梅花女子大 現代食文化学部は文系から食にアプローチ

2011年10月6日 木曜日

梅花女子大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

今回の説明会は2012年度新設予定の現代食文化学部に特化した内容となっていました。

この現代食文化学部は「おなかいっぱい、学ぼう」を標語に、食を扱う学部でありながら文系寄りの内容で展開されます。

学部の特徴は次の5つです。

①「食」をトータルにマネジメントできる人材の育成
調理や製菓など「食をつくる」技術を学びながら、進路や就職にあわせて安全・ビジネス・文化の3つの視点から「食」に関わる専門知識を深める。
②各分野に長けた講師陣から学ぶ多彩な知識と技術
「食」「ビジネス」の現場で豊富な経験を持つ実習指導者や食物学・栄養学・経営学・文化人類学など高度な専門性を有する講師陣が集結。
③文系女子の就職をサポートする教育内容
ビジネスマナーや社会人基礎力を学ぶ授業を開講し、現場力と専門知識を意識したゼミ、あらゆるビジネスに対応する資格取得の機会を設ける。
④幅広い就職先と進路
「食」だけでなく、それ以外の業界も目指せるため、卒業後の進路選択肢が大きく広がる。
⑤充実した学習環境
入学時、学生全員にノートPCを配布。最新の設備や調理器具も完備。

同学部内に設置される学科は「食マネジメント学科」の1学科のみですが、学科内には以下3つの専門領域が設けられることになっています。

①食育・安全
食品加工や流通の視点から「食」の安全をみつめる
②食ビジネス
経営能力と「食」の現場力で食産業の未来を拓いていく
③食文化
日本や世界の食文化から「食」を深く追求する

上記①の「食育・安全領域」では、女子大では日本初となるHACCP管理者資格が取得可能となる予定、だそうです。また、上記③では「コナモン文化論」という、実に大阪らしい授業が開講予定となっています。

就職に対するサポート面についてもお話を伺っています。今回の学部新設にあたって実に約150社を回ってのヒアリングとインターンシップ受け入れのお願いを実施した結果、同学部1期生が3回生となる2014年でのインターンシップ受け入れ予定企業として、千里阪急ホテル、ハイアットリージェンシー大阪、家族亭、グルメ杵屋等が決定しているそうです。

ただ実習先を確保するだけではなく、社会に出てすぐ仕事が出来る人材とするため、社会人基礎力をつけさせる取り組みとして上記のインターンシップも含めて90分×120回の授
業や実習を4年間で消化させる予定となっているそうです。

さて、新設の現代食文化学部で取得可能となる資格は次の通りです。

調理師免許、2級菓子製造技能士受験資格、HACCP管理者資格、介護食士、家庭科教員免許

特に調理師免許と2級菓子製造~は全員に両方取得してもらいたい、と考えられているようです。

2012年度入試についてですが、学部新設の認可が下り次第入試を開始していく予定となっています。一般的な入試としては一番早いもので12月11日実施の公募推薦から、となります。

なお、設置初年度につきセンター利用型入試は一切実施不可ですから、次年度である2013年度入試からの実施となります。

この新学部設置については随分と早くから宣伝活動をされておられますが、その効果があったのでしょうか、今年の夏のオープンキャンパスは例年の1割増の参加者だったそうです。特に高1・2生の参加も増えている、ということです。オープンキャンパス参加者の間で前述した3つの学問領域の中で最も人気があるのは①の食育・安全の領域になっているそうです。

「食に関する勉強をするなら管理栄養士の受験資格が取れる大学・学部・学科に」というのが一般的な進路選択のパターンだと思いますが、梅花女子大の現代食文化学部はそれとはまた違う方面から「食」に対してアプローチするという、非常に珍しい学部です。