茨木高 公教育の北辰

2011年11月25日 金曜日

茨木高の受験生・保護者対象説明会にお邪魔してきました。

茨木高

当日は大雨にもかかわらず、ご覧の通り体育館が超満員となっていました。

また、この日は前日に公立高の募集定員が発表になった直後で、茨木高の普通科が40名増の200名募集になることが明らかになったばかりということもあり、会場全体が盛り上がっているようにも感じました。

茨木高の教育内容について簡単にご紹介してまいります。

知識を身につけること、物を論理的に考えることと並行して、様々なものを体験することを通して感性(情緒)を磨くことを目指しておられる、とのことです。訪れた当日は大阪大の留学生約60名を高校に招き、1年生の8クラスに分かれてもらって人権教育に関する授業を行うなど、大がかりなこともされているようです。

この春から「進学指導特色校」に指定されたことを受け、キャッチフレーズを「公教育の北辰」とされました。「北辰」は北極星を意味しており、北極星は地球上から見るとほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを回転しているように見えることから、茨木高が大阪の公教育の中心であることを意識して今後の運営に当たることが宣言されているものです。

そんな茨木高が、今後中期的に取り組む4つの教育目標は以下の通りとなっています。

①「高い志の実現」を図る教育システムの再構築
②「二兎を追うたくましさ」を育成するための教育システムの再構築
③「自主自律の精神」を深化させるための教育システムの再構築
④教員の授業力向上のためのシステムを構築

大まかな話はこれぐらいにして、ここからは教育内容について少し細かい点を拾っていきます。

まず、何といっても「授業時間数・日数が多い」というのが特長として挙げられます。

具体的には、65分×5限による学習時間数の確保(50分×6限よりも1日で25分多い)、2学期制による授業日数の確保(夏休み明けは8月20日から授業スタート)、両面からの量の面で十二分なものとなっています。中々ハードそうな毎日が予想できます。

設備面での話では、広い敷地内に余裕を持って校舎が建っているのが印象的な上、プールは府内公立高では唯一の「屋内型 50m」となっています。Wikipediaによると、「1916年の水泳場竣工、クロール泳法の普及、オリンピック選手など数多くの水泳選手の輩出などの実績によって、「日本近代水泳発祥の地」と称され、記念碑が設置されている」そうです。

当ブログでは過去にこちらのエントリー「北野高 伝統に培われた実績とアカデミックな校風」でご紹介をしましたが、茨木高とライバル関係にある北野高にも広いプールがあるようです。この点から考えると、北摂にあるこれら難関公立高2校には広いプールがある、というのもまた共通点のようです。

ここで1つ余談です。学校の先生が「茨高は充実した設備がウリです」というようなことを言われた直後、当日の折からの大雨によって会場となっている体育館では雨漏りしていることが発覚してしまい、「設備は良いはずなんですがね」と笑いをとられていたのが印象的でした。

さて、気になる大学合格実績についてざっとご説明します。

今春は男子165名・女子156名・合計321名が卒業、その内で国立大への進学が102名、公立大への進学が15名、私大82名となりました。難関国公立大では京都大30名・大阪大36名・神戸大30名といった数が「現役で」合格しているなど、非常に良い結果が出ています。特に、大阪大は浪人も含めると合格者数57名となり大阪大合格者数では全国トップ、神戸大も同39名で全国3位、となっています。

反対に浪人等は119名(37.1%)となっています。浪人等の人数・率を男女別に算出してみますと、次のようなデータが出てきています。

男子 浪人等79名(47.9%)
女子 浪人等40名(25.6%)

やはり女子は浪人を嫌うようで、国公立1本に絞って頑張るというよりも現役での進学にこだわる、という傾向にある様子がわかります。それが「私立大への進学者が男子より女子の方が多く出ている」という今春の結果にも表れているようです。

公教育の北辰、まさに「不動」の存在として北摂では非常に高い評価・人気となっている茨木高の様子でした。