武庫川女子大学附属中 個性豊かな3つのコース

2011年12月9日 金曜日

入学直後は無難なカリキュラム・取組内容とされている学校が多い中、中学段階から各コースとも思い切った教育内容を実践されているのが興味深いです。

武庫川女子大学附属中の受験生・保護者対象説明会に行ってまいりました。

武庫川女子大学附属中

冒頭にも書きました通り、武庫川女子大学附属中には3つのコースがありますが、それぞれが中学段階から際立った特徴・教育内容を持っておられます。

①インテリジェンスコース ~広い視野と深い見識を持った女性の育成~
幅広い教養を学ぶ様々な行事を行うなどし、併設大の文学部から薬学部までのすべての進路に対応している。高校に上がると「文系」「理系」「教員養成系」「スペシャリティー養成系」の4つの系に分かれる。理系では物理・化学・生物3つすべてを履修する、教員養成系は全国でも珍しい系統、スペシャリティー養成系は音楽・スポーツなどの才能を伸ばす生徒のサポートに適している、などどれも多彩。

②スーパーイングリッシュコース ~国際社会での活躍を目指す女性の育成~
「多読・多聴・多書」で英語力を養ったり、英語の授業では日本人・外国人教師によるチームティーチングで「英語のみで授業」を行ったり、朝礼・終礼も英語で実施するなど、徹底的に英語を使う。なお、テストでは「下線部を和訳せよ」ではなく「下線部についてあなたはどう思うか述べよ」等、思考を問う問題にしているそう。

③スーパーサイエンスコース ~次代を担う女性研究者・高度技術者の養成~
「サイエンスツアー」と称し、中学ではトヨタなど国内のサイエンス研修、高校では世界の有名大や施設で海外研修を行う。第1・3・5土曜に中学で実施している「土曜セミナー」では科学的事象をテーマとした独自のプログラムを実施し、研究へとつなげている。理系のコースだが、将来は英語で研究成果をプレゼンする機会が増えるため、英語にも注力している。

特に、「理科室が中高合計で18教室もある」「(生徒数の多さにも比例しているとは思いますが)理科の先生が他校に比べて多い」「女子校でありながらSSHに指定された」ことなどから、スーパーサイエンスコースは他校の理系コースと比べて深い学びが期待できそうです。

さて、附属大・短大への内部進学はどのようになっているのでしょうか。

毎年高3の11月末に大学への内部進学に関してすべて決定されるようです。その際に加味される成績は「高1~3年(2学期まで)の成績」となっています。

ちなみに、毎年1学年中約90%が併設大・短大へ内部進学をされているそうです。

内部進学が決まった高3生は、3学期に進学予定先学部・学科の入学前教育を受講したり、大学の「教養講座」を受講したりすることが課せられることになっています。

その附属大で常に人気が高いのが「薬学部」ですが、薬学部への内部進学率は以下の通りとなっています。

2007年度 14.2% 2008年度 13.5% 2009年度 12.9% 2010年度 14.0%

最後に、間近に迫った2012年度入試について簡単にいくつか。

今回の説明会では「B方式で50名はとりたい」と発言されていました。今春は77名受験・48名合格という状況ですので、これと同等の合格者数が出ることは期待できそうです。ただ、どの程度の受験者数になるか?によっては(当然ですが)倍率が異なってきますので、合格に必要な力は受験者数如何で大きく上下することになる点、注意が必要です。

スーパーイングリッシュコース受験者を対象に、保持資格による加点(総点30点)があるのはご存知でしょうか?ただし、「英検3級以上」「TOEIC350点以上」「TOEFL36点以上(IBT)」「TOEFL420点以上(PBT)」が基準となっており、これ以上のものが必要となっています。また、どういった資格が何点加算されるのかについては一切不明です。

大規模な学校でありながら、入学当初から各コースともきめが細かく、思い切った教育内容を実践されております。将来の志望がはっきりしている生徒であればスーパーサイエンスあるいはスーパーイングリッシュのいずれかのコース、まだじっくり時間をかけて考えたい生徒にはインテリジェンスコースがオススメです。