察する問題では比較的正答率が低く、今後さらに基礎的・基本的な知識を活用して考察し、自分の考えを表現する力の育成が望まれる。

大問3は、北の夜空に見える恒星が、時間とともに北極星を中心に回転して見えることや、恒星の高度が変化することについて問う問題では正答率が高く、恒星の見かけの動きに関する基礎的な事項はおおむね理解できているといえる。一方、恒星の日周運動を地球の自転と関連付けてとらえる問題では正答率が低く、今後さらに観測結果や調べたデータをもとに考察する力の育成が求められる。

大問4では、音が空気中を伝わることや、弦を張る強さと弦の振動の仕方との関係を問う問題については比較的正答率が高い。このことから、音についての基礎的な事項を理解することは、おおむね達成できていると考えられる。一方、実験結果のグラフから振動数を求めることや、音の振幅を力学的エネルギーと関連付けて考察し説明することなどの問題については正答率が低く、今後は実験結果を分析し、的確に表現する力の育成が求められる。

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他教科同様、基礎的・基本的な事を出題する問題がある一方で、自然現象などについて科学的な見方や考え方が出来るかどうかや、身のまわりの物や現象を調べたり実験を通して理解したり、といったことが出来ているかどうかについてもしっかりと見られています。

「全体として、個々の基礎的・基本的な事柄や概念についてはおおむね理解できているといえる。しかし、事物・現象を科学的に考察し認識する力、および考察や認識を的確に表現する力はやや弱いと考えられる。今後も自然や日常生活に見られる事物・現象に進んで関わり、基礎的・基本的な知識をもとに科学的に探究し、考察したことを的確に表現する活動を通して、科学的な思考力や判断力、表現力を育成することが求められる。」と滋賀県教育委員会が発表しています。

これも他の教科と同じく、やはり基礎・基本的な事を問われるような、いわゆる「知識問題」の正答率が高い一方で、そういった知識を使いながら科学的な考えや判断をすることが問われている問題の正答率が低い、という傾向です。

普段の生活で見られる物や現象を意識して観察したり知識を得たりする、という学習が今後の対策においてポイントとなるのではないでしょうか。また、こういった身近な物や現象を題材として扱った練習問題を数多くこなすことも良い対策となるでしょう。

次回はこのシリーズの最後となる英語についてです。

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