佛教大 公募推薦入試に向けて

2011年10月17日 月曜日

佛教大が10月9日(日)に実施されましたオープンキャンパスにお邪魔をしてきました。当日は紫野キャンパスと二条キャンパスの2か所で開催されていたのですが、せっかくですので今年春に完成したばかりの二条キャンパスの方に行かせてもらいました。

佛教大

佛教大は来年で100周年を迎える、学生数6500名の中規模大学です。

6500名?中規模?と言われてもなかなかピンとこないと思いますので、他の大学の学生数と比較してみますと・・・

学生数2~3万人 関関同立・近畿大・龍谷大
同1万人前後 京都産業大・甲南大
同4千人以下 その他多くの大学

となっています。よって、6500人の佛教大は中規模と位置付けられることがわかりますね。

佛教大のキャンパスは紫野キャンパスと今春からオープンしたばかりの二条キャンパスの2か所となっています。二条キャンパスは保健医療技術学部の学生が3・4回時に使用することになっています。2012年度に新設される予定となっている看護学科(定員65名)もこの保健医療技術学部内に組織されますので、二条キャンパスに実習室などが入る予定になっているようです。

ちなみに、今紫野キャンパスは現在リニューアル中、JR二条駅西側にも新たにキャンパスを作る予定があるようです。

佛教大全体の系統別の就職先は次のようになっているそうです。

教育18.3% 進学10.1% 社会福祉・医療21.3%
公務員6.4% 企業41.6% その他2.6%

教育学部、理学療法・作業療法の各学科があるなど、特徴的な学部・学科が存在するがゆえに、他の大学とは少し就職先の系統が異なるように思います。

佛教大は京都に昔からある大学です。よって「京都にある大学」として学生から期待をされている「京都で(を)学ぶ」ことにも注力されています。一例としては、源氏物語など文学作品のゆかりの地を訪れるフィールドワーク(文学部日本文学科)、祇園祭研修(歴史学部)といったものが挙げられます。

さて、今回お邪魔した二条キャンパスは保健医療技術学部にある理学療法・作業療法・看護それぞれの学科の皆さんが学ぶキャンパスとなります。よって、今回のオープンキャンパスもこれらの学科に特化した内容でお話をお聞きしたり、いろいろなプログラムが組まれておりました。その中で、理学療法・作業療法 2学科それぞれの就職状況もお聞きしています。学科別の就職率(就職者数÷学生総数)は次の通りです。

理学療法学科 86.7%(ただし就職希望者の就職率は100%)
作業療法学科 89.7%(同じく就職希望者の就職率は100%)

2012年度新設予定となっている看護学科についても少しご紹介しておきましょう。

看護学科が入る保健医療技術学部は1・2回生を紫野キャンパスで、3・4回生は二条キャンパスで学ぶことになっています。よって、看護学科の学生も1全学共通科目は紫野キャンパスで学び、その後専門科目については二条キャンパスで学ぶ、ということになるようです。

看護系の進学先を選ぶ基準、として一番重要視されるのが「実習先」です。佛教大の看護学科の具体的な実習受け入れ予定先がパンフレット等に多数記載されていますので、その点は安心できるでしょう。今回のオープンキャンパス内での説明によりますと、たくさんある実習予定先名の中でも、特に「京都大学医学部附属病院」と「済生会京都府病院」の2か所がメインの実習先となる予定であるそうです。

最後にもう間もなく始まる公募推薦入試についても簡単にまとめておきます。

公募推薦入試は11月22~24日の3日間設定されており、どの日も午前・午後の2回試験が実施されます。よって、最大で6回の受験が可能となります。

公募推薦での判定方式は次の2種類あります。

①学力試験の点数だけで判定される「基礎判定」(ただし評定2.7以上ないと出願不可)
②学力試験に加えて評定×40(200点満点)を加算した得点で判定する「総合判定」

上記①は定員の80%、②は20%が設定されています。

お気付きでしょうか。①では出願条件として、②は点数化として、それぞれ評定が必要となることから、佛教大は「評定をかなり重要視している」ことがうかがい知ることが出来ます。

ここ数年人気の教育・心理・理学療法・作業療法に加えて、来年は看護も勉強できるようになる佛教大。公募推薦入試から高い人気になるかもしれませんが、前述の通り最大6回受験可能である、という大きなチャンスを活かして合格を手にして欲しいと思います。

好文学園女子高 特進1期生は半分が国公立大に進学!

2011年10月14日 金曜日

好文学園女子高の塾対象説明会にお招きいただきました。

好文学園女子高①

好文学園女子高は現校長先生(同校初の民間ご出身の管理職で、大手商社での勤務経験もおあり)がお見えになられて以来、大きく改革が進められています。この4年間の細部にまで及ぶ学校改革の結果、次のような変化の兆しが見えてきているとのことでご報告をいただきました。

①挨拶・身だしなみの大幅な改善
②特進コース1期生11名中6名が中堅国公立大に現役合格
③退学者数の減少(07年54名・08年48名・09年30名・10年29名)
④新しいクラブ活動の誕生と活性化(吹奏楽・ダンス・演劇・合唱)
⑤活気ある教員集団の誕生(非常勤の先生方が朝校門前での立ち番に自主的に参加したりするなど、学校運営に積極的)
⑥生徒数の増加(13年ぶりに3学年で900名を越えた)

特に、②でご紹介している特進コース1期生の大学合格実績は驚きに値します。好文学園女子高 特進コースの半分が国公立大に合格している、ということになります。これはかなりのインパクトがあります。

また、②も含めてこれらのことが評価されているのでしょうか、近年では説明会や受験者数も大きく増えています。今年を含む直近3年の見学会参加者数・受験者数・入学者数は次の通りとなっています。

見学会参加者数:09年度1147名⇒10年度1282名⇒11年度2101名
受験者数:09年度552名⇒10年度582名⇒11年度750名
入学者数:09年度245名⇒10年度297名⇒11年度397名

2008年に福島女子高から現校名に変更になった時から改革がスタートしているわけですが、この4年で確実に改革の成果を出し、説明会参加者数や受験者数の増加にもあるように受験生たちからの高評価も得ていることがわかります。

ちなみに、この春の高校入試において外部募集定員数に対する専願者数の割合を算出しますと113.9%となっており、専願者だけで募集定員を大きく上回っていたことがわかります。

先日ご紹介をしました「大阪成蹊女子高 ハード・ソフト両面で他校を凌駕」では、大阪成蹊女子高が女子校圧倒的不利の状況下でも受験生を集めている「ヒミツ」をご紹介しましたが、この好文学園女子高も地道な努力でもって学校内の雰囲気を変え、受験者の増加、しかも専願で集めることに成功しています。

好文学園女子高②

学校改革で改善された点が多くあることは上記の通りですが、人気のヒミツの1つとして好文学園女子高のコース編成の多様さと充実した内容もあると思います。好文学園女子高には以下7つものコースが設置されています。

①特進
少人数制・週6日 38時間、定期考査の代わりに年4回の河合塾全統模試を受験させ、徹底した模試結果の分析や個人面談による弱点の克服に注力、長期休暇中には、100分授業を実施
②総合
1年時は全員共通のカリキュラムで中学の総復習と高校の基礎固め、2年生で大学・短大進学のクラスと専門・就職に向かうクラスに分けて進路に見合った科目に選択と集中
③デザイン・美術
1年次は4単位、2年次は8単位、3年次は10単位もの美術の時間があり、基礎力養成から始まってビジュアルデザインとファインアートの両分野を学び、最後は自分の作品を人に伝える力を養う
④マンガ・アニメーション
出版社へ作品を投稿することを最終目標として実践的な授業を実施、画力だけではなく、ストーリー性を追求する根気力を養う一方、マンガ・イラスト等の学部を設置している進学先より数多くの指定校推薦枠を確保しているのも特徴
⑤体育
このコース在籍生の入部率は98%で、学外のスポーツ活動なども含めると100%が何らかのスポーツを実践している
⑥保育進学
児童文化やピアノリトミックなど充実した専門科目が学べる上、園訪問や講演会など実践的で特別な授業を実施し、保育者になるための個々にあった進学先を確保する
⑦ITライセンス
IT系ライセンスの取得に積極的に取り組むだけでなく、マルチメディアを活用して情報表現力を高めると同時にプレゼンテーション技能も高める

最後に2012年度入試についての情報です。

募集定員は計280名、7つのコースそれぞれに細かい定員は振られていませんが、特進以外の6つのコースについては特に入学に必要となる力に大きな違いはあまりありませんので、安心して受験に臨んで下さい。

その試験なのですが、学力試験が50%・個人報告書(出身中学に作成を依頼する)が50%、それに個人面接を加えて3つの要素から総合的に判定されます。

来年からの変更点です。特進の試験科目が従来の3科から2012年度より5科に変更となります。3年後に国公立大を受験することが想定されている特進コースですから、高校入学段階で5教科の力をしっかりと見ておきたいというご意向のようです。特進を狙っている方は理科と社会の対策も進めておきましょう。

関関同立 秋のオープンキャンパス日程

2011年10月13日 木曜日

秋を迎え、特に私立大の周辺では指定校推薦・AO入試・公募制推薦入試といった入試が順次実施されていってます。

関西私大の雄である関関同立4大学については公募制推薦入試は大々的に実施していないので、年明け2月からの一般入試が本格的な入試開始となります。

その一般入試の出願先を決める大事な大事なこの秋、関関同立はそれぞれオープンキャンパスを実施されます。今回のエントリーでは、まさに「大学を見る最後のチャンス」となる、関関同立それぞれの秋のオープンキャンパス日程をご紹介します。

関西大
10月29日(土)千里山C 10~16時
http://www.nyusi.kansai-u.ac.jp/opencampus/

関西学院大
10月22日(土)西宮上ヶ原C 10~16時
http://www.kwansei.ac.jp/admissions/event_web/opencampus/detail.html#opencampus04

同志社大
10月29日(土)京田辺C・11月12日(土)今出川C いずれも13時半~16時
http://www.doshisha.ac.jp/nyushi/event/setumeikai/index.php
※各地で実施される入試説明会のうち、大学のキャンパスで実施される回
(上記以外にも各地で同様のイベントを実施)

立命館大
11月6日(日)BKC・11月13日(日)衣笠C いずれも12~16時
http://ritsnet.ritsumei.jp/event/2011/opencampus.html

上記のうち、同志社大以外の3大学はオープンキャンパスの実施ですが、同志社大に限っては「入試説明会」という形での実施となります。上記では京田辺Cと今出川Cの回のみご紹介していますが、近畿地区の各地で同様のイベントが11月末にかけて実施されます。詳しくはリンク先でご確認下さい。

このオープンキャンパスですが、先ほどもご紹介したとおり「大学を見る最後のチャンス」であるのと同時に、大学によっては願書を無料で配布している所もあります。タダで願書を手に入れることが出来るチャンスでもあります。

ひょっとすると、今年実施されている各予備校・出版社の模擬試験結果などのデータから「○○学部が人気がある」「△△学部は人気が無いから狙い目」といった最新情報を知るチャンスがある、かもしれません。

さて、夏休みは勉強を頑張れたものの、秋の模擬試験で結果が出ずに落ち込んでいる受験生諸君もいることでしょう。各大学のオープンキャンパスには同じ大学を目指すライバルたちがたくさんやってきます。そんな他の受験生たちの姿を見れば、きっと皆さんのやる気に再び火がつくことと思います。

活き活きとオープンキャンパスを手伝っていたり、楽しそうに大学内を歩いていたりする先輩大学生の皆さんの姿も良い刺激になると思います。忘れかけていた「志望大学への憧れ」をもう一度思い出す大変良い機会になることでしょう。

とにかく、秋以降に調子がもう1つの受験生の皆さんは、関関同立それぞれの大学のオープンキャンパスに参加して、いろいろと情報集めをしつつ、やる気・憧れを再び取り戻しましょう。

夏休みの勉強の成果も出ているなど順調に成績が伸びている受験生の皆さんも、息抜きも兼ねて各大学に足を運んでみませんか?

※万全を期していますが、日時・場所等については必ず各大学のHP等でご確認下さい。

大阪薫英女学院中高 成績上昇の様子と進学先大学

2011年10月12日 水曜日

大阪薫英女学院中高の塾対象説明会にお邪魔してきました。

なお、同中高は春にも説明会を開催されております。当ブログではこちらのエントリー「大阪薫英女学院中高 国公立大合格者数大幅増」でいろいろとご紹介しています。合わせてご一読下さい。

大阪薫英女学院中高

その過日のエントリーでは「入学時の成績と大学進学先」の詳しいデータを基にして「成績を上げています」「国公立大合格の合格者数をドンドン増やしていきます」とご説明されていたことをご紹介しているのですが、今回の説明会ではもう少し踏み込んで「入学時と高3時の偏差値の上がり幅と進学先大学名」という形でデータをご紹介いただきました。下のデータをご覧ください(画像をクリックすると拡大します)。なお、大学名は入学した所となるので、実際に受験して不合格になった所や他の合格大に関する詳細は不明です。

大阪薫英女学院中高 成績上昇と最終進学先

まずは、中高一貫生の成績上昇の様子と進学先についてです。

中高6年間で成績を挙げた例のうち上位15名をご紹介いただいています。入学時には偏差値がやっと40に乗っている生徒でも関西学院大や関西大に入学しているケースが見られます。

また、今春卒業した中高一貫生75名のうち、入学時よりも偏差値が上がった生徒は55名(73%)で、平均して5.5ポイントのアップを実現されているそうです。

高校入学生は3年間でどのような伸びとなっているのでしょうか?

高校3年間で成績を挙げた例のうち上位20名をご紹介いただいています。入学時には偏差値が30台の生徒でも関西外国語大・同志社女子大・京都女子大に入学しているケースや、この学年の入学年度では下位コースとなる文理コース(入学時のレベルとしては偏差値で大体50前後でした)から関西大・同志社大に行っているのは白眉です。

今春卒業した高校生(一貫生除く)231名のうち、入学時よりも偏差値が上がった生徒は175名(76%)で、平均して4ポイントのアップとなったそうです。

上の表でご紹介した進学先大学ですが、一般入試での合格だけでなく、公募制推薦入試・AO入試・指定校推薦、薫英ならではの帰国生入試など様々な入試での進学者が含まれている点をご承知おき下さい。

これだけの成績アップを実現させている秘密はたくさんあるようですが、その中でも特に今回の説明会では大学入試直前期に実施される次の3つの取り組みについてご紹介をいただきました。

①外部予備校の先生による「大学進学ゼミ」が高2の3学期から実施
②英単語や現代文の語彙、世界史や倫理政経の知識などの力を養成する「Jトレーニング」を高3の放課後に実施
③理系進学者・国公立大志望者を対象として理数の徹底したトレーニングを行う「理数指導室」

今回の説明会ではこういった大学入試に向けての取り組みについてのお話が中心となりましたが、それとは別に聞き逃せないお話も1つありました。

それは、大阪薫英女学院中高では大学進学先だけでなく、大学卒業後の就職先まで調査をされており、大学進学後のことまでも気にかけておられる、という点です。

具体的なエピソードとして、立命館アジア太平洋大に進学した生徒が、大学卒業後ANAグループの総合職として同大で初めて採用された事や、関関同立各大学から「薫英出身者の就職が良い」と評価されているとのことをお話いただきました。

英語力が評価された、ということもあると思いますが、海外という見ず知らずの土地で1年間過ごした、という経験が卒業生たちに度胸をつけさせていて、それが就職活動時に何らかの形で役立っているということなのではないでしょうか。

このお話から、大阪薫英女学院中高は偏差値とそれの延長線上にある大学進学先だけでなく、人間力の養成という面でも高い効果を出している様子が伺えます。

今年学園創立80周年をお迎えになられて、ますます飛躍する大阪薫英女学院中高の様子でした。

摂南大 公募推薦入試に向けて

2011年10月11日 火曜日

摂南大が過日に寝屋川キャンパスで実施されました「公募制推薦入試相談会」にお邪魔をしてきました。

摂南大

当日は、公募推薦について詳しく説明して下さる「入試説明会」、化学・数学・英語それぞれの「受験対策講座」、これら2つがメインのイベントとして実施されましたが、その他にも「キャンパスツアー」「個別相談」も合わせて実施されました。

今回は入試説明会でお聞きしてきたことを中心にレポートしたいと思います。

入試説明会 会場

摂南大の公募制推薦入試は以下の2種類があります。それぞれの特徴・変更点とともに紹介しますと、

A日程:配点セレクト方式、調査書の配点を50点から25点に変更、理工学部では住環境デザイン学科のみ2日間出願可能な上に11月6日は文系型の専攻科目で受験可

B日程:評定(50点満点)や高校時代の活動実績(25点満点)を点数化して適性検査に加算する方式、受験2科目のうちで高得点の方を2倍にして合否判定する(昨年は1.5倍)

となっています。

特に気になるのがB日程における「活動実績の点数化」についてです。これは、取得資格や活動実績などを記載する「推薦書」を提出することが必要となりますが、持っている資格や活動実績により加点が行われるものです。

ただし、「何の資格があれば何点加算されるのか」という基準は一切公表されていません。しかしながら、10点以上の加点となるものについては推薦書内にその旨記載があり、それらについては当該事項の証明書類のコピーなどを提出する必要があります。よって、どの資格が10点以上の加点があるのか、については推薦書を見れば分かる、ということになりますね(それでもやっぱり詳しい点数は記載されていないのですが)。

もしたくさんの資格や活動実績を持っている受験生の場合の加点についてですが、複数の評価事項に該当する場合の取り扱いは次の通りとなっています。

①「英語」や「情報・ワープロ」といった形で分けられているそれぞれの区分内、いわば同種の評価事項については最高実績のみを採用し、重複加算はされない。
②上記の区分分けで異種の評価事項で複数該当する場合は、25点を限度として加算される。

よって、例えば英検・TOEFL・TOEICといった英語系の資格を複数もっていたとしても、これらはみな同じ区分でくくられていますので、この中から最も加点が高いものが1つだけ選ばれて加算されることになります。

反対に、例えば英検・パソコン検定・簿記といった形でジャンルがばらばらの資格を持っている場合は、これらの3つの資格すべてが加点の対象となります。

詳しくは募集要項、願書などの記入例を参考にして下さい。

先ほどもありました通り、どの資格があれば何点くれるのか、については非公表とされています。しかしながら、最もよく申告される加点の部分だけちょこっと教えていただきましたので、下に紹介します。

生徒会執行部役員を1期以上つとめる・・・6点
無遅刻無欠席あるいは3日までの欠席・・・2点
同一クラブ(同好会・サークル・マネージャー含む)に2年以上継続して在籍・・・2点

生徒会、というのは中々対象者はいないかもしれませんが、無遅刻無欠席やクラブを続けてやっていた方、というのはたくさんおられることでしょう。それらも、ほんの少しではあるものの、加点がされることになっています。

さて、この公募推薦のA日程・B日程どちらかで合格・手続きをした受験生に対しては、一般A(スタンダード型)の1出願を無料で受験出来る資格が与えられることになっています。手続き者を対象とした専用の願書が郵送されてくるそうです。摂南大の狙いとしては、公募推薦で合格をしている受験生のみんなにもリラックスして一般Aでのみ募集されている「特別奨学生」にチャレンジしてもらおう、ということだそうです。

これは大変面白い制度だと思います。公募推薦で摂南大の合格を勝ち取り、手続きを済ませた受験生の方は、受験料が無料ということもありますので、是非とも一般Aで特別奨学生を狙って再度チャレンジしてほしいと思います。

ちなみに、特別奨学生の人数枠についてですが、2011年度で延べ280名、2012年度分については各学部・学科の認定人数は定員や受験・合格者などを勘案して決定されるようです。

摂南大②

摂南大と言えば、2012年より看護学部が新設されることになっている点が今話題となっています。それに関連する事項を少しご紹介しておきましょう。

看護学部が新設されますが、その他の学部の募集定員は今年一切変わっておらず、看護学部分の定員100名が昨年から純増する形となっています。看護学部以外の学部を受験予定にされている方にとっては、定員が減らされなくてホッとしていることと思います。

また、看護学部は公募推薦のB日程から募集が開始となります。公募推薦での定員は33名となっています。全体で100名の募集の中、公募推薦で1/3という結構高い比率となる33名が募集されますから、公募推薦入試から受験しておくべきでしょうね。

摂南大の人気動向ですが、公募推薦A日程では志願者数が2010年度⇒2011年度で24.7%も増加しました。ちなみに、3年連続して増加していることになります。もちろん、B日程も2010年度から4.3%の増加となりました。

2011年度入試では近畿大が例年以上に難しかったこともあり、摂南大では例年では考えられないような(近大に行くような)レベルの生徒が入学してきたそうです。近畿大を第一志望に、と考えている受験生の皆さんは、出来れば公募推薦入試で摂南大の合格を勝ち取っておくことで、近畿大の一般入試対策を思う存分進めるための予防線(すべり止め)を張っておきたいところです。

早稲田摂陵中高 現高3は早稲田大への内部進学1期生

2011年10月7日 金曜日

早稲田摂陵中高の塾対象説明会に行ってまいりました。

早稲田摂陵中高①

早稲田摂陵中高では以下の4つを教育の柱とされておられます。

①個性の尊重
男女共学化、活動実績型入試導入による個人の特性・志望の尊重 など
②地域連携・ボランティア
早稲田大の知的財産・スポーツなどのノウハウを地域に提供、学期に1回清掃ボランティアを実施
③国際理解教育
中3・中5(中高一貫生の高2)・高2は海外研修に出る
④学力保障
学習支援センターによるサポート(後述)、7限や長期休みの補習授業

①について補足をしておきます。まずは入学者における女子占有率ですが、今春は中学で男子96名中26名、高校は155名中50名が女子となり、共に3割程度を占めています。続いて、活動実績型での今春入学生数ですが、中学で5名・高校は39名となっています。

早稲田摂陵中高の教育内容の目玉は「学習支援センター」です。ここには30台のPC、約100席の自習席がございます。自習席は1日に3~40名程度が使用しているそうですが、テスト前ともなると満席となってしまうようです。センターには5科の教員が常駐されており、随時質問を受け付けておられます。また、生徒全員に渡している家庭学習向けe-ラーニング用のID・PWを使って、センター内のPCでも学習が可能となっています。

施設名に「支援」とあるので「学習についていけていない子向けの施設」と思ってしまいがちなのですが、そうではなく、「もっと学習をしたい子に機会を与える場所」であるという印象を受けます。

早稲田摂陵中高でのクラブ加入率は、中学で80%、高校は70%程度となっています。クラブ活動にも比較的積極的な生徒が多い気がします。

早稲田摂陵中高②

さて、タイトルにもありますとおり、現在高校3年生の諸君は「早稲田摂陵高」となって初めて入学した生徒たちです。よって、早稲田大への内部進学1期生となるわけです。「関西初の早稲田大学系属校」として日本中の注目を浴びた同校ですが、当然1期生の動向も注目されています。早稲田大と早稲田摂陵高の間では1期生の内部進学に向けて今着々と準備が進められているようです。

現在、早稲田大各学部から3名程度の枠、合計40名(当初の公約通り)で内部進学枠は調整されているようです。

気になる内部進学基準ですが、計7回の定期テスト(中間期末学年末計5回と宿題テスト2回)+実テ+外部模試に生活態度等を加味して、総合的に判断されるとのことでした。

40名という枠が設けられていますが、一定の成績基準をクリアした生徒だけに進学権が与えられることになっている、と過年度の説明会でお聞きしています。ですから、一定の成績基準をクリアした生徒が40名に満たない場合もあり得るでしょう。反対に、成績基準をクリアした生徒が40名以上居たとしても40名以上の枠は出ないでしょうから、早稲田大への進学の希望は叶わない、ということも出るかもしれません。

いずれにせよ、内部進学動向には大注目です。

早稲田摂陵中高③

2012年度入試についてです。

中学入試においては男女120名募集、男女比なし、α・βの2コース募集、各コース60名の募集となっています。入試機会は4回ありますが、1/14(土)のみ専願・併願の区分がありますが、他は併願のみとなっています。

下位コースとなるαには一般型の入試の他、帰国生向けと活動実績型の入試があります。

「活動実績型」という言葉が出ましたので、もう少し詳しくご紹介いたします。活動実績型入試は、学科試験と面接に加えてスポーツや文化等における活動実績を加えて総合的に評価する選考方式となっています。

その活動実績型で評価対象となる活動の例は次の通りとなっています。以下以外でもお心当たりがある場合は、早稲田摂陵中にご相談いただくことをオススメします。

英検3級以上、漢検3級以上、書道・硬筆1級以上、珠算2級以上、剣道・柔道2級以上
各種ボランティア1年以上、スポーツ(都道府県大会ベスト16以上、市レベル大会ベスト4以上相当)、児童会役員 など

さて、早稲田摂陵中の入試科目・判定方法については少し注意が必要となっています。こちらでは3科4科選択型入試(事前出願型)で実施されています。注意点は、4科で受験しても3科での判定はしてくれない、という点です。「とりあえず4科で受験しておいて、4科と3科の良い方で判定してもらおう」というパターンには対応されていません。また、3科は算国理のみですから、算国社では受験が出来ないこともお知りおき下さい。

高校入試については特筆すべき点は特になく、今春から変更点もありません。

半年後には判明する内部進学1期生の進学状況、今から楽しみです。

梅花女子大 現代食文化学部は文系から食にアプローチ

2011年10月6日 木曜日

梅花女子大の高校・予備校対象説明会にお邪魔してきました。

今回の説明会は2012年度新設予定の現代食文化学部に特化した内容となっていました。

この現代食文化学部は「おなかいっぱい、学ぼう」を標語に、食を扱う学部でありながら文系寄りの内容で展開されます。

学部の特徴は次の5つです。

①「食」をトータルにマネジメントできる人材の育成
調理や製菓など「食をつくる」技術を学びながら、進路や就職にあわせて安全・ビジネス・文化の3つの視点から「食」に関わる専門知識を深める。
②各分野に長けた講師陣から学ぶ多彩な知識と技術
「食」「ビジネス」の現場で豊富な経験を持つ実習指導者や食物学・栄養学・経営学・文化人類学など高度な専門性を有する講師陣が集結。
③文系女子の就職をサポートする教育内容
ビジネスマナーや社会人基礎力を学ぶ授業を開講し、現場力と専門知識を意識したゼミ、あらゆるビジネスに対応する資格取得の機会を設ける。
④幅広い就職先と進路
「食」だけでなく、それ以外の業界も目指せるため、卒業後の進路選択肢が大きく広がる。
⑤充実した学習環境
入学時、学生全員にノートPCを配布。最新の設備や調理器具も完備。

同学部内に設置される学科は「食マネジメント学科」の1学科のみですが、学科内には以下3つの専門領域が設けられることになっています。

①食育・安全
食品加工や流通の視点から「食」の安全をみつめる
②食ビジネス
経営能力と「食」の現場力で食産業の未来を拓いていく
③食文化
日本や世界の食文化から「食」を深く追求する

上記①の「食育・安全領域」では、女子大では日本初となるHACCP管理者資格が取得可能となる予定、だそうです。また、上記③では「コナモン文化論」という、実に大阪らしい授業が開講予定となっています。

就職に対するサポート面についてもお話を伺っています。今回の学部新設にあたって実に約150社を回ってのヒアリングとインターンシップ受け入れのお願いを実施した結果、同学部1期生が3回生となる2014年でのインターンシップ受け入れ予定企業として、千里阪急ホテル、ハイアットリージェンシー大阪、家族亭、グルメ杵屋等が決定しているそうです。

ただ実習先を確保するだけではなく、社会に出てすぐ仕事が出来る人材とするため、社会人基礎力をつけさせる取り組みとして上記のインターンシップも含めて90分×120回の授
業や実習を4年間で消化させる予定となっているそうです。

さて、新設の現代食文化学部で取得可能となる資格は次の通りです。

調理師免許、2級菓子製造技能士受験資格、HACCP管理者資格、介護食士、家庭科教員免許

特に調理師免許と2級菓子製造~は全員に両方取得してもらいたい、と考えられているようです。

2012年度入試についてですが、学部新設の認可が下り次第入試を開始していく予定となっています。一般的な入試としては一番早いもので12月11日実施の公募推薦から、となります。

なお、設置初年度につきセンター利用型入試は一切実施不可ですから、次年度である2013年度入試からの実施となります。

この新学部設置については随分と早くから宣伝活動をされておられますが、その効果があったのでしょうか、今年の夏のオープンキャンパスは例年の1割増の参加者だったそうです。特に高1・2生の参加も増えている、ということです。オープンキャンパス参加者の間で前述した3つの学問領域の中で最も人気があるのは①の食育・安全の領域になっているそうです。

「食に関する勉強をするなら管理栄養士の受験資格が取れる大学・学部・学科に」というのが一般的な進路選択のパターンだと思いますが、梅花女子大の現代食文化学部はそれとはまた違う方面から「食」に対してアプローチするという、非常に珍しい学部です。

四天王寺中高 理系比率は60%

2011年10月5日 水曜日

四天王寺中高の塾対象説明会に参加してきました。

四天王寺中高

8:30登校、50分授業、中学では火曜と木曜が7限授業、高校では7限授業の曜日・日数はコースや学年によって異なっており、週1~4日とのことだそうです。このように、ベースとなる部分は中高共通ですが、7限授業の曜日や回数が中高あるいは所属するコースや学年で異なっています。

その他、中高で共通のものとしては、毎月第4土曜日はお休みなのでその分の振り替え授業を毎週月曜7限に1コマずつ入れている、という点があります。

なお、先ほど7限授業の曜日や回数をご紹介しましたが、それも含めて7限目の授業に関しては超過授業料(1時数超過につき23400円/年)として正規の授業料と別に徴収されているようなので、ご承知おき下さい。

クラブ入部率ですが、中学は6~70%、高校は5~60%ということだそうです。

中学には英数Ⅰと英数Ⅱの2コースありますが、後者の方が入試難易度が高くなっているものの、入学後はカリキュラム・教材は両コースとも同一となっており、上位コースである英数Ⅱに関してはプリントなどの補助教材を使って「深さ」「量」を追い求めているそうです。

英数ⅠとⅡのコース間移動ですが、中2進級時にⅠからⅡに1クラス分の人数がコース変更出来ることになっているそうです。また、高校進学時には中学3年間の成績を考慮してⅠ・Ⅱの所属が決定されることになっています。ちなみに、高校入学者(英数コース)とはクラスは混合されることはないようです。

気になるテストについても聞いてきています。実力テストは中学の3年間は英数ⅠとⅡで同じ問題が出題されることになっているそうです。今年入学したばかりの現在中1の2学期実力テストにおいて、上位100名の中に英数Ⅰの子が44名いたそうです。入試当日に力を充分に発揮出来ず、英数Ⅱから回し合格で英数Ⅰになったとしても、その後の頑張りで英数Ⅱの生徒たちを抜き返すことも可能である、ということですね。

このような中学3年間のカリキュラムで、高校進学時には英数国において高1内容の80%程度の進度まで完了しているそうです。

高2から文系・理系に分かれることになっていますが、理系希望者は全体の6割という高い割合になっているそうです。これは他の学校、特に女子校では見られない特徴なのではないでしょうか。

高校に設置されているコースは英数コースとスポーツ・芸術コースの2つです。スポーツ・芸術コースは専願のみの募集となっており、県大会レベル以上の実績があるかどうか、が受験の際の目安になるようです。このスポーツ・芸術コースの例年の在籍者内訳としては、運動系30名、シンクロ・バレエ・スケート・ピアノなどの個人競技の類は15名、という形になっています。

さて、今年の四天王寺高の大学合格実績はどのだったのかを振り返ってみましょう。

今年度は私立薬学系に多く進学(頭数で約50名)しているのが1つ目、国公立大よりも関関同立の希望者が多かった、というのが2つ目、こういった2つの特徴があったようです。

そんな状況ではありますが、国公立大医学部医学科の合格者数は46名(防衛医大含)で、女子校では全国2位の実績となっているようです。

特に高校入試においては、専願なら評定7・併願なら評定8の生徒を入学者として迎えておられる(併願はもっと成績の高い方も受験しているようですが、入学に至るケースは稀なようです)状況でこの実績を出している、ということを強調されておられました。

四天王寺中高には「浪人してでも国公立大の医学部医学科に行く」と、頑として進路を変えない受験生が多いようです。そんな「1本筋が通った」といいますか、しっかりとした信念を持つ女性に育つ風土や伝統がこの学校に有ることを感じた説明会でした。

農学系統 地球と人類の今・未来の問題解決が期待される学問

2011年10月4日 火曜日

こちらのエントリー「農学・獣医学・生物環境系 大学進学相談会 今年も開催」でご紹介したイベントにお邪魔してきました。

イベント名からもお分かりの通り、農学系に特化したイベントです。当日はこちら近畿地区を代表して近畿大がブースを出していた他、麻布大・帯広畜産大・北里大・東海大・東京農業大・日本獣医生命科学大・日本大・南九州大・酪農学園大がブースを出して受験生・保護者からのご相談に乗られていました。

このイベントでは「模擬講義」2つと「進路講演」1つが合わせて実施されていました。今回のエントリーでは、進路講演でお話いただいたことを簡単にまとめてみたいと思います。

今回の進路講演のタイトルは「他の理系分野との学びとはここが違う ―広がる将来のフィールドをのぞいてみよう」というもので、農学・獣医学・生物環境系の学びの特色や卒業後の進路について30分でまとめて下さる、という内容でした。

まずは、農学という学びのフィールドについてご紹介いただきました。後で詳しくご紹介をしますが、農学の学びの範囲は非常に広い上に、今回のエントリーのタイトルにもありますとおり「地球と人類の今・未来の問題解決が期待される」学問分野として、社会から大変注目されている系統でもあります。

そもそも「農学」という学問がどういうもので、どんな歴史をたどってきたのか、ということも次のように簡単にご紹介いただきました。

①人類の生存と繁栄の基盤を提供する
②メソポタミア、古代中国に端を発する
③1840年代に欧州で学問体系化される
④絶えず今日的な問題に取り組む

特に上記の④に関して言えば、現代の農学系は次の3点がテーマとなっていると思います。

①食糧問題
②地球温暖化
③エコロジー、環境問題

さて、前述の通り農学系は間口が広く複合的な学問となっているのですが、現在では次の9分野に大別される、とご紹介をいただきました(学科例も併記)。

①農学(農学科・園芸学科・応用生物科学科・農業生産学科・暖地農学科 など)
②農芸化学(農芸化学科・食品科学科・食品科学工学科・醸造科学科 など)
③農業工学(農業工学科・生物環境工学科 など)
④農業経済学(農業経済学科・園芸経済学科・食糧環境経済学科・食品流通学科・国際農業開発学科 など)
⑤林産(森林科学科・森林資源科学科・森林総合科学科・人間環境科学科 など)
⑥水産学(水産学科・海洋生物資源学科・水産生物科学科・海洋生産システム学科・栽培漁業学科 など)
⑦生物生産・生物資源学(生物生産学科・生物資源学科・生物応用化学科・環境生物科学科・食糧生産科学科 など)
⑧獣医学(獣医学科)
⑨畜産・酪農学(畜産学科・酪農学科・動物資源科学科・動物応用科学科・生物生産環境学科 など)

農学系とひとくくりにしていますが、イメージ通りに「土をいじる」「化学薬品を使う」「生き物を相手にする」ような系統もある一方で、「農業経済学」や「生物資源学」といった学問内容がイメージしにくいものまで、非常に幅広く分野分けされています。

さて、近年の農学系の入試動向についてです。農学・獣医学・生物環境系の入試動向としては3年続けて人気が上昇しており、非常に人気が高い系統となっています。最近では、様々な資格が取れる点、後ほどご紹介するように就職状況が好調である点、食べ物・衣類・化粧品・ペットなどの動物といった身近な生活領域に関わる系統なので興味を引きやすい点、が原因で特に理系進学を希望する女子に人気が出ています。

今回参加したこのイベントも、女子の姿が多かった印象があります。

最後に、農学系学部の就職などの進路についてご紹介します。

農学系の就職・進学の特徴は次の通りとなっています。

①進学率・就職率とも高く、非常に安定している
②専門性を活かしやすい
③公務員試験に有利(公務員になる比率が他系統より高い)
④製造業では医薬品・食品加工業・乳製品産業が多い
⑤研究開発者や製造工程での管理者として期待されている
⑥農協などの金融・保険業界もある

今年卒業した大学生たちの就職の状況は次の通りとなっています。

①農学系統の今春卒業者数は17,235名、うち女性は7,080名で全体の41.1%、就職者数の女性比率は43.3%
②バイオ系が人気で、環境意識の高まりにより女性の比率は年々高まる傾向にある

農学系統の卒業生であれば実験や実習を通して化学の基礎を身につけている、ということが企業側も期待できますし、現在は製造業各社がバイオに強い人材を確保することに力を入れていることもありますので、農学系は非常に高い就職率となっています。

ただ、この系統は大学院への進学率も高くなっています。お聞きした所によると、農学系の今春の大学院進学率は約27%で、簡単に言うと4人に1人が大学院へ進学していることになります。これは、系統別に見た際には理学系・工学系に次ぐ3番目に高い値となっています。

と、ここまでざっと聞いてきた内容を羅列しました。

文章内にもありますとおり、地球温暖化や食糧問題といった現代の地球・人類が抱える問題を解決することが期待されている系統です。まだまだ解明されていない謎も多くある分野でもありますし、新たな発見や前例の無い取り組みが数多く出てくるでしょう。理科が大好きで、将来はその道でどっぷりと・・・、と考えている受験生はもちろんですが、何か新しい発見をしたり新しい取り組みがしたい受験生にもオススメの系統です。

受験生の皆さん。あなたの今のその決断がキッカケで、ひょっとすると遠い未来の地球・人類を救うことになる、かもしれませんね。このブログを読んでくれている受験生の中からそんな人が出て来てくれたら、うれしいです。

大阪成蹊女子高 ハード・ソフト両面で他校を凌駕

2011年10月3日 月曜日

大阪成蹊女子高の塾対象説明会に行ってまいりました。

大阪成蹊女子高①

今年2011年度入試において、大阪成蹊女子高は入学者数443名を迎えられています。入学者増加数では大阪の私立高95校中で第4位、女子校25校の中では輝ける第1位、となっています。なお、大阪府私立高95校全体平均での入学者数増加率は113%であるのに対し、成蹊は150%となっている、ということも合わせてご紹介しておきます。

ちなみに過去の入学者数をひも解きますと、2007年度174名・2008年度198名・2009年度218名・2010年度295名となっており、着実に伸ばしてきていることがわかります。

また、外部募集定員数における専願者の率を算出してみますと、なんと158.8%となっています。これは「定員の約1.6倍もの数の専願受験者が居た」ということを意味します。

「女子校が不人気だ」と巷では言われていますが、こと大阪成蹊女子高については全く当てはまっていません。それには大変大きな理由がありました。

「なぜこれほどまでに大阪成蹊女子高は受験生を、しかも専願で集められているのか?」という秘密をしっかりと調査してきましたので、ご一読下さい。

大阪成蹊女子高②

大阪成蹊女子高はキャリア進学、幼児教育、美術・イラスト・アニメーション、スポーツの4コース制をとられており、4つのコースは2年進級時に(一定の条件はあるものの)自由にコース間移動が可能となっています。

まずこの点に驚きました。特に幼児教育、美術・イラスト・アニメーション、スポーツといったコースは専門性を要求するものですから、カリキュラム途中からの合流は望ましくないものとしている学校がほとんどです。そんな中で大阪成蹊女子高はOKとされています。これは人気の秘密の1つかもしれません。

各コースの取り組み内容を掘り下げてみたいと思います。

まずキャリア進学コースでは、高1時点では共通クラスとして基礎学力を伸ばしながら自分の適性を発見し、様々な体験をしながら人間としての幅を広げる内容として、高2進級時に志望進路別のカリキュラム等が組まれている5つの異なる「レーン」と呼ばれるものの中から1つを選び、進学を目指すという体制にされています。

レーンは次の5つです。

文系特進:難関私大の入試に合わせて英国社を強化
看護・栄養系:難関看護専門や看護大の入試に合わせて英国数(理)を特化
総合進学:併設大・短大への進学をベースにした高大短連携授業を実施
観光文化系:専門分野の講師による授業、課外授業の充実
食物・調理系:専門分野の講師による授業、課外授業の充実

なお、文系特進と看護・栄養系の2つについては外部大を、残りの3つは併設大短への内部進学が基本スタンスとされていますが、特に下の3つのコースからでも併設大短以外に進学している方も多数おられるようです。

幼児教育コースは併設短大の児童教育学科(幼児教育学と初等教育学の2つの専攻がある)への内部進学を目指すコースで、体験学習受け入れ園を近隣の市だけで約100園確保して体験学習を3日間×年4回×3年間実施したり、近隣の子どもたちを集めて生徒がミュージカルを上映したりするなど、実際に子どもとふれ合うことを最重要視されています。

ちなみに、北摂の主な幼稚園67%に併設短大の卒業生が在職しているのと、幼・保への就職率は100%である、という2点が併設短大の自慢ポイント、だそうです。

美術・イラスト・アニメーションコースは、マンガやイラストだけでなく美術館での学外授業や1・2年次宿泊研修などでいろんなものを見たり聞いたりすることを重視されています。

驚いたのは、この美術~コースには地下1階・地上3階の美術コース専用校舎・美術棟があってのびのび制作に打ち込めるという環境にあるだけでなく、画材屋も出店していて2割引きで必要備品を購入出来るというメリットもある、という点です。

充実した環境で、ストレスなく創作活動に思う存分没頭できることでしょう。

最後はスポーツコースの紹介です。スポーツコース専用、というわけではないものの、学校には次のような体育関連施設があります。

グランド×3
テニスコート×4(ナイター設備あり)
体育館×3
トレーニングルーム×2
プール(全天候型自動開閉式)
多目的ホール

・・・圧巻の設備です。これだけあればおのずとスポーツ各種には力が入ることでしょう。ちなみに、トレーナー常駐のコンディショニングルームもある、という点も驚きの一言です。

スポーツコース生は運動部への所属が必須とされていますので、ご注意ください。なお、強化指定クラブは陸上と水泳の2つです。

このコースのユニークな授業としては「ウォールクライミング(これも自校に設備あり)」が挙げられます。他校では見られない大変面白い授業ですね。

4つのコースをご紹介しましたが、どのコースともハード・ソフト面で非常に充実していることがお分かり頂けたことと思います。これだけ充実した設備や中身があるのですから、受験生たちから絶大な支持を集めていることも納得出来ます。

これら4つのコースの中身が大変充実しているからこそ先ほどご紹介したとおり入学者数がここ4~5年でうなぎ上りに増えている、ということはご納得いただけたことと思います。

それに加え、今年2011年度入試においては1つ「大きな変化」があったようです。

かつては入学者の評定平均が10段階で4~6の受験生が中心だったそうですが、今年2011年度入試においては評定平均5~7の受験生が中心となっただけでなく、評定平均8や9、春日丘高・千里高との併願者まで出てくるなど、例年よりも明らかにレベルが高い受験生たちが集まったそうです。

「良い学校」と評価されている学校であれば、たとえ女子校であってもしっかりと生徒は集まるんだ、という見本となっています。他の女子校も今後追随してくることでしょうけども、きっと大阪成蹊女子高は大学や短大も巻き込んでまた次の一手を打ってこられることと思います。

今の充実した教育内容を保ち続けることもそうですが、今後また新たな展開を見せる時が来たらどのような手を打たれるのか、を楽しみに待ちたいと思います。