追手門学院中高 あたたかみのある進学校を目指して

2011年9月12日 月曜日

追手門学院中高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

追手門学院中高

まずは教育内容についてご紹介しましょう。

中学では次の3つのサイクルを柱にして学習の定着が図られています。

①授業のサイクル:予習⇒授業⇒復習 特に復習に注力
②一週間のサイクル:毎週火曜日に前週の内容についてのテスト「リスタトライアル」が行われ、理解度合いの確認やポイントの整理が行われる
③考査のサイクル:定期考査後に詳しい解説・やり直しを行い、その後ミニ考査も実施される

お話を聞いている限りでは、とにかく「出来るだけ短いサイクルで確認・定着をさせる」ことを念頭に置いている様子が伺えました。「熱いうちに」ということですね。

また、学力上位者向けの取り組みとして、高校のTOKKERS(将来的に東京大・京都大・大阪大・神戸大を目指す生徒たちの集まり)につながるメンバーで構成され「TOKKERS Jr」という、ハイレベルな学びの集団を形成されています。Z会の添削指導を主に用いて実力アップに励んでいるこの集まりですが、学力による選定と希望者で構成されており、中学在校生の約40%がここに在籍しているそうです。

また、中学校に在籍している生徒たち全てを対象とした指導方法として、偏差値のカベを克服するために各教科において学力層に応じた学習方法を系統化させた「層別指導」を考案し、各層の重点内容や教材選定等で変化をもたせておられます。これで、上位層には更に実力をつけてもらえるような仕組み・教材を、一方でちょっと勉強についていけていない生徒にも優しく救いの手が差し伸べられるようにされておられます。

ただ、「どのようにしてクラスを分けるのか」「成績が学年途中で大きく上がった(下がった)場合はどうするのか」といった具体的な運営面については語られませんでした。気になる方は秋の説明会等でぜひ学校に直接お聞きになって下さい。

このように、成績上位層に対してはTOKKERS Jrで、他の者に対しては層別指導やサイクル学習で、という風に学力層ごとにやり方を変えて対応している点が大きな特徴であることははっきりしました。

進路指導面でも他校とちょっと違った方針をお持ちです。「大学合格を目標としない」ことを指導の特徴とされているのがそれで、初歩の段階では「自分を知る」ことから始め、最後(高校を卒業するころ)には進路観・価値観を醸成させる段階まで引き上げる、という壮大なプランとなっています。

なお、高校へ進学する際には追手門学院大手前高も選択可能となっている、という点も付け加えておきたいと思います。

続いては高校の取り組みについてです。

今春より3つのコースに再編されていますが、それぞれのコースの進路目標と募集人数は次の通りです。

英数理数選抜:難関国公立大 40名募集
英数理数Ⅰ類:国公立大 80名募集
英数理数Ⅱ類:私立大 120名募集

文系・理系分けはどのコースも2年進級時に実施される、ということです。

選抜の生徒は全員、先ほども中学校の教育内容の所で簡単にご紹介した「TOKKERS」という、東京大・京都大・大阪大・神戸大などの最難関国公立大を目指すために学習する「クラブ」に入ることが義務付けられています。高校のTOKKERSの活動は月・火・木・金の放課後で、他の運動・文化部には所属出来ないことになっています。ここではZ会の添削を中心にして、英会話・プレゼンといった多くの分野を跨いだ学習を行う、というのが大きな特徴です。「ただ闇雲に勉強だけをするクラブ」ということではない、ということです。

Ⅰ類・Ⅱ類に関しては、週ごとに定着度を確認する「週サイクル学習(リスタ)」を中心にした学習プログラムで学力の定着を図られています。

また、中学校と同様に偏差値のカベを克服するために各教科において学力層に応じた学習方法を系統化させた「層別学習プログラム」を考案し、各層の重点内容や教材選定等で変化をもたせておられます。

高校でも上位層に対してはTOKKERSで、他の者に対しては層別指導やサイクル学習で、という風に学力層ごとにやり方を変えて対応している、ということになります。

さて、今春の大学合格実績はどうだったのでしょうか。

国公立大は大阪大2名・神戸大4名を含む30名(昨年12名)、関関同立225名(昨年90名)、産近甲龍249名(昨年197名)と、いずれも昨年から大きく伸ばしておられます。また、早・慶・上智・東京理科・関関同立の合計現役進学者数が大阪府内94校中でベスト10入りしている、ということも明らかになっています。

説明会の冒頭で、「あたたかみのある進学校」という言葉が出ていました。「成績上位者も、勉強が苦手な子も、みんなが自分の成長を感じることが出来て、自分自身を前向きにとらえられるようになってもらいたい」との思いからTOKKERS、層別指導、サイクル学習といった形で、特定の成績層の生徒だけに偏らないシステムが生まれたのだと思います。そんなシステムを作りだされた先生方の思いがあれば、きっと「あたたかみ」を生みだし続けていくことでしょう。

中高進学フェア